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空飛ぶタイヤ (上)/ 池井戸潤 著

三菱リコール隠し事件の実話である『空飛ぶタイヤ』。

子どもの母親の命を奪ったトラックの脱輪事故により、赤松運送が事故原因の疑いをかけられたが、警察は確かな証拠を見つけることができないまま真相は迷宮入り。

しかし、ホープ自動車会社が事件に深く関わっていることが明らかになり、本当の事故原因を知りながら社内で隠し続けていたことが発覚。

財閥系の会社だけに、縦割り関係が執着する組織内では、事件に関してT会議と呼ばれる「密着会議」がされていた。

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たまたまBOOKOFFで手に取った一冊だったが、序盤から話の展開が面白くとても読みごたえがあった。

仕事や従業員、その家族に対する強い社長の責任感や、ビジネスを経営する視点から語る内容から、当事者の立場から会社破産危機が目の前にあることが容易く想像できた。

「会社ってのはな、人でできているんだ。従業員には家族があり、子どももいる。あんたたち世間体のために、自分勝手な理屈のために、そういう人たちが犠牲になるんだ。わかってるのかよ。」

「いつか風向きが変わるときが来ますって。それまでは歯を食いしばってやれることを全てやる。いまはそれしかない。違いますか?」

何が問題なのか、真相を掴むまではどんな状況下にいても諦めないで行動していく社長の一心がしみじみと伝わってきて共感した。

次回からは下巻に突入。

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