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弾丸旅行で、野生のコウノトリに会いに行く! 〜コウノトリには”戸籍”がある!?〜


弾丸旅行は、いいもんだ。


「少しでも多く知らない所に行きたい!」「ちょっとだけでいいからあれを見ておきたい!」という衝動を止められずに出る弾丸旅行は、悪くない。今回も、私の、とある弾丸旅行、そしてそこから広がった知識を少しばかりご紹介。 

テーマは、「コウノトリ」。

(前回の弾丸旅行はこちら↓ 「福島第一原発の周辺をどうしても見ておきたい」と。)

そして、「鳥取砂丘をどうしても見たい」と。

今回の話は、この鳥取から足を伸ばした弾丸旅行だ。

コウノトリの郷、兵庫県豊岡市へ!


砂丘を見た。もう昼すぎだ。夕方には鳥取を出て神戸に戻らなければならない。しかしどうしても見たかったのが「野生のコウノトリ」。検索すると鳥取から「コウノトリの郷」として知られる兵庫県豊岡市まで70キロ。車で一時間半あまりか。よし、行ってみよう!

子供のころ野生のコウノトリが絶滅して、豊岡市で繁殖しようとしているというのを教科書で習ったものの、同じ県内でも神戸からではあまりに遠く、この歳になるまで一度も訪れたことがなかった。日本海側のこの辺りに来るチャンスはめったにないから、今を逃すとずっと見られないだろう。急げ!

所々日本海が見える道を走りながら、豊岡へ。

ああ、あの城崎温泉はここだったのか!車窓から見る城崎の街は、さすがの風情。でも温泉はまた別の機会に。目的はコウノトリだ。

いよいよ、コウノトリとご対面!


車を走らせながら、ハンズフリーで、豊岡市の「兵庫県立コウノトリの郷公園」に電話をし、どこで野生のコウノトリに会えるかを聞く。城崎温泉近くの円山川にかかる橋のたもとに電柱があり、その上に巣があるという。夕方近くにちょうど巣に戻ってくるかもしれないから会える確率も結構あるかも、という。

この橋を渡って・・・・

おっと。こんな看板が。

右に目をやると・・・あった!電柱が。きっとあれだ!

おお!電柱の上には巣!
そして、2羽のコウノトリがいるではないか!
人生初コウノトリだ!

車を少し離れた所にとめて、そろりそろりと近づき、望遠レンズで狙ってみる。

全然逃げない。地元の人に愛され、見守られているから人が怖くないのだろうか。

コウノトリは結構、大きい。羽を広げると2メートル近くあるという。

ツガイなのだろうか?(実は違うっぽいことがこの記事の後で判明するが・・)片方はじっとしていて、もう一方が相手に毛づくろいをするようなしぐさをしている。


じっとしている方の個体は、羽が一枚飛び出していて、それを取ろうとしてあげているように見える。

いやあ、こんなに普通に野生のコウノトリがいるとは思わなかった。

私がいる間飛んでいるところは、少ししか見られず、不覚にもシャッターチャンスを逃したが、大満足だ。

前に北海道の鶴居村で、文字通り普通にタンチョウヅルが居るのを見た時もそうだったが、何よりも、天然記念物や絶滅危惧種が、普通にいることに感動する。途中、地元の人が何人か通りがかったが、皆静かに見守っていた。

コウノトリの勉強をしてみた


ここからは、東京に戻ってから知った話。
前述の「兵庫県立コウノトリの郷公園」に電話で色々聞いてみたら、面白かったので情報をシェア。

*かつて日本各地の農村を飛んでいたコウノトリ。明治時代以降、乱獲や農薬などさまざまな理由で減少し、ついに1971年に、日本で野生のものは絶滅した。

*豊岡は最後の個体が残っていた所。野生種の絶滅前から、繁殖の努力が続けられてきた。80年代には旧ソ連から個体を譲り受けて飼育、繁殖。

*2005年に自然への放鳥開始。
今年8月末現在は、311羽が自由に飛び回っているという。
そして今年は80羽のヒナが既に巣立ったので、同公園の担当者は「これから倍々ゲームで増えていってくれるんじゃないかと、楽しみなんですわ!」と嬉しそうな声。


日本の野生コウノトリは”戸籍”を持っている?


ところで、コウノトリは豊岡で放鳥されたものも、全国を飛び回って九州や関東まで飛んでいるのが確認されているという。

で、なぜ”確認”できたのか?

それは、足につけられた足環(あしわ)で識別できるからだという。
放鳥する時につける他、違う地方に飛んで行ったことが確認できた場合、どんな足環だったかを「コウノトリの郷公園」に報告してもらう。さらにヒナが産まれれば、同公園が足環を現地の自治体に送って、足環をとりつけてもらうことまでしているという。高所作業になるし、親鳥がものすごく抵抗するんじゃないかと素人としては想像するが、一時間以内に安全にヒナに足環を取り付ける方法があるそうだ。

コウノトリの”戸籍”検索アプリを使ってみた

この足環は、5色あり、右左にそれぞれ2色ずつつけられていて、その組み合わせは600通りあるそうだ。つまり、この足環の色のパターンをみただけで、個体を全て特定できるのだという。

そして、その特定はウェブ上のアプリで簡単にできるという。
早速やってみよう!

まず、写真に撮ったコウノトリ。足を見ると・・・

左足が上が緑下が黒。右足が青と青であるのが見える。

検索アプリに、そう入れてみよう。
おお、鳥を前から見るか後ろからみるか、画面を選ぶことができる。

そして、検索!
すると・・・個”鳥”情報が出て来た!

おお、”マイナンバー”はJ0470。生年月日は2022年5月6日。

このコウノトリは大きいと思ったが、今年の5月に孵化、7月に巣立ちしたばかり。お父さんとお母さんが誰かも書かれている!すごい!

こうした関係者の努力で、今後どんどんコウノトリが増えていけば・・・

もう足環をつける必要もなく、日本の農村を自由にコウノトリが飛び回る日も
それほど遠くはないのかもしれない。

ちなみに、コウノトリは豊岡だけじゃないらしい。

栃木県小山市の渡良瀬遊水地など、全国の何箇所かでも、コウノトリの野生復帰をめざしている施設があり、ネットワークでつながっているという。

今度、見に行ってみるか!

ーーー 好奇心満載の「弾丸旅行」から、どんどん世界が広がる!


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きょうも最後までお読みいだたき、ありがとうございました!
AJ 😀

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