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初、宇都宮〜西国分寺(7/23)

別になんて訳じゃあないんだ。

ただ宇都宮から、その都市が首都通勤圏の外縁部という地理的要因に基づく宇都宮線のロングシートに座っていたら、突然何か物を書いていないと心がそのまま萎んでしまう気がしたので少し、傲慢にも塵を積もらせてみようかと思う。

こういうのは勢いで初めないと自分の中の日本人らしい恥の感情に押し潰されてしまう。いつまで飽きずに続くだろうか。

夜更の1時間半前後の鈍行の旅であれば遅めの夕食として駅弁を頬張りたいものであるが、なにせロングシート、通勤電車では味が出ない。宇都宮駅で最後の一つ、いっこく野洲どり弁当を掻っ攫い、ものの五分で食いきった。味玉がそのまま一個転がっている駅弁は初めてであった。850円、6ポンド弱。値段相応か。

何の縁もゆかりもなさそうな駅から若いベトナム人が4人、電車に乗り込んでくる。1人はスマホゲームをボイスチャットを駆使して楽しんでいる。隣に座った1人はすぐにキャップを深く被り、居眠り。たまにゲーマーが大きな声を出すと彼が何やら注意している。なんとなくシンパシーを感じる。

22:30、大宮駅で妙にシートが綺麗な京浜東北線に乗り換える。それにしてもこの路線はどうも多摩生活が長い自分からすると掴みにくい。都心に出るときは中央線であるし、南北に行く場合は新宿、渋谷を使う。ただ、水色の路線色は名前にも合っている。

普段自己顕示欲が高ぶった際は舶来の写真投稿サイトにて、誰にも見つかっていない世の中の美麗な瞬間を捉えたいなどと強欲を覗かせつつ、既に頭に在る何処かの誰かに確実に影響を受けている構図を切り取った写真に、これと同価値の下らない文をぶら下げているわけだが、写真と文章という複数の媒体よりも文章一つの方が匿名性が高い、というか自分自身を曝出し過ぎないのでその時の自分の感情に対してとても速報性がある。本当のことを言うと写真を加工する手間がない分気楽に書ける、ということなのであろうけど。

南浦和駅で武蔵野線に乗り換え。夜11時に遅延。何故かと思うも束の間、カタルーニャからお越しの伝統の紺と臙脂の縞模様の勝負服、また我が住処ロンドンから呼んでもないのにやってきた青の金満倶楽部の体育着を粧し込んだ極東の愛しきサポーター達が車両一杯に運び込まれてきた。青い方の背中には誇り高き10番とともにHの名が貼り付けられている。しかし残念、ヤツは既に白い巨人の元に去った後だ。

どうもフットボールの話をすると舌が饒かになってしまう。もう直ぐ最後の乗換駅、西国分寺駅。10年以上前に稀に母に連れて行ってもらった蕎麦屋は代替わりして味が落ちてしまったらしい。百合の根をあの歳で覚えられたのは感謝しかない。

さて、明日は、水曜日、予報は31度、雨のち晴れ(Yahoo 天気)。ついBBC Weatherを開いてしまうのはカブれでないと思いたい。素直に恥ずかしい。

アイスコーヒーと共に、又1日。





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