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利休の説く茶人の心得 利休七則

先日、四規七則の「四規」和敬清寂 をご紹介しましたが、今日は七則。
利休七則とも呼ばれます。
前回の四規が利休さんのことばではなさそうとお伝えしたのに対し、こちらの七則は利休のことばとして伝わっています。まず、ひとつご紹介します。

茶は服(ふく)のよきように点て

茶を点てる際には、抹茶の量や湯加減など、客が飲みやすいように考えて点てます。亭主は心をこめて茶を点て、客はその心に感謝して茶をいただくというお互いの心の交流が「服のよき」茶です。(出典「茶道文化検定公式テキスト4級」監修/一般財団法人今日庵茶道資料館)

「服」ってなに?
まず、そこですよね。お洋服の服と同じ漢字を利用していますが、衣服を表現しているわけではありません。

服ということばは茶道を習い始めると早々に利用することばです。

お茶を点てると、亭主が客に「お服加減いかがですか」と尋ね、客は「結構なお服です」と応えるように指導されます。あら、形式的。

「おいしい?」「おいしいよ」くらいの意味なんでしょうか?

あらためて「服」とは何なのか?
…考えたことなかったわ。

茶道での服は、お洋服の服ではなく、服用の服だと考えます。
薬を飲むことを服用するといいます。つまり「茶を喫すること」が服。

お茶はもともと禅宗で、座禅修行の眠気覚ましや栄養補給として用いられており、お薬のような扱いでした。それで、「服」という表現を使うのですね。

服に加減をつけて「服加減」。

やっぱり「このお茶、おいしい?」「おいしいよ」くらいの意味なんだろうな。

おいしく点てよう、おいしくいただこうというのが「よき服加減」ということのようです。

石田三成と秀吉の出会いとして、「三献茶」のエピソードが残っていますが、まさしく、「服のよき茶」だったんですね。
相手を思うおいしいお茶が提供できると、出世にもつながるようです。

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