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短編小説等まとめ

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自作短編小説及びその他創作文章のまとめです。
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2020年7月の記事一覧

持つべきものは『気分』の予報【ショートショート】【#73】

 情報機器の発展は目覚ましい。  天気予報は半世紀も前に的中率99%を達成し、コンピュー…

たけのこ
3年前
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ノストラダムスは帰ってこない【ショートショート】【#72】

「SF小説の技術って、全然実現しないよね」  私は読んでいた小説を机におき、隣で遅い夕食を…

たけのこ
3年前
37

永遠に死なない薬【ショートショート】【#71】

「早く殺せよ!」  男の両腕は後ろ手に回され、手錠で固定されている。両膝を床につけられ、…

たけのこ
3年前
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捨てるカメあれば、拾う神あり【ショートショート】【#70】

「……なるほど」カルテを眺めながら医者は続けた。 「つまり……あなたは昨日、溝にはまって…

たけのこ
3年前
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父と娘の新たなる幕あけ【ショートショート】【#69】

「また倒産なんだって。やっぱりアパレルは厳しいんだね」  私は台所でテレビを見ながら、リ…

たけのこ
3年前
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絶対に負けられない戦いが、そこにある【ショートショート】【#68】

 庭にむけ開かれた和室で、二人の男が対峙している。  上座は近江国の武将、浅川長政(あさ…

たけのこ
3年前
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やまない雨と、馬乗りの傘【ショートショート】【#67】

「日本には付喪神というものがいるだろう。もし知らなければ教えてやろう。付喪神とはあらゆる『モノ』にやどる神のことだ。そして、われこそはビニール傘にやどった神様だ」  目を覚ますと、俺は数本のビニール傘に馬乗りにされていた。  その上、このような口上を聞かされたときには、どんな反応をしたらよいのだろう。  ただ、俺のところに「ビニール傘の神」とやらが現れることには心当たりがありすぎる。何せ、俺は雨が降るたびにビニール傘を買うし、せっかく買ったばかり傘もどこかしらに忘れてきて

乗っ取られた銀行強盗【ショートショート】【#66】

「銀行強盗だ! 金を出せ!」  時間は3時をちょうど回ったあたり。行内にいるのは、残って…

たけのこ
3年前
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車の鍵、お貸しします【掌編小説】

「車、ありがと。またそのうち貸して」  そう言いながら、男はこちらにカギを放り投げてきた…

たけのこ
3年前
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私のための決起集会【ショートショート】【#65】【#これからの仕事術】

 今日は待ちに待った日だ。  半年間、首を長くして今日という日を待ちわびていた。  数年…

たけのこ
3年前
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『酒』と『マスク』と『都市伝説』と【ショートショート】【#64】

「――いらっしゃい」  少しかがまなければ入れない小さなドアを押して中に入る。カランカラ…

たけのこ
3年前
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