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「完無視」の現場を目撃!

皆さんは、初対面の人に仕事の用事で話しかけて、理不尽に「無視」された経験はあるだろうか。私は、この前、そんな現場を見た。見事なまでの「完無視」を。

・・・あっ最初に言うと、実は今日の記事にはオチがないのです。自分としては本当に驚いたので、こんな経験をしたと伝えたかっただけで・・・ぜひ皆さんの感想もお聞かせください。

さて、その日は知り合いと会うことになっていたが、彼は会社の仕事が少し残っていて約束の時間に遅れるという。聞いたら、ある商品を何箇所か事務所に配達しなければならないとのこと。「ちょっと回るだけでそのまま帰れるから。つきあってもらってもいいけど」と言うので、また、知らない仕事にも興味があるので、後ろからついて行ってみた。

何軒か順調に回って、次は都心のオフィス街にある、中堅どころっぽい企業のオフィス。建築関係か何かの会社のようだ。

彼は入り口から入ると、そのすぐ横から、部屋の奥まで、ズラーっと机とパソコンが並び、ぱっと見ただけでも何十人もの男女が働いている、都会的な綺麗なオフィスだ。受付などはないようだが、「宅配等はこちら」と書いてあるから、ここで渡せばよいようだ。

丁寧で、明るく、はっきりとした声で彼が言う。
「失礼しまーす。〇〇です。〇〇をお届けに参りました。」

「・・・・・・」 あれっ、誰も反応しない。

「あっ、すいませーん。〇〇ですが。どちらにお渡しすればよろしいですか?」

「・・・・・」 あれっ? ここにいる数十人が、今、完全に彼を無視している。

「あのぉー」
「・・・・・」

呆然と立っている彼の1メートル横にも、20代後半ぐらいの、スーツを着こなした青年がパソコンに向かって作業しているのに、全く無視だ。

仕事が忙しくて面倒なことに巻き込まれたくないということかと思ったが、彼の存在を意識しながらあえて目が合わないようにしている、という感じすらない。そういう感じがあれば、微妙な表情でわかるものだ。しかしこの青年は、まるで彼が存在しないかのように、空気か何かのように、まったく反応せず仕事を続けている。

すると、彼は、背中をピンっと伸ばしたまま、明るい表情で、丁重な表現で、
少し深呼吸をして、こう言った。今度は腹から出るかなり大きな声だ。

「すみませーん!みなさーん!お忙しいところ、申し訳ありません。〇〇をお届けにあがりました。どなたか対応していただけませんかー!どなたも対応してくださらないので、実は、ちょっと困っておりましてー!助けていただけないでしょうか? どなたか、よろしくお願いしまーす!」

明るく丁寧で、そして大きな、”場違いな”声が、
シーンとしたオフィスに響き渡る。
顔をあげて彼を見る人はひとりもいない。
そして、また、シーンとした静寂が戻る。

ああ、ここまで言っても、まだ無視かよ、と思った瞬間・・・

部屋の奥の方から課長か部長という風情の40代後半ぐらいの人が歩いてきた。怖い筋の方でも何でもない。フツーの会社員の感じだ。もちろん「すみません」も「お待たせしました」も言わず、笑うわけでも、不機嫌な顔をするわけでもなく、無表情で、「はんこ必要ですか?」と一言だけ。

・・・そんな体験だった。それだけだ。

でも、私にとっては、ここまで、普通に丁重に話している人を、存在しないがごとく無視できる。しかも数十人が一斉に無視をする現場は、見たことがなかった。

でも、驚いたのはそれだけじゃなかった。そのオフィスを出て、裏口のようなところに、この会社の人と思われる高齢の女性がいたので、彼は聞いた。

彼「すみません。ちょっと教えてください。さきほどお届けに訪れたんですが、最初どなたも対応してくださらなくて。入り口を間違えましたかね?今後はどんな風にお届けすればよいでしょうか。」

女性「そんなの、入り口で大きな声で呼びかけりゃいいじゃないの」

彼「いやあ、呼びかけたんですが、どなたもお忙しいようで・・・」

女性「で、あなた、女の人に言った?」

彼「えっ?女の人? いや、近くにいたのは男の方々で」

女性「なーんだ、じゃあ、だめよ。こういうことは女の人に言わなきゃ。
そりゃ、男の人だったら答えないわよ」

彼「えっ?あっ、はあ・・・・」

まあ、この会社が特別に変なのかもしれない。上の人が変で、下にも変な空気が伝染しているのかもしれない。そして、あのおばさんの考え方にも驚いた。

私は、こんな会社、潰れてしまえ、と憤慨していたが、その彼は飄々と言った。

「まあ、仕事で回るところは、ほとんどが感じ良いところだけど、こういうのもあるよ。その度に怒ってたらやってられないからね。でもね、他の場所では、配達の住所が分からない時に一緒に探してくれる人がいたり、結構人の情けを感じることもあってね。人間色々いて、おもしろいねー。」と。

まあ、話は以上、なのだ。

徹底した「集団完無視」。
思い出すと、今もムカムカするけど、
次自分が同じような「集団完無視」に遭ったら、
彼のように、深呼吸してから、お腹から声出して、この作戦かな。

今思うと、あのオフィスの人たちは、ゾンビみたいだった。
存在の耐えられないぐらいに軽い、稚拙な言葉を使うならば、
一言、「暗かった。」

そういえば、自分が会社で目撃したパワハラなども、
やった連中はこういう「くらーい」人たちだった。
今度そういう人たちに何か意地悪をされたら、
「北風と太陽」ならば、太陽のように、堂々と、陽光を降り注ぐことで問題を解決したい。

皆さんも、こんな体験ありますか?

・・・と、オチのない話の後に
ちょっとだけ、勉強を・・・

英語・中国語 同時学習!

「無視する」

【英】 ignore
(例)He ignored me. (彼は私を無視した)
【中】 无(wúshì ウーシー)
(例)他无
我了。tā wúshì wǒ le (彼は私を無視した)

「无视」は、日本語の「無視する」と全く同じように使えますが、
普段の会話では「不理 bùlǐ」の方が自然な気がします。

(例)你怎么不理我呢? nǐ zénme bùlǐ wǒ ne
     (あなたは何で私のこと無視するんですか?)

「理」は、取り合う、相手にする、という意味ですが
多くは否定形「不理」で、「相手にしない、無視する」となります。


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きょうも最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

请大家不要不理我!=みなさん、かまってくださいね。コメントとかで。

では、また。

AJ 😀




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