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どのくらい『売れたい』と思っているか

各所で人を見境なく沼に引きずり込んでいる『King Gnu(キング・ヌー)』が情熱大陸で、こんなセリフを言っていた。

『日本では「こういうものが売れる」っていうのが間違いなくある。だから魂を売るのではなく、自分との共通項を探す作業をした。』

そしてバンドのコンセプトとして、「J-POPをやる」ということも語っている。つまりこれは、「広く売れるバンドを目指す」ということだ、と私は解釈している。

そして、これは創作というものに関わっている人であれば、誰もが意識すべきことだ。特に、アマチュアであれば、自分がどのくらい「売れたい」と思っているかを自分自身が理解していることは、かなり重要だ。

「売れたい」でなく、「広くみんなに知ってほしい」でもいい。

アマチュアの立場で創作を行う場合、そこにはグラデーションがあって、「まったく売れたくない」「誰にも知ってほしくない」という人もいれば、「少しは売れたい」や「仕事にしたい」という人もいるだろう。

自分の思うままに筆を走らせて、結果、世間の求めるものを書くことができる人は少数派だ。多くの人は、求められるものを書こうと思ったら、自分のグラデーションに照らし合わせて、『共通点』を探していかなければならない。

趣味が半分、というアマチュアの立場だからこそ、自分がどのくらい『売れたい』と思っているのを理解していないと、その行動と対価のギャップに苦しみ、心を病むことになりかねないのだ。

プロの方が悩む余地は少ないと私は思っている。

「目的」が明確であることがほとんどで、PVなのか個性なのか、与えられた報酬の対価として、求められたものを全力で追及する。それがプロだからだ。

しかしアマチュアという立場はより自由だ。
自分がどうしたいのか。売れたいのか。ただ自分を表現したいのか。そういう選択肢が与えられている。自由なのだ。だからこそ自分がどういうスタンスを取りたいのか、というのは明確に意識しておかなければならない。

売れたいのか売れたくないのか。
知られたいのか、知られたくないのか。

それがわからなければ、共通点を探すこともなく、ただ思うがままに筆を走らせて自分を見失うことになりかねないのだ。

ちっとも売れたくないのであれば、何も気にする必要はない。
少しは売れたいなら、少しだけ『共通点』を探る。
全力で売れたいなら、全力で『共通点』を探る。

創作は一昔前に比べしやすくなった。
アマチュアの立場でも玄人はだしの人も沢山いる。

好きなものを好きなように書いて評価される人は一握りの天才だけ。それは悲しいかな事実だろう。ただ別にそれを悲観する必要はない。その人は、たまたま世間が求めるものと、自分が追求したかったものが合致していただけに過ぎないからだ。運が良かっただけに過ぎない。

多くの人は、好きなものを好きに書くだけではなかなか評価されない。
当たり前だ。万にひとつの運の良さを持ちあわせていないのであれば、それがあたりまえなのだ。そこがスタートだ。
そして、周りに評価されたいなら、『周りの求めるもの』を作り出さなければならない。自分の追求したいものを100%の純度で追及することはできないだろう。

でもそれも悲観する必要はない。
魂を売る必要はないからだ。

どのくらい売れたい、知ってほしいのか、という自分の気持ちのグラデーションに応じて、『共通点』を探せばよい。それだけの話だ。

自分の状態をきちんと理解すること。
そして、その欲求に応じて共通点を探すこと。

そうすることができれば自分にとって、より良い創作に対する「向き合い方」ができるはずだ。



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