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『良い文章』に対する渇望

「渇望」とか書いたけれど、そんな大層なものを抱えているわけではない。

ただ、noteで好き勝手に文字を並べだしてからしばらくになる。書き出した当初は、それほど意識していなかったものの、今では「もう少し格好のよい文章にならないだろうか?」と悩まない日はないのだ。

私は文芸部や文芸サークルに入ったこともなければ、何処かのスクールで文章の勉強をしたことがない。いや、そもそもmixiという限られた場所で一人寂しくレビューを書いていた以外は、まともに文章を書いた経験すらない。

そういうこともコンプレックスになっているように思う。
そんな迷える子羊な私なので、思い出したように「文章の書き方本」に手を出すのだ。

今回買ったのはこれ。

なんのきっかけで手を出したのか忘れてしまったけれど、多分誰かのnoteで紹介していたのだと思う。この本はとても面白かった。

読みやすく柔らかい雰囲気で書かれていること。開く、開かないなどのごく基礎的な部分を知ることができたこと。WEBで書くことを前提にしており、1500字程度のそれほど長くない文章を念頭に置いていること。

そんな様々な要素は、今の自分の状況に合致する部分が多く、まさに『今』読みたいものだった。

しかしそんな数々の有益な内容以上に、私の胸を打ったことがある。

それはこの本が、ナタリー編集部において新入社員のために実際に行われているトレーニングをベースに書かれており、作中に『ナタリー』の文章が例として頻出することだ。

『ナタリー』というのは、ポップカルチャーのニュースサイトで、コンテンツ好きな私は、映画や音楽、漫画などの話題で、一日として見ない日はないくらいお世話になっている。

例えば

客電が落ち、会場は真っ暗闇に包まれた。「トウキョウ~!」と小沢の第一声が闇の中響き渡る。割れんばかりの歓声がやまぬうち、1曲目「流星ビバップ」のイントロが始まった。イントロが終わっても、何ひとつ証明が焚かれる気配はない。歌は1番、2番と進み、とうとう真っ暗闇のままで1曲が終わってしまった。

という文章が出てくる。

「客電」「会場」とくれば、ライブか演劇のたぐいだろう。「トウキョウ」と来ているから場所は東京だろう。そして響き渡る声の主は『小沢』。思い当たる範囲で「小沢」と言えば、やはりオザケンこと『小沢健二』だろうか?となると先日のライブのニュースなのか?そして1曲目「流星ビバップ」。はいオザケンで確定、間違いなし(ガッツポーズ


頭から全部記事が抜き取られているわけではないし、タイトルもわからない。そのお陰で毎回『一人イントロクイズ』状態なのだ(笑

例文が出るたびにワクワクする。

本来の用途とはまったく違うけれど、正直な話、この「イントロクイズができる」という要素が一番楽しかった。

そんな邪な楽しみ方も含めて、この本は自分にしみこむまで読み直そうと思う。

そうは言っても積み本は増える一方なので、どれだけ読めるかはわからないけれど(笑 どなたのnoteだったか忘れてしまったけれど、こうして読み直そうと思える本に出合えたきっかけを作ってくださったことに感謝いたします。


#エッセイ #コラム #推薦図書 #コンテンツ会議 #ナタリー #文章

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