週刊ダイヤモンド201301-倒産危険度ランキン11位_20位

倒産危険度ランキング 11位〜20位 [2013年1月]

皆様こんにちは。

最近、週刊ダイヤモンドで掲載される倒産危険度ランキングに入った会社のその後を調べてYoutube動画にしたりこのnoteにしたりしているのですが、結構楽しいです。株式投資にも絶対に役に立つと思いますね。ごく簡単にまとめているだけではありますが、有価証券報告書や決算短信も見ています。こうした資料は誰でも簡単に見ることができます。私がもし就職活動中の大学生の頃にこうしたことをやっていれば、別の人生を歩んだかもしれません。

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では早速始めていきたいと思います。順位は下記のようになっています。

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11位 セレブリックス

リクルートの出身者らによって設立された、営業力・販売力強化を提供する会社です。 M&Aで多角化したものの、逆にそれが赤字体質を生み出したようです。危険度ランキングに入ったのちに、コア事業への集中を進め、さらにその後MBOを前提としたTOBで非公開化しています。ホームページを見ると従業員満足に向けた施策を打つなど、非公開企業ならではの会社になっています。見事に復活したとみて良いでしょう。

12位 アイフラッグ 

1997年にOA機器や電話の販売を目的に設立され、2003年にジャスダックに公開しています。1990年代後半の設立された通信系の御多分に洩れず、成長は非常に早いです。しかしその後は伸び悩み、最終的には2015年に光通信の完全子会社になり上場廃止となっています。

社長は元パイオン の方のようですが、パイオン もまた上場後に光通信の完全子会社になることによって非公開化されました。その後ジェイコミュニケーションの子会社になっていますが、このジェイコミュニケーションという会社も光通信の子会社です。(光通信の有価証券報告書より)

創業当時のOA機器や電話の販売業務は、いわゆるフロー売り上げです。つまり売り続けなければいけないビジネスもですです。これに問題意識を持っていたようで、2012年に危険度ランキングに入った頃の投資家向け資料を見ると、必死にストック売り上げに転換しようとしています。

実際にストック売り上げとして、「クラウドパッケージ 」という製品を販売していたようですが、これはホームページ製作にサーバー管理やメンテナス、更新作業をパッケージ化して月額課金するというモデルのようです。これ自体は競合が多かったと思いますが、持ち前の営業力で軌道に乗せたようです。クラウドパッケージ という名前もわかりやすいですね。情弱企業にはハマりそうです。

最終的に光通信の子会社になりましたが、元々光通信系の人が創業したとしたら、元に戻っただけですね。光通信から独立した会社はこういう経緯を辿ることが多いような気がします。

13位 石井表記

ネームプレートのメーカーとして創業し、今はプリント基板製造装置などを作っています。元々技術のある会社ですね。バブル期にアメリカに子会社を設立したのを皮切りに、バブル崩壊後も海外に旺盛に進出します。ですが積極路線をリーマンショック後にすぐに修正できなかったのでしょうか?債務超過に陥り業績が低迷します。

ただこの会社は技術がしっかりとあるのと、例えばプリント基板などは今後のIoT社会を踏まえると非常に需要が固いといえます。それもあって2018年1月期、2019年1月期の連結売上高は大きく伸ばしています。今後も無茶しなければ調子は続くと思います。

14位 ディー・ディー・エス

1995年に設立され、組み込み系ソフトウェアの開発を行っていました。2006年よりバイオメトリクス事業に本腰を入れ、資金調達も活発に行ってきています。おそらく研究開発に資金が必要なのでしょう。

新製品発表などのタイミングで株価が大きく上がることがあります。危険度ランクに入った時に買っていた人は、売るタイミング次第では大儲けしているでしょう。

最近はブロックチェーン協会に入会しており、バイオメトリクスに加えてブロックチェーンでも存在感を示せれば今後の期待も高まる会社です。

15位 T&Cホールディングス

1999年に株式情報を提供する会社として設立され、2006年にヘラクレスに上場しました。2012年に医療事業のメディエートを子会社化(元々持分法適用会社)します。

売上の内訳としては医療事業が中心になっており、株式情報の提供は1割程度です。富裕層向けの金融サービスということでスイスに子会社を作ったりもしていたようですが、お金がかかったのかもしれません。

2017年に上場廃止になるのですが、その間際に社長が株を売り抜けようとするという、インサイダー取引を働きました。また2019年には子会社のメディエートが破産手続きを開始しています。

非公開になってからもホームページでBSを公開しているのですが、売掛債権が膨らむ一方で、現金化出来ていない売り上げがあるようです。上場していた頃の有価証券報告書によると、金融情報を行っている会社の売掛債権は、多くが対メディエートでした。このメディエートが破産手続きをしているということは、金融事業の方も推して知るべしです。

16位 インスペック

1984年に設立され、その当時はソニーの孫請けとして製造受託をしていたようです。1995年に検査装置事業に業種転換し、自ら研究開発して製品を販売するようになりました。

2001年に発売したTAB装置(液晶の検査をするための装置)が非常に好調で、その勢いで2007年にマザーズ上場。しかしその直後にリーマンショックが襲います。一気に財務状況が悪化しますが、なんとか持ち堪え、基盤外見検査装置を発売したり、医療関連機器事業に参入したりと、非常に好調です。

研究開発に重きを置いているようで、経済産業省からの補助事業にも度々採択されています。主力製品であるフレキシブル基盤等の検査装置は、昨今のIoT製品やスマホ、自動車など、あらゆる電子機器で必要とされます。そうしたこともあり、2020年1月の、社長による個人投資家向け説明会以後、株価が急騰しました。危険度ランキングに入った頃に株を買っていたら大儲け間違いなしの銘柄ですね。

17位 fonfun

1997年に資本金3億円で設立されました。当時の社名はネットヴィレッジで、iモード対応のソフトなどを開発しています。2000年に香港、アメリカに進出しますが、それぞれ2004年、2002年に撤退しています。

2002年にナスダックに上場し、その後はM&Aで積極的に事業を拡大したり、不採算事業を売却したりしています。ただ、ハズレくじを引くと事業に大きくマイナスダメージを与えてしまいます。倒産危険度ランキングに入った2012年はそんなタイミングだったのかもしれません。

2009年に光通信に対して第三者割当増資、2019年に武蔵野(小山社長で有名)からインターネット事業を譲受け、その際に武蔵野に株を買ってもらっています。その結果、武蔵野が筆頭株主になりました。(株式交換かも)

株価は仕手筋のおもちゃにされる時もあり乱行下することもありますが、傾向としては上昇しています。事業的には大きな投資のいらず、かつ法人向けのストック型製品(ビジネスチャットなど)なので安定的な会社と思われているのかもしれません。

18位 USEN

言わずとしてたあのUSENです。1961年に宇野元忠が個人として初め、その後すぐに法人化します。1998年に宇野康秀氏が社長に就任します。その後飛ぶ鳥落とす勢いだったのですが、2010年ごろから一気に経営が悪化します。ちなみにライブドアショックの際、宇野康秀さんがライブドアの株を個人で買ったりしています。ホリエモンらヒルズ族の兄貴的な存在なんですね。

2016年にはあの光通信が一時的に関連会社に入ってくるなど、六本木IT企業らしい動きもありますが、最終的に2016年に上場廃止、親会社としてホールディングカンパニーを作り、そこに吸収させる形で消滅しました。今のUSENはその後に新設分割で作られていますので、一応別会社です。

いろいろなビジネスに手を広げていった矢先に、ITバブル崩壊の煽りを受けて一気に経営が傾いたものの、さすがは宇野康秀さん。修羅場を乗り切っています。

19位 原弘産(現 REVOLUTION)

1986年に設立された、山口県にある不動産会社です。1999年に太陽光発電付きマンションを販売したり、2000年に高齢者介護向けマンションを販売したりと、新しい切り口で付加価値を見出してきました。2000年は介護保険制度の開始もありましたね。

2001年に大証二部に上場した後は風力発電事業や老人ホーム事業に参入します。また小泉・竹中体制のもと強力に推し進められていた構造改革・規制緩和で増え始めたPFIにも積極的に取り組んでいました。

しかし2008年にPFI、高齢者介護向けマンションから撤退します。その後2012年には中国子会社を売却します。リーマンショックが2008年ですからその影響もあったのでしょうね。DESなどで債務超過を回避してきていますが、苦境は変わらず株価は振るわない状況が続きます。

その後2019年に商号をREVOLUTIONと変えて、社外取締役にバレンタイン元千葉ロッテ監督を迎えることが決定し、株価が上がりました。

基本的に山口県という人口が少なく、地価も低いところで不動産業として上場を続けるのは非常に困難だと思われます。

20位 北川精機

1957年に設立された熱・圧力制御技術を持った会社です。プリント基板プレス装置、ソーラーパネル成形ラミネータ装置なども作っています。とりわけリーマンショック後は苦しい時期もあったようですが、技術力のあるメーカーとして存在感を示し続けており、近年の決算は非常に好調です。

プリント基板は、スマホやIoT製品などあらゆる電子機器に必要とされます。そのプリント基板を作るのに欠かせのが、北川精機の真空プレス装置であり、世界中の主要なプリント基板メーカー、半導体メーカーなどから高い評価を受けているようです。

ちなみに2019年6月末時点の大株主の状況を見ると、持株会が9%、家族が15%(大株主上位10名のうち、北川性の合計)、社長(北川雅敏)が7.5%、メインバンク(広島銀行)が4.5%と、安定株主で固めているようです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回ご紹介した10社は上場廃止になった会社はありますが、破産した会社はありませんでした。T&Cが怪しいですが。。。

私個人的に目を引いたのはインスペックです。こうした会社には今後も注目したいですね。

後やはり恐ろしいのが光通信の絡み具合ですね。本当にどこにでも出てくるのでびっくりします。

このnoteでは有価証券報告書を詳細に分析するなどのことは行っていませんが、興味のある方はぜひ各社のホームページやEDINETで見てみることをお勧めします。また、書籍はAmazonなどで購入ができます。

それでは今回もありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。


皆様のお役に立てるよう日々邁進してまいります!