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ロスト・イン・トランスレーション (2003) LOST IN TRANSLATION

当時のアメリカ人の同僚たちが、西新宿のパークハイアットを目にすると、そろいもそろって「あれが"Lost in translation"のホテルだよね!」と言うので、見てみることにしました。

この映画、見る私が日本語が理解できてしまう時点で、また出てくる場所が普段から見慣れていて身近に感じられてしまう場所だという時点で、多くの外国人とは受け取る印象が相当違うモノになってしまうんだろうなあと思いました。

新宿の街並やネオン、渋谷の駅前、パークハイアットのエントランスや高層階にあるロビー、行ったことないけどバー、のぞいたことしかないけどホテルの部屋など。あ、ここは! とかなりミーハーな見方をしてしまったかも。その一方で、ああ、ネオンってこんなに漢字やカタカナが多いんだっけ、など外国人から見たTOKYOを新鮮に感じている自分もいました。

夫の出張で日本についてきたが、孤独で手持ち無沙汰で夜眠れない若い女。そしてウイスキーのCM撮影で来日した中年の映画俳優の男。妻からはくだらないことで連日連夜ファクスが届くし、撮影はスタッフとの意思疎通がまったく計れないまま進んでゆく。TOKYOという、言葉も違えば行動様式の前提条件がまったく違う街で、もともと孤独をかかえた二人の寂しさが否応なく際立ってしまうんですね。

二人は言葉を交わすようになり、一緒にランチに行ったりクラブに行ったりするけど、まともに会話と言えるような会話はない。男はほとんど彼女の名前すら呼ばない(知らないのかも)。それでも少しずつ、恋愛感情なのかどうかは微妙だけど、心が触れ合う、ほんの少しだけ暖かくなる、そんな感じの話でした。

最後にビル・マーレイはなんとささやいたんでしょうね?

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