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大事なのは「子どもを変えようとしないこと」です

「一生懸命に子育てをしようと思うほど、子どもは思うように育たない」そんな言葉を聞いたことがあります。

そうなんですね。申し訳ないですが、多くのお母さん方を見てきて、そう感じることがあります。

「子どものために」と思っているのですが、子どもの思いとお母さんの思いにズレがあるのです。

それは、子どもの様子にあらわれます。遊んでいてもちょっとしたことで泣く、登園時に離れられない、別れ際に泣く、などのことがあります。集団の中では、みんなと一緒に座っていられない、絵本を読んでもらっている時に聞くことができない、友だちと遊べない、などなど。

お母さんも、お父さんも、「親が望むようにしよう」と思っているのではないか、と思っています。おむつが早く外れてほしい。何でも食べてほしい。早く寝てほしい。一人で遊んでほしい。など。なるべく手がかからないように、と思っているように感じます。

逆に、何にも思わない?(何をしてほしいと思わない)方もいます。子どもが言うように抱っこして、子どもが言うようにご飯をつくり、子どもが言うように、一緒にお風呂に入り、子どもが言うように一緒に寝る。家事ができないけど、まあいいか!みたいな。というより、常に精一杯という方です。

意外とこうしたお母さんに育てられた子どもの方が、集団の中では生き生きしていたりします。安心感を持っているので、一人でも遊べるし、友だちとも遊べる。自分で自分のことができるのです。

友だちに何かされると、大人に助けを求めるのです。そして、みんなと一緒に生き生きと過ごすことができるのです。適度に大人に抱っこしてもらったり、甘えたりしながら過ごすことができるのです。

児童精神科医の佐々木正美氏は、次のように書いています。
いちばんいい方法は、子どもを変えようとしないことです。「親が望むような子にしよう」と思うのではなく、「子どもが望むような親」に自分自身がなるといいのです。子どもがしてほしいことをしてあげて、子どもが望まないことはなるべくしないようにする。たったそれだけのことでいいのです。

たったそれだけです。

もっと力を抜いて、子どもと一緒にいてくれればそれでいい。子どもに何かしてほしいと思わない。自分でやってほしいと思わない。食べることも、食べなければ食べさせればいい。必ず、自分で食べるようになる。

遊んだ後の片付けも、させようと思わない。一緒に片づければいいと思えばいい。子どもに何かしてほしい、こうなってほしい、と思わなければいいのです。

親が、子どもにこうなってほしいと思えば思うほど、子どもはそうならないようにと心が曲がっていく、親が思った方と違った方向に行ってしまうのです。これに、親が大人げなく、子どもを叱ったり怒鳴ったりしようものなら、かえって曲がりが大きくなってくるのです。

そうならないようにと願っています。

一番困るのは、親の言うことをよく聞くようになる子どもなのです。子ども自身が、親の望むようにしようと思うのです。反発せず、親が望むように頑張ってしてしまう。自分の気持ちを抑え込んで、親の言うように何でもしてしまう。

そうなるとどうなるか。

思春期になり爆発することになるのです。一番良くないのは、親の言うことをよく聞く子、親がお利口だと思う子どもです。一番心配なのです。幼児の段階では表面に出てきませんが、思春期以降の家庭生活がうまくいかなくなる、社会生活ができなくなることもあります。


ぜひ、「子どもを変えようとしないこと」。そして、「子どもがしてほしいことをしてあげ、子どもが望まないことはしないこと」です。

子どもを叱ったり怒ったりする方が多いように思います。子どもだって、大きい声で叱られたくないですから、おこられたくないですから。

ただ、「子どもを愛してほしい」と思います。「目に入れても痛くない」というぼど。

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