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人とつながる「識字」が教育に欠かせないわけとは?

文字を読み書きできることがどれだけ大切か、今回の記事を読むとその理由がよくわかると思います。

なんでいきなりそんな話をするかというと、以前夜間中学の教育について調べた時に、日本の識字率は99.8%だということを知り驚いたからです。ほぼ全員が読み書きできるという状況。世界と比べるとそれは当たり前ではないこともあります。

「文字を読めるのは当たり前」という認識が日本では精通しているのに対し、「文字を読めないのが当たり前」という考え方がある国もあります。

当たり前の認識である文字が読める・書けるという考えを持っていない人たちは、普段の生活でどんな困難に直面しているのか、調べたことをもとに書き上げます!

「識字率(しきじりつ)」とは?

お決まりの、まずは「識字率」という言葉の定義から見ていきます。

識字率・・・ある国または一定の地域で、文字の読み書きができる人の割合。ユネスコでは、「15歳以上の人口に対する、日常生活の簡単な内容についての読み書きができる人口の割合」と定義している。(出典:デジタル大辞泉)

現在では、ユネスコが各国ごとの識字率を10年ごとに調査し、世界的に公表しているみたいですが、人口の数が変わりつつあるのためその数値は正確とはいえないこともあるみたいです。

世界の識字率の現状

成人(15歳以上)の識字率は、1990年では76%でした。ところが2016年には86%にまで伸びています。ミレニアム開発目標などで、世界各国で「初等教育の完全普及の達成」に向けて活動したことが広まっていることが背景にあるかもしれませんね。

しかし、それでも学校に通えない子どもが約5800万人、読み書きができない大人は約7億8100万人いるのが現状です。

「後発開発途上国(Least Developed Country)」は、開発途上国の中でも特に開発が遅れているとされる47カ国のことで、うち33カ国は、南スーダンやルワンダなどアフリカの国々にあたります。

チャド22%、南スーダン27%、マリ33%と、読めない人がほとんど。日本とは状況が全く異なります。

識字が大切とされるわけ

海外留学の補助金などで手厚く、教育分野を重視し活動を行っているロータリー財団が、識字率の向上により具体的にどのような効果が見られるのか、3つ挙げています。

・すべての女性が初等教育を修了すれば、妊婦の死亡率は66%減少する
・読み書きのできる母親を持つ子どもは、読み書きのできない母親の子と比べて、5歳以上まで生き延びる確率が50%高い
・低所得国で全生徒が読み書きを習得した場合、1億7,100万人が貧困から抜け出すことができる。これは全世界の貧困の12%に相当する。

識字率を高めることで、様々な問題の解決(貧困の削減、健康状態の改善、
地域社会と経済の発展など)に導くことができますね。文字を書く・読むことの作業がどれだけパワーをもつか、痛感します。

識字ができないことで起こる弊害

文字の読み書きができることが、どこに行っても非常に大切だということを思い知らされましたが、どんな問題が具体的に起こるのか、考えつくものを紙に書き出してみました。

全ての弊害に共通していることは、「意思疎通が難しく、人とのつながりが希薄になり孤立化する」ということがわかりました。発展途上国の様子を考えながら、具体的にひとつずつ問題を見ていきます。

1.正しい情報を知ることができない

まず文字を読めないと、友人から手紙が来ても読むことができません。そもそもそれが手紙がどうかも分からず、相手の真意が伝わらないという問題が起きます。また、住んでいる地域の情報が載せてある便りが家に届いても、何の知らせか分からず情報をキャッチすることができません。

読み書きができないため、人に話を伝えるとなるとわざわざその人のもとまで会いに行く必要があります。ちなみに私がイタリアのカミーニに行った時もそうでした。読み書きができない人もいる地域だったので、直接会いに行くことで繋がっていました。

しかし、そうなると、交通費も時間もかかります。情報の伝達源である読み書きができることは、生活に必要不可欠であることだとわかります。

2.身の安全性に欠ける

文字が読めないと、身の回りの注意を払うことができないということが起こります。例えば、道路の近くにある標識が注意事項だったとしても、分からず見逃してしまうことがあります。上の話にもつながることですが、正しい情報を掴むことができず、結局安全の確保ができないという問題に直面してしまいます。

また、病気になったときに正しい薬を選んで飲むことができません。適切な判断ができないことで薬の服用をやめたり、適切でない薬を飲んでしまう危険性の孕んでいるのです。

3.正式な教育を受けることができない

教育を受けることができないのは非常に大きな問題です。教科書が読めないだけでなく、大事なことをメモに取ることすらできません。

教育を受けてきた人と比べて知識量が少なく、正式な教育が受けられず将来の仕事にも影響してきます。学校に行くことへの憧れ、周りと疎外感、そして学校というコミュニティーとのつながりがを持つことができない状況に陥ります。

4.情報社会についていけない

文字が読めないことで、SNSで人とつながる意味を見出すことができない可能性もあります。これだけ当たり前のようにつながっているデバイスでさえ、文字の読み書きができないことを理由に、使用する目的さえ分からないことがあります。

まとめ

日本では当たり前の認識である、文字の読み書き。

しかし世界の状況と比べると、その差は歴然としています。文字の読み書きができないだけで、衛生、教育、健康、社会とのつながりさえも遮断されてしまう可能性が非常に高い事が明らかです。

数ある弊害についてもう少し情報を深く掘り下げて調べればよかったと思いますが、、。

お読みいただきありがとうございました!

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