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全員の子どもの保護者との面談を大事にしていました

保育所シリーズ。

私の勤務していた保育所では、毎年、個人面談をしていました。子どもの保育所での生活を伝えること、家庭での生活を聞くこと、が主な目的です。

その中で、保護者の方から、子どもの心配なことを聞いて答えることもありました。保育所での姿を伝え、集団での姿が心配な場合は、家庭での様子を聞いて、こうしてほしいとお願いすることもありました。

子どもの姿には、子どもの心があらわれます。よくあらわれればいいけど、そうでない場合もあります。何らかの不安を抱えている場合は、それが継続してしまうこともあるからです。

そうなると、保育所で過ごす生活が楽しくなくなってくるのです。集団生活の中で、一緒に過ごすことができなくなります。みんなで話を聞いたり、遊んだりすることができなくなってしまいます。

そうしたことをできるだけ減らしたい。そんな思いがありました。

始めた当初は、三歳児以上の子どもに限っていました。その後、必要だからと未満児も。主に担任が面談。心配な子どもは所長の私も同席していました。面談後は、担任から報告を受けていました。全員分。児童数は120名前後。

これが、担任も私も結構な負担になってしまいました。それが、人数が増え、150名前後になった時は、これは無理だと判断。必要な子どものみということにしました。当然、子どもの情報が入らなくなってしまいました。残念ですが、必要だと思っていても、職員の負担にはかえられない、と。

そんな面談をしていた頃のおたよりから紹介します。

 1 こうして面談をしています

 面談をしています。お忙しいところおいでいただきありがとうございます。時間が少し遅れることもあります。すみませんがよろしくお願いいたします。
 子どもたちがよりよく育ってほしい、これは、私たち職員はもちろん、保護者の方も同じだろうと思います。今のお子さんの様子から、どう育ってほしいかということを考え話をさせていただいています。そのため、少し家庭の事情をお聞きしている場合もあります。大きく子どもに影響するからです。

 全員の子どもたちの保護者の方と面談をしますから、担任と私は、全員のことについて事前に話し合いを持っています。私は、園外保育や園庭での遊びを見ていて、子どもたちのことを話します。担任からは、日常生活から話をします。

 私は、その子どもが入所当初からのことを知っていますが、担任は担任した時だけです。でも、私たちは、できるだけ全員の子どもについて共通理解ができるようにと努めています。だから、ある程度ではありますが、職員全員が、子どものことを知っています。

 そうして面談に臨むことになります。そして、面談後の報告を私にすることになっています。だから、結構時間を要します。

 でも、これが重要であると感じています。子どもたちの家庭での生活が大きく子どもの日常に影響しているからです。だから、時間をかけてでも、より良く育ってほしいと願うのです。そうです。保育所生活を楽しく過ごしてほしいと願うのです。


2 おりこうさんがいいわけではありません

 保育所の集団生活の中で、そう心配なことがない、ちゃんとできているお子さんがほとんどです。でも、なんか表情がないな、と感じる場合があります。何かトラブルわけでなく、おりこうさんなのです。

 私たちにとっては、それで済ませれば済むのですが、もっと生き生きと遊んでほしいと願い、家の人に話を聞くことがあります。すると、家でもおりこうであることがあります。保育所でも、家でもおりこうなのです。

 すると、どうなるか。時々、自分の気持ちを処理しきれずに爆発してしまうことがあるのです。時々、自分のことができなくなってしまうことがあるのです。家で我慢していることが多いと、こうしたことが起きます。

 こうした話をすると、少しお母さんが、気が付くことがあります。言いすぎている、威圧感があるなど。お母さんは普通なのかもしれません。でも、子どもにとっては、絶対的なお母さんに対しては、何も言えない状況になってしまうのです。

 自分の感情を抑え、おりこうさんにしていることが、生きる術としてしまうのです。そうした術を親子関係の中で身に付けます。すると、時々爆発せざる負えないでしょう。今、そうしない場合も、成長し思春期になってから、大きな代償を払うことになります。


3 親の期待通りに行動してしまうと、自立できなくなります

 あるお母さんは、おりこうだとは思っていたけど、気づいていない方がいました。子どもは、そこまで成長する過程で、そうした術を身につけ、それが自然になっている、当たり前になっている場合があります。親の期待した通りに行動してしまうのです。

 親はそんなことは期待していないというかもしれませんが、そうしたことを直接的に言うわけではありませんが、普段の言動で伝えてしまっていたのでしょう。それを、子どもが素直に受け止めてしまうのです。

 それを受け止めず、自分はこうしてほしいと母親に伝えることができれば、そうならずに済んだのですが、しっかり親の期待通りにしてしまったのです。だから、こうしたお子さんは、いろいろな面で理解できる子どもが多いです。


4 子どもは抱っこしてもらえることが一番なのです

 家庭では、子どもらしく、してほしいことをしてもらい、抱っこしてもらい、言いたいことを言っていられることが一番なのです。

 それを受け止めてもらい、何でもしてもらっていれば、家庭では、「赤ちゃんで」なんていわれる子どもでも、家では何にもしないんだから、何て言われている子どもは、集団生活の保育所では、ちゃんとできていることが多いのです。

 子どもたちは、特にお母さんと過ごすことが多いです。だから、お母さんの言うことを良くききます。きかないと自分が保護してもらえないと知っているからです。

 でも、それを喜んでいてはいけないのです。そうさせてしまっているのは、まぎれもなくお母さんですから。母親ですから。
 ぜひ、ふりかえってお考えいただけるようお願いいたします。


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