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つくり方を変えてみる

アンチモンの新曲 「あいあい傘」を公開しました。


今回の〆切は、「梅雨明けまでに出す!」でした。(ゆるい)
さすがに梅雨が明けて夏日が差し始めてからリリースしたらアウトです。
いやあよかった。毎回ハラハラしますね。

お聴きいただけるとわかりますように、歌詞の内容がかなりラブリーな感じになっています。自分からこういった歌詞は書くことはふだんないのですが、じつはこれ、2年ほど前までアンチモンがレギュラーで担当していたラジオ番組「アンチモンのそれ、歌ってみよう!」に寄せられたリスナーさんの投稿がきっかけで書いた歌なのです。

毎週、リスナーの皆さんから寄せられるさまざまな投稿に応えるかたちで歌を作ってスタジオでそれを生演奏するという、いま考えるとよくこんな大変なこと3年も続けられたな、という企画でした。そもそもこの番組は、コンセプト、構成、タイトル、ジングル、提供スポンサーのラジオCMのクリエイティブディレクションのすべてを自分がやってみる、と決めるところから始めました。どこまでやれるかを試してみたいと思ったのです。もちろん楽しかったですが、やはり毎週となると、これが相当に大変な作業でした。手伝ってくれたスタッフのみんなやギターのイノウエくんにも感謝です。

この番組をやった目的は3つありました。
①アンチモンを知ってもらう。ファンの人とより深くつながる。
②企画者・クリエイティブディレクターとしての自己トレーニング。
③アンチモンの新しいアルバムに向けた曲のストック。


特に自分の中では ③について、どうなるか興味がありました。
CMや他のアーティストさんへの楽曲提供は別として、いつもオリジナルアルバムを作る時には、何を歌うか、何をテーマにするかを自分で考えることから始めていました。

でも今回、番組の中でストックされた曲たちは、そもそものテーマはリスナーのみなさんが与えてくれたものです。それは広告業界で長く仕事をしている自分にとっては、いわばリスナーのみなさんからオリエンを受けて、それに応える歌を作って毎週プレゼンしているようなものでした。プレゼンを積み重ねていくうちに自然と楽曲のデモがたまっていくわけです。

番組を続けながら生まれたデモソングはなんと120曲以上。その内容は実に多種多様です。たとえば「クリスマスとお正月をまとめて祝えるような歌を作ってください」とか笑。

「今年、わたしの春には何も起きていませんが、ただサクラの花が咲いてぼーっとピンクの中を歩いているだけで幸せです、この感じ歌にできますか?」という投稿からは「サクラ」という歌が生まれました。


3年のラジオ番組を終え、120曲のラフスケッチから厳選した歌はちょうどアルバム1枚分ほど。10曲に満たない数ですが、どれも面白く、自分ではまず思い浮かばなかったテーマばかり。過去にアンチモンでリリースした2枚のアルバムとは、ひと味ちがった作品ができる予感がしています。

つくるものを変えたいときは、つくり方を変えてみる。当たり前といえば当たり前ですが、それが体感できた3年だったとも言えます。

あとは候補曲として選んだデモソングたちを、フルコーラスに仕上げて、歌詞を書いて、アルバムにするところまで走り切らねばなりません、「お正月までに!」「サクラが散るまでに!」「梅雨明けまでに!」「夏休みが終わるまでに!」といった季節の風物詩みたいな〆切に追われつつ笑、曲作りが続いています。アルバムが完成したら、ぜひ聴いてもらえたらと思います。

最後に余談ですが。
〆切と言えば、この本が面白いです。

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〆切が迫ってくると、この本を読んでは「みんな同じなんだなあ」と安心しつつ読み耽ってしまい、さらに〆切が迫ってくるという。
興味のある方はぜひ読んでみてください。

じゃあまた!

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