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「テクノロジー×教育」で人生を切り拓く~海外NPOが目指す先~

前回まで、ICT教育や情報格差、社会的に不利な立場にいる人たちについてずっと調べてきましたが、今回は、私が気になる海外NGO/NPOが教育に関して取り組んでいることを紹介していこうと思います!

原点にもどりますが、私が注目していきたいのは、教育の機会が恵まれない環境にいる人たちへの可能性

低所得者、難民、孤児、夜間中学に通う人々。それぞれについて勉強していきましたが、今回は、その中でも「難民」にフォーカスをあてて取り組む海外の団体を紹介していきます。この作業、時間がかかるけどとっても勉強になります!

IT系企業お勤めの方、教師、教育関連で働いている方々にはぜひ共有したい内容です😊

世界の教育系NGO&NPO3つ

ここからは、海外の民間企業ではない団体が、難民に対してテクノロジーを生かし人材育成に取り組むプロジェクトをいくつか話していきます。

1.Techfugees

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Techfugeesは、2015年ロンドンで始まった非営利団体です。難民を対象に、テクノロジーの技術を通じて教育面で恵まれない人たちへの持続的なサポートを目指しています。また、エンジニアなどの人材育成をするだけでなく、共に学ぶ人々、サポートしてくれるボランティア、他のコミュニティにいる人々へのアクセスをしやすい環境づくりを目指しています。

具体的なアクションとしては、3つのプロジェクトを立てています。まず、「TFWomen」というプログラムでは、母国から逃れてきた難民の女性に対し、無償で6ヶ月間エンジニア、デジタルマーケティング、Webデザインなどの技術を取得します。個別指導でサポートを受け、さらに技術習得後、別の教育機関への進学や就職する人々のために手厚いフォローを受けることができます。

キャリア形成の中でも、特にフランスでテクノロジー分野の仕事として雇ってもらう女性が多いようです。フランスでは、テクノロジーの分野で活躍する人たちはバックグラウンドがあまり関係なく、多様な人材が集まっている場所でもありこれから需要があるみたいです!

次に「Basefugees」というプロジェクトでは、実際テクノロジーを学んでどう還元していくか?ということを話し合う意見交換をしていくものです。パートナーシップを結ぶためにアイデアを出し合ったり、各プロジェクトについて専門家からフィードバックをもらったりなどして洗練度を高めていきます。

そして3つ目は、いわゆるハッカソンです。「ハッカソン」とは、プログラマーたちが集まり、集中的にプログラムを開発するイベントのこと。このイベントを通して、他のエンジニアたちとの情報交換や交流の場となっている様です。楽しそうです!

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2.Kiron (NGO)

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kironは、無償でオンライン授業を受けられたり、語学の勉強ができたりするプログラムが非常に充実しています。中東ヨルダンとレバノン出身の難民であることを証明できるものがあれば、誰でも簡単に応募することができるよす。参加できるプログラムは4つです。簡単にまとめてみました。

1.Skill booster programs・・・100あるオンライン授業のコンテンツから選びたい科目を学ぶことができる仕組み。例えば心理学、社会政策、ビジネス、コンピューターサイエンスなどがあります。1ヶ月から6ヶ月までの期間で勉強して資格を取ることもできます。
2.Study Tracks ・・・12ヶ月の長期プロジェクト。トップ大学を狙いたい人向けに、5つの科目が受講できます。分野はエンジニア、IT、政治学、社会科学、経済学です。
3.Regional programs & university applications・・・レバノン、ヨルダン、ドイツの大学に入りたい人向けに用意されたプログラム。最短3ヶ月から24ヶ月までのものもあります。
4.Language courses ・・・英語かドイツ語を学びたい人向けのプログラム。デジタルで他の学生と交流することもできるようです。

kironは現在、外資系コンサルティング会社や海外教育機関、UNHCRなど、NPOから大手企業まで、あらゆる組織や団体とパートナーシップを結んでいます。

一般の方向けにボランティアやインターンシップなど募集していますが、拠点はドイツにあるため参加するとなると現地に行くことが条件となります。テクノロジーを生かして、遠隔地でも教育の機会に恵まれない難民のために提供する教育プログラム、とても画期的でいいなと思いました。

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3.Refugees Code Academy

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Refugee Code Academyは、テクノロジーの技術でプロフェッショナルになる難民を育成する団体です。創設者は、以前西アフリカを旅で訪れたとき、アフリカの難民が色々と環境に恵まれていない状況をみて、持続可能なサポートしたいと思い立ちあげたそうです。技術を通じて難民に知識をつけ、彼らのキャリアをサポートすることも事業の一環として行われています。

彼らの主なキャリアとして、ソフトウェアディベロッパー、プロダクトマネージャーなどに就く仕事を探したり、あとは就職前にソーシャルメディアのインターンシップなどを設けているようです。

また、彼らの個人情報管理のツールとして、デジタルIDの付与をブロックチェーンを通じて行っています。上記2つの団体と比べて、Refugees Code Academyはもっと高技術な能力が問われると想像できます。


まとめ

ここまで、海外の気になるNGO/NPOについて3つ紹介しましたが、調べていたらほかにもまだまだたくさん同じように難民や機会に恵まれていない不利な立場にいる人達を対象とした支援がありました。

どの団体も、パッションがあって素晴らしいなと思うと同時に、難民に関しては今後さらに人口が増え続けていることを考えると、彼らに教育投資する必要性が膨らんできそうだと思いました。ニーズが増えているだけもっとこうした地域のコミュニティを大切にした団体や組織が価値を持つようになってくるかもしれません。

少し戻りますが、Techfugeesが2019年の年間報告書を出したPDFの中に、大切だと思った文章があったので共有します!

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非営利団体は、地元のニーズを汲み取り身近に支援できる存在ですが、彼らはもっとボランティアや民間団体などの他のセクターとつながることを必要としています。民間企業は、仕事に就くための機会を提供したり、インターンを募集したり、仕事のトレーニング研修を設けたりして、各セクターが連帯し協力していく取り組みこそが社会への持続的な統一につながっていきます。

、、日本語にするとおおよそこんな感じでしょうか。1つのセクターが頑張っても、他と協働して心を1つにしていかないと社会全体としては前には進めないという事ですね。勉強になります。

お読みいただきありがとうございました!


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