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映画『降霊会 血塗られた女子寮』ネタバレ感想/女子寮の噂、霊の正体は……

2020年制作(アメリカ)
英題:Seance
監督、脚本:サイモン・バレット
キャスト:スキ・ウォーターハウス、マディセン・ベイティ、エラ=レイ・スミス、イナナ・サーキス、シーマス・パターソン、マリナ・スティーブンソン・カー
配給:ハピネットファントム・スタジオ

スキ・ウォーターハウスは、映画『マッドタウン』を見て以来好きな女優である。『マッドタウン』は、近未来のアメリカを舞台に無法地帯を生き延びる女性の姿を描いた映画だ。

冒頭から食人族に捕まり片足を切断され、ローストされるスキ・ウォーターハウスの姿にギョッとするも、後半はカニバリズム要素はなりを潜め、奇妙な恋愛関係と無法地帯の様子が描かれる。実に変な映画であるが、食人族であり、スキ・ウォーターハウスと恋愛関係になる男を『アクアマン』のジェイソン・モモアが演じている。

その後、スキ・ウォーターハウスの映画をいくつか見ているが、主演作はそう多くない。『名探偵ピカチュウ』でまさかのメタモンが変身した人間を演じるなど面白い役も演じてくれるスキ・ウォーターハウス。

では『降霊会 血塗られた女子寮』に話をうつろう。原題の“Seance”は直訳するとそのまま降霊会を意味する。しかし本作の降霊会はフェイクである。

由緒ある全寮制の女学校(その設定だけで私は好き)には歴史がある故に数々の怪談が。その一つがとある女子生徒の自殺である。

ボスのアリスを筆頭にしたスクールカースト上位のグループ。性格の悪い彼女たちは、真面目なケリーに目をつけ降霊会を行うふりして、幽霊に扮した女生徒を使い、ケリーをびびらせて面白がる。

単なる悪ふざけのつもりであったが、その夜1人部屋に戻ったケリーは謎の転落死を遂げる。自殺と処理されたがその真相は謎に包まれている。

その後、ケリーの穴を埋めるようにやってきた謎の転校生カミール(スキ・ウォーター・ハウス)。転校初日からアリスらグループともめ、乱闘騒ぎに。気の強いカミールは女子校にまつわる噂を調べ始める。

その間にも次々としてアリスのグループの女生徒が謎の死を遂げる。果たしてこれは幽霊の仕業なのか…と、ホラーチックな展開ではあるがなんてことはない。全ては校長の息子・トレヴァーとアリスのグループの秀才・ベサニーの仕業であった。

生まれた時からこの学校で暮らすトレヴァーであったが、サディスティックな性質をもつ。心配した母親により、精神科医にかかるも、精神科医をうまく騙して入院を避けた模様。怪談話となっている自殺した女生徒もトレヴァーの仕業であったが、自殺として処理された。

そんなトレヴァーと恋仲になったベサニーは奨学金を得るためにケリーを利用し、バラされないために殺した。その結果、自分の身を守るため殺人を重ねる羽目になったのである。

そこにやってきた転校生カミールである。ベサニーはカミールを利用する気でいたが、そううまくはことが運ばなかった。カミールは別人になりすまし、目的があってこの学校に潜り込んでいたのである。

それは、親友であったケリーの死の真相と、復讐である。とにかくカミールは強く、しぶとく、容赦ない。終盤にきて鮮やかな血飛沫が見られたのもポイント高い。流石スキ・ウォーターハウス!好き!と心の中で拍手。

目的を終え、姿を消そうとするカミールを追いかけたのは、ケリーとかつて仲良くしており、カミールに対しても親身になってくれたヘレナであった。

ヘレナとカミールは互いに惹かれあっており、ヘレナはカミールが復讐のために手を染めたことも知っていながら、「この学校を去ってもあなたにまた会いたい」という。見事なラスト。

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