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地域をサポートする「草の根無償」が注目されるわけとは?

9月になりましたね。皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

最近noteを見てくださった方々からたくさん温かいコメントやスキを押していただき、大変嬉しく思います、、普段の生活では関わることができないような方々と繋がることができて、noteを続ける楽しさを噛みしめております。

今回ですが、日本が行っている開発途上国支援の一環として、「草の根無償」の取り組みについてご紹介していこうと思います!

これは一言でいうと、つまり「お金を返してもらわなくていい資金を援助すること」です。

寄付とは違うのか、無償で支援する具体的な事例はどんなものかなど、そういった内容を分かりやすく書いているのでどなたにも是非読んでいただきたいです✨

「草の根無償」とは何か?

「草の根無償」とは、「草の根・人間の安全保障無償資金協力」の略で、日本政府が開発途上国の発展を手助けするために行っているODA(政府開発援助)の一つです。

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(出典:スタディサプリ 「進路」)

冒頭の方にも書きましたが、途上国の人々の生活を支えるために必要な病院、学校、公共施設、そのほかの設備投資や資材の調達をするためのお金を渡すという協力です。

外務省の報告書によると、草の根無償は1989年から始まり、2000年には実施対象国が117ヶ国にのぼり予算は85憶円までに拡大されました(現在は141ヶ国地域まで拡大)。支援分野の約60%は、医療・教育分野で占められているようです。

近年、草の根無償の支援が大きく増加傾向にありますが、その理由はいくつかあります。まず、開発途上国における「地方分権化」の動きが高まっているためです。現地の人々が国ベースではなく、自分たちで決める権限を持ったり、財源を使い分けたりする活動が身近に行われるようになってきているということです。

また、世界各国内でNGOの進出により政府と協同で行う活動が多様化したことで、市民のニーズも幅広い分野で広がっていたことが挙げられます。国家間でのやり取り・サポートだけでは行き届かない地域まで支援をより充実させたことにより、多様な支援方法が広がっていったということですね!

草の根無償の3つの特徴

上の図にもありましたが、ODAの種類が複数ある中、草の根無償は他と何が違うのか、3つおまとめしました。

1.お金を渡すのは「政府」ではなく「非営利団体」であること

一般的なODAの無償資金協力は、途上国の政府にお金を渡します。その予算を使って、国家がお金の行き先を決めるといういわゆるトップダウン型のやり方です。

しかし、そうなると日本にとって支援の限界があり、途上国の政府にとっても優先度の高い事業から実施されるため、支援が行き届かない地域が多くありました。その問題点を払拭するために登場したのが、草の根無償です。

草の根無償は、支援するお金を地域に根差した市民団体・非営利団体へと渡されます。例えば、生活用水を確保するための井戸を掘る団体や、小学校の環境向上の活動をしている団体など、自分たちが住む地域をよくしようと志をもって活動している団体へ直接資金を渡しています。

この活動により、支援が田舎の山村まで行き届き、誰でもより公平な生活を送ることを保証しているということですね。なるほどです。

2.短期間の小規模な支援であること

相手国に対して支援をするには、数億規模の予算を動かし、おおよそ3年程度で事業を動かすことが一般的だと言われています。

しかし、草の根無償は活動期間が1年程度と短期間であり、金額は原則1000万円以下と指定されています。

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(出典:スタディサプリ「進路」)

億単位でプロジェクトを稼働させると、それなりに複雑な手続きを伴いますが、国際協力の中でも小規模に位置づけられる草の根無償の支援では、その細かい手間がより端的になり、短期間で援助することが可能になります。申請から承認までのプロセスが簡略化され、所要時間が最小限に留められているのが草の根無償資金協力の最代の特徴であり、特長ともいえます。

確かに、協力する相手が市民団体となると1年程度の短めの支援の方がより身近に感じやすく、人々のニーズに行き届きやすいですね。

3.「人が生きていく上で必要な最低限のもの」を支援すること

前述しましたが、支援の対象になる分野は、医療や教育分野だけでなく、ほかにも民生・環境改善、通信・運輸、保健、農林業、防災など多岐に渡ります。

様々事例はありますが、例えば2015年イランのフーゼスタン州の例を挙げると、雨風が凌げるプレハブ校舎を作り、子どもたちの教育環境を整備した事例があります。

それまでは、遊牧民が暮らす集落では学校の校舎がなく児童たちは屋外やテントを張った中で授業を受けていましたが、状況が大きく改善されたようです。

またほかの事例だと、2016年コンゴ民主共和国マルク区という地域に、草の根無償を通じて手押しポンプ式の井戸を設置されました。それまでは、住民は不衛生な川の水を飲んでいたため、感染症になるリスクが非常に高く懸念されていました。しかし、安全な水を飲めるようになるだけでなく、女性や子どもが水を汲みに行く時間が減り学校に行く時間が確保できたという効果がありました。

まとめ

日本から始まった草の根無償の活動により、私たちの知らない所で各国に援助が行き届いている事実は誇りであると同時に、時代と共に変化する人々のニーズをさらに正確に汲み取った支援の在り方を追求していくべきだと感じました。

調べながら、教育分野に着目して書こうと思いましたが、どの分野の実施事例を見ても、生活向上に関わる事業を成功させることで一人ひとりの教育の質も同時に高まるのだと思いました。

例えば、コンゴで導入した手押しポンプ式の井戸により、衛生面が整うだけでなく、衛生教育が重要視されたり子ども達が学校に行って勉強する時間をつくったりすることができるなど、一見教育分野と離れた事業でも、別の効果が派生していることがわかります。人々にあらゆる良い影響をもたらす支援として非常に意味ある援助だと思います。

しかし、まだまだ資金の使い道が透明化されていないことが問題視されていたり、援助に際し、自称エージェント会社と名乗る偽善団体が現れたりなど、課題は様々あるようです。

お読みいただきありがとうございました!

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