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たけのこ@マンガライターが2022年10月に読んで面白かったマンガ

さて10月の面白かったマンガです!

10月は結構悩ましい感じでしたね。わりと強いマンガがそのまま強いみたいなところがあったかなと。とはいえ『黄泉のツガイ』とかはもはや横綱なのではずしましたけど。

アニメ化、ドラマ化の発表がやたらあった印象もありますよね。『百姓貴族』『ながたんと青と』『作りたい女と食べたい女』『天国大魔境』『往生際の意味を知れ!』『コーポ・ア・コーポ』に『かりあげクン』まで。
――え、7作品!?今月だけで?多いな(笑 あ、『ヘルシング』とかも一応報道にありましたね。

まあそんな感じですが、いきましょうか。
今月わたしが好きだった作品10選です。


『home』

はやく国宝にしよう
ゆるゆると続巻が出て毎回すばらしい。ここで同棲だし、まだ3,4冊くらいは見られると信じています。すばらしい。
もちろんBLなので抵抗がある人も多いかと思いますが、カラミはほとんどありませんから、一度目をつぶって「恋愛もの」と思って挑戦してくれませんでしょうか。後生なので。

シリーズとしてみても「同級生」からはじまる全8冊なので、そこまで冊数は多くありません。ここまで心を揺さぶられるマンガそうないです。


『あかね噺』3巻

『あかね噺』はほんと面白いなーって思います。
テーマは「落語」というそこまで動きがあるとも言えないのに、なぜか紙面が強い。もちろんキャラクターの強さもあると思います。でもそれ以上にマンガとして強い。

理由がなんとも説明がしようがないのだけれど、おそらく「落語本来の強さ」を良く理解しているということなんじゃないかと勝手に思っています。つまり、「話す」というただそれだけの、だれでもできることがプロの技術で行われたときの強さを理解しているのかなぁと。
それは音楽の言葉でいうところの「グルーブ」というものだと思うのです。圧倒的にグルーブしている。これは一流の落語家さんの噺を聞いていても感じることです。

この辺一度ちゃんと分析してみたいところですね。


『朝子のムジカ!!』

発売日まで存在も知りませんでしたが、たしかTLで見かけて購入。

離婚して田舎に帰ってきた40歳の主人公が、昔やっていた楽器にまた打ち込むようになる。じつは最初、読み始めたとき「最近の流行りの話ね~」と思って斜に構えた自分がいたんです。
この手の「いつから、なにを始めてもいい。人生は決まっていない」みたいな作品自体が流行っているのは確かでしょう。『海が走るエンドロール』や『メタモルフォーゼの縁側』のような作品にもあるテーマです。

ところが今作、不思議と心地よい。
明確な理由はわからないのですが、たぶん無理がないと感じたからじゃないでしょうか。子供がいなくて、家もあるので、自由になる立場と言えば立場です。でもその中で悩みながら、「なんとなく」また楽器に触れてみる。

ささやかで、大きなきっかけがあるわけじゃない。でもそれが大きな一歩となってつながっていく。そんなところに共感したのかもしれません。

『ルリドラゴン』

大人気ルリドラゴン。いや、大人気っていうか大好き。
現在休載中というのが気になるところですが、ぜひ元気になって続きを書いてほしいです。

ある日、起きたら角が生えていた。そして自分はドラゴンの娘だと伝えられる主人公。そんな突飛な導入をわりと自然に、ぬるっと受け入れるあたたかい周囲。そして徐々に進行するドラゴン化。
全体は平穏でありながらも日常に溶けこみきってしまうわけではない。その塩梅が素敵です。

あとはコマが大きいと思います。
とても読みやすいし、キャラのかわいさを感じることができますし、作中のスピード感を「ゆっくり」にしてくれるという効果もあるのではないでしょうか。それが心地よさにつながるのではないかと。


『ラーメン赤猫』

こちらもジャンプから。面白かったです。
ネコが営むラーメン屋でバイトすることになった女の子が主人公
ネコカフェ的な要素をあわせもちながらも、基本はちゃんとラーメン屋。裏にはメン撃ち職人のトラもいます。

ネコがやっているというフックに頼ることなく、人間関係(人×ネコ関係?)がしっかり描かれているから二重に楽しい感じがいたします。ネコかわいいの擬人化マンガでしょ?という思い込みは捨てたほうがいいです。いやネコはかわいいけども。このマンガの魅力はそこじゃない。

今月、一番の思わぬ拾い物感がありましたね。


『これ描いて死ね』2巻

とよ田みのる先生の自伝的漫画家マンガ。
1巻に引き続き2巻も素敵でした。前作の『金剛寺さんは面倒くさい』が個人的に大好きで、そこで一度ハートをつかまれてしまったのでもう放してくれません(笑

クソでか感情を描き、それを物語に昇華する。そんなハートの面の扱い方がダントツにうまいんじゃないかと勝手に思っています。写実的じゃない絵柄というのも、そういう感情面を表すのにプラスになっているんじゃないでしょうか。

3巻も楽しみにしています。


蘭人異聞録-濱田彌兵衛事件-

電子書籍のみです。そしてこちらも台湾マンガの一角
最近海外のマンガって本当に沢山あって、「ピッコマ」のマンガの多くは韓国のマンガだったりしますよね。もう普通にある。ただWEBTOONが多いのかな。

そこいくと台湾勢は日本らしい「マンガ」の形式が多いように思います。しかも現状ではその入ってきているどれもが非常にクオリティが高いのは間違いありません(わたし調べ
とはいえ一部のとても人気があり技術がある上澄みだけが翻訳され日本に入ってきているのでしょうから実態はわかりませんけれど。

なんにしても今作もとても面白くて、台湾と日本とオランダをまたにかけた歴史もの。きちっと時代考証とかは挟んでいるにもかかわらず、忍者とかも出てきてしまうエンタメっぷり。そして主人公ふたりのバディものとしても楽しい。

電書だけなのでなかなか手を出しづらいかたも多いかと思いますが、面白いのでぜひ読んでみてください。


ゴルゴ13スピンオフシリーズ 1 『銃器職人・デイブ』

ゴルゴ13のスピンオフ作品。デュークのガンスミスとしてその腕をささえる職人「デイブ」を主人公にするという野心的な試みです。

面白いよこれ。いやもともとゴルゴ自体があれだけ長い期間連載しながらずっとクオリティが落ちないこと自体すばらしく、その技術力を使って描かれたスピンオフなんですから面白くないはずがない。

ガンスミスとして、あることないこと要求されるトンデモっぷりを楽しむことも、ゴルゴの片腕として働くことで遭遇せざるえない悲しい人情噺なんかもあってバラエティに富んでます。

ところでこれ「スピンオフシリーズ」と銘打っているからには、ほかのスピンオフもやりますよっていうことですかね。気になりますね。


『ダンダダン』7巻

『ダンダダン』はもうねぇすごいのよ。
下手したら今一番マンガがうまいんじゃないだろうか。特にアクションまわりを描かせたら右に出るものはいないと思います。これで王道キャラとかだったら押しも押されぬって感じでしょうけど、出てくる怪物たちが絶妙に気持ち悪いのもこのマンガの味で素敵です。

まあほっといてもアニメ化されるでしょうし、人気がもっと出るといいですね。


『サンダー3』

そして超新星のように現れた『サンダー3』。
このデフォルメされたイラストに騙されずに読み進めていただくと、すぐにこのマンガのすごさに気がつくことかと思います。最近はデジタルで描くひとも増えてますから、こういう手書きっぽい部分との差異を作りやすくなっているのかもしれませんね。

ま、その「あの先生に似てるな……」とかそういう野暮なことは言わないでおきましょう。



という感じの10月でした!
いろいろ忙しくて書き上げるまでにだいぶかかってしまった。

そろそろ年末ですし、12月ですね。「このマンガがすごい」もでますね。みなさんの今年のマンガはどれだったでしょうか。「このマンガがすごい」とかが出たら、スペースとかしてみたい気もしますね。ちょっとだけ。


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