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おすそわけ日記 242「WOWOWとクリミナル・マインドに感謝を込めて」

明日、WOWOWを解約することを決めた。

今の自分に本当に必要な物を見極めて、それ以外を手放す必要があるから。


WOWOWとは、二十年以上のおつきあい。

海外ドラマと映画が好きで、コマーシャルが苦手な私は、テレビはほぼWOWOW頼り。


四十代始め、私の心の支えになってくれたものがいくつかあって。

その一つが、WOWOWで放送されていた海外ドラマ『クリミナル・マインド FBI行動分析課』だった。

連続殺人犯を追う、FBIのプロファイラーチームBAUの物語。


今日は、WOWOWと『クリミナル・マインド』への感謝を込めて、綴りたいと思う。

(以下、『クリミナル・マインド』シーズン2のネタバレが含まれますので、ご注意ください。)




最初に見たのは、シーズン2の途中。

性的な虐待を受け続けた女性が、今度はパートナーと一緒に加害者になって犯罪を繰り返す話だった。

最後に犯人が言い放つ、壊れたらもう元には戻せないと云う(様な)台詞に心抉られた。

そう叫ばなければならない程に追い詰められた犯人の気持ちが痛々しすぎて。


同じく、シーズン2で心に残っている話。

連続殺人犯の夫の共犯として死刑判決を受けた無実の女性。

他人に託した息子の将来のために、黙って死刑に甘んじる姿に涙が止まらなかった。

母の愛と、その愛を尊重するプロファイラーのやりとりの切ない温かさがずっと心に残っている。


シーズン2の最後で、私が心から共鳴する台詞に出合った。

プロファイラーが、自分を癒してくれと懇願する犯人にかけたのが

「自分を癒せるのは、自分だけです」と云う内容の一言。


他人から癒しを求められる度に、私もずっと、そう思って来た。

助けを求められて、助けられなかった後悔に揺さぶられながらも、でも、変わらず、そう思っていた。

その時、深く傷ついていた自分自身に対しても同じ様に。


こうやってみると、私にとっての『クリミナル・マインド』は、シーズン2がベストだったことに気づく。

勿論、その後も好きだったが、段々と残酷な描写が増して、途中で見るのをやめてしまった。



ただ、ただ、ここを強調したいのだけれど。

『クリミナル・マインド』は、BAUと云うプロファイラーチームのメンバーが全員、最高に魅力的なのだ。

どんな陰惨な話でも、彼らの笑顔とユーモアあふれるやりとりに救われた。


私が特に岡惚れしていたのは、二十代で天才的な頭脳を持つ、Dr.スペンサー・リード。

頭いいのに、未熟で素直で、いつも囚われのお姫様になってしまう、ひ弱さよ、嗚呼!

BAU創設者のジェィソン・ギデオンとの、親子のような、師弟の様なやりとりも大好きだった。


リードはシーズンを重ねる度にカッコ良くなってしまい、最終的に

「リードのために、クリマイクリミナル・マインド見続けてます」

と云う女性ファンが多かったと思う。ゼッタイに。

そして、最終シーズンのオープニングでリードがセンターを取った時は涙したであろう。



こうやって書いてきて、思う。

もし今、『クリミナル・マインド』が放送されていたら見るかと問われたら

多分、見ないのではないだろうか。


過去の私には至高であったけれど

今の私は違うものを求めている。


あの時、WOWOWで『クリミナル・マインド』とリードに出会えて、よかった。

こうやって、お別れを告げる機会を得られて、本当によかった。


静かに鎮魂歌レクイエムを口ずさむ気分。



【今日の一枚】前にもアップした写真ですが、リード役のマシュー・グレイ・ギュブラーの自画像Tシャツです。彼は人として、アーティストとして、ユーモア溢れる独特の感性を持っていて、ラスベガスの自宅から自分の作品を通販してたんですよね。お姉さんが梱包担当と云う話とか、ほのぼのしまくりです。

【#つづく日々に】のタグをつけて、日常で心ときめいたことを投稿中。日常のよろこびをみんなでシェアしあって、笑顔が増えたら嬉しいです。

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