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貯蔵方法いろいろ

今回はりんごの貯蔵方法についてご紹介します。
りんごは収穫した後も呼吸をしているので、常温に置いておくと老化してやがて腐ってしまいます。できるだけ呼吸を抑えて長期間美味しく食べられるように、貯蔵方法を工夫しているのです。
代表的な3つの貯蔵方法を簡単にお伝えします。

①普通冷蔵
呼吸量を抑えるのには、温度を下げることが一番効きます。
りんごは糖分があるため-1.8〜-2℃が凍結温度なので、専用の冷蔵庫でそのギリギリ0℃以下で保存しています

②CA貯蔵
冷蔵に加えて庫内の酸素と炭酸ガスの量を制限することで、普通冷蔵の約2倍長持ちさせます。主に有袋栽培した「ふじ」「ジョナゴールド」などを中心に貯蔵していて、1年を通して流通させることができるのが青森りんごの強みです。

③スマートフレッシュ
1-MCP(1メチルシクロプロペン)という物資をりんごにまとわせることで、老化の原因になるエチレンの発生を邪魔し、熟成を抑えます
最近使われるようになってきた技術でCA貯蔵よりさらに鮮度を保つことができます。

②③は市場や卸業者が大きな貯蔵庫を使っており、一般のりんご農家は①の普通冷蔵庫が家にあってそこに保存していることが多いです。
私の実家にも祖父の時代に建てた冷蔵庫が現役で動いています。

うちの冷蔵庫の中。
最盛期には天井いっぱいまでりんごが積まれています。


これを書いているのが5/7で、普通冷蔵ではもう保存が限界の時期になりました。
残っているりんごももう老化してやわらかくなってしまい、生では美味しく食べられません。
毎日りんごを食べている私にとってはこの時期が来るのがとても悲しくて、早生品種が収穫できる8月上旬まで「りんごが食べたーい…」とムズムズしながら過ごすことになります。それまでは別の果物を味わうことにしましょう。

残っているのはこれだけ。
もう生食は美味しくないので料理に使おうかと思います。



そういえば最近、五所川原市の農協のCA冷蔵庫が故障して340トンのりんごを廃棄したというニュースがありました。
故障はわざとではないとはいえ、預けていた農家さんにとってはショックだったと思います。補償されるみたいですがなんだかモヤモヤしてしまいます…。