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見立てという柔軟性|茶道の好きなところ

これまで、いくつか茶道のお点前で利用するお道具を紹介してきました。
茶杓、茶筅、茶碗、茶器・茶入、釜、風炉、炉、棚、水差、建水、香合…

これらのお道具がなければ、茶道は楽しめないのでしょうか?

そんなことはありません。

以前お伝えした略点前では、お点前の手順だけではなく、必要なお道具も通常よりも少なく設計されており、すべてのお道具を揃えずにお点前することが可能です。

さらに、茶道には「見立て」という、茶道用として作られたお道具でないものを、お点前に活用・流用し、その趣向を楽しむという文化があります。

例えば
・お抹茶茶碗のかわりに、カフェオレボウルや飯椀(ごはん茶碗)を使う
・抹茶を入れる茶入れのかわりに、七味等をいれる薬味入れを使う
・お香を入れる香合のかわりに、旅先で求めた小物入れを使う

私は、見立て文化を持つ茶道の持つ、しなやかさ、柔軟さに魅力を感じます。

持てる者だけではなく、持たざる者も、自らの工夫によって茶の湯を楽しむことが出来る。
見立てによる道具の取り合わせは、茶道具を求めるよりも、工夫の余地がある分、楽しみは大きいかもしれません。

自宅での略々点前でも、足りないお道具は、なんとかそれっぽいものを見繕って揃えています。

☆☆☆ここまではきれいめな茶道コラム☆☆☆
***ここからは庶民の現実的な茶道コラム***

なのですが、実際はありあわせ感がひどくて、茶杓に至っては、なんとゼリーについていた長めのプラスチック製のスプーンを利用…(お恥ずかしい…でも使いやすい。買えばいいんですけどね~、手になじむものが欲しいとか考えだすと選べなくって…)

これは、風情もへったくれもない、なんとかしたい!

とはいえ、茶杓を買うのもいいけど、もう少しお道具を見る目を養ってから、もしくは自分で作りたいから、それまでのつなぎとなるようなものを見立てで用意したい!
蓋つきのガラスの保存容器で代用している茶入も何とかしたい!

という思いから、なにか参考になればと、見立てによる道具の取り合わせを紹介している本を見たのですが…

たしかに茶道具ではないものを茶の道具として活用しているので、見立ては見立てなのですが、出てくるのは高価そうなものばかり…
ヨーロッパのアンティークの品とかね。

お~い、ハードルさがってないよ~!

「ごく気楽な気分でお茶を楽しむために、あえて茶室ではなく応接間で薄茶を差し上げます」(原文ママならず、原文だいぶ加工済。出典を示しずらいので)

はっ?茶室があるの?
そんな人の見立て、何の役に立つというのさ?!

(役に立つ方ももちろんいらっしゃるのでしょうが、怒りで視野が狭くなっております。お許しを。)

持たざる者も楽しめる「見立て」じゃなかったのかい!?

本を見ていたら、貧乏人の反骨心がむくむくと頭をもたげてきました!

100均で見立てでお道具揃えて、略点前やってやろうじゃん!

いかがでしょうか?
ご興味ありますでしょうか?
見てみたいよ~とか、それが茶道を身近に感じるきっかけになるよ~という方がいらっしゃったら、コメントを頂けますか?
ご要望いただけましたら、実践してご報告いたします。

(投銭制 note です。「お道具をそろえるのにお遣いなさい!」というセレブな方、もしくは、面白いな、役に立ったなと思っていただけたら、ご支援いただけると嬉しいです!)

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