エネルギーとは「仕事をする能力」
先日 クライアントの意識の方向性について 「ベクトル」という言葉を用いて お話ししました。
今回は、それをエネルギーという観点でお話していきます。
エネルギーの定義
物理学で、エネルギーという言葉がどんな風に定義されているのか、ということですが。
もう少し具体的に言うと、以下のようになります。
「物質に蓄えられた仕事をする能力」とは、「人間に蓄えられた仕事をする能力」と、そのまま言い換えても通用するのではないでしょうか。
私はよく、コーチングセッションの場で「エネルギー」という言葉を用いますが、まさに「その人(クライアント)の内側に蓄えられたもの」として捉えています。
では、「人間に蓄えられた仕事をする能力」を人間に蓄えられたエネルギーとするならば
力の大きさ そして 力の向きに動いた距離は、何に該当するのでしょうか?
力の大きさとは
ここからは、私の解釈も交えて説明していきます。
人間の中に蓄えられている「力の大きさ」は、やる気や意欲といったパワーに関連する言葉で表します。
やる気がある、パワフルだというと、「真っ赤に燃えている」イメージがあります。しかし、炎は一つではありません。
赤い炎の他に、青い炎があります。
一見、青い炎はそんなに温度が高いようには見えません。
しかし、実際には青い炎の方が、赤い炎より温度が高いのです。
そして、燃え続けている時間も長いとされています。
このように、一見、静かに淡々と燃え続けている場合も、力が大きいということになります。
力の向きに動いた距離とは
それに対して、力の向きに動いた距離とは何でしょうか。
人間の場合ですと、どこまで仕事が進んだかになります。
コーチングだと目標に対して、どこまで進んだかと言っていいでしょう。
目標に向けてどこまで進んだか、つまり動いた距離には、そこにかけた時間の長さが関係してきます。
さらに言うと、人によって速さは違います。
仮に、動いた距離は同じでも、速く駆け抜けると時間は短くて済みます。
職場では、人よりも速く仕事を進めたとしたら、「あの人は仕事が速いね」と言われるでしょう。
これらの要素(熱量、時間、速さ)が「人間に蓄えられた仕事をする能力」、すなわちエネルギーを構成するものとなります。
コーチングで重要視するのは「持続性」
これまで説明した通り
「熱量(やる気、意欲)」×「進んだ仕事の量(費やした時間×速さ)」をエネルギーとして表します。
ただ、コーチングでクライアントが実現したいとする「目標」は、短期の目標もありますが、長期目線、つまり、人生において実現したい願望という場合は、あまり「速さ」は重要視しません。
むしろ、熱量と持続性に着目します。
例えば、ある目標に対して、高い熱量があっても、短い時間しか持続できそうにない、すぐに飽きてしまったり、燃え尽きてしまいそうなら、そのままでは目標達成は難しいかもしれません。
しかし、高い熱量はなかったとしても、長く持続的にコツコツと取り組むことが出来るとしたら、どうでしょう。
時間はかかるでしょうが、案外、当初の目的地以上のところまで進むことも実際、よくあります。熱量は高くないけど、距離は長い、遠くまで進むということです。
大抵の場合、熱量と持続性は反比例します。
つまり、熱量が一瞬は高いけれど、同じ熱量ではなかなか長くは続かない。一方、淡々とした熱量だけど、長続きはする。
こんな風に熱量と持続性は相反する関係になりがちです。
ただし、例外はあります。
高い熱量を、長きにわたって発揮し続ける人も稀にいます。
これは、莫大なエネルギー量を持っている人ですね。
創業経営者などによく見られるタイプです。
一般的には、短時間に発する熱量か持続性か、どちらが高いかということになります。
コーチングセッションのテーマが「人生のミッションに関わること」であるならば、より持続性が高い方が有利です。
熱量がそこまで強くないとしても 、時間をかけて粘り強く続けていけるなら、長い距離を走り続けることができます。
短距離ランナーの100メートルを駆け抜けるダッシュ力は、ものすごいパワーがあります。
しかし、あのスピードで42.195キロを走り切ることができる人は、いないでしょう。
ですが、ある一定以上のスピードで42.195キロを走り切る持久力があるとすれば、マラソンのゴールテープを切ることができる訳です。
人生はマラソンのよう、そんな例えもありますが。
目標を達成していく、成し遂げていくためには熱量が大事です。
同時に、継続し続けることができるかどうかも、重要になります。
今後、もう少しエネルギーについて、理解を深めていきたいと思います。