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本や映画や音楽のnote。

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村上春樹「貧乏な叔母さんの話」

村上春樹「貧乏な叔母さんの話」

村上春樹といえば、誰もが知る日本の小説家である。『ノルウェイの森』(1987)、『海辺のカフカ』(2002)は、長年愛される名作となっており、映画化や舞台化もされている。

一方で、SNS上では「#村上春樹っぽいツイート」のようなハッシュタグが存在するように、「独特の言い回しで理解し難い小説を書く人」という揶揄もされているようである。確かに最近テレビドラマ化で話題になるような小説とは違って、どんで

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図書館はつくれる。空き店舗の新しい使い方、完全民営・黒字経営の「みんなの図書館さんかく」の思想。

図書館はつくれる。空き店舗の新しい使い方、完全民営・黒字経営の「みんなの図書館さんかく」の思想。

今年の3月で「みんなの図書館さんかく」を開館しはじめて1年が経とうとしています。たった1年間だけど本当にいろんなことがあって、たくさんの参画が生まれる図書館に育ちました。

焼津駅前通り商店街の空き店舗を活用し、「一箱本棚オーナー制度」と呼ばれる月額制の本棚オーナーの仕組みで、家賃や水道光熱費などの最低限の経費を稼ぎ出し、本を中心にまちの新しいコミュニティをつくる。

シンプルにやっていることはこ

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「パーセプション」を正しく理解することが、マーケティングやPRの基本になるようです。

「パーセプション」を正しく理解することが、マーケティングやPRの基本になるようです。

「認知度は高いなのに売れない。その理由はパーセプションにあった」という帯のメッセージが非常に印象的な本田哲也さんの書籍「パーセプション」。

副題に「市場を作る新発想」とはいっているように、この本はPRストラテジストの本田哲也さんの書籍ではありますが、PRだけの本ではなく市場を作るという意味でマーケティング分野の方にも非常に重要な書籍と言えると思います。

私がパーセプションという言葉を強く認識す

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2021年に読んで面白かった本リスト

2021年に読んで面白かった本リスト

どうもエルモ(@elmo_marketing)です。

年末恒例、その年に読んだ面白かった本を、1冊3行ほどでサクッと紹介していきます。

アイデア資本主義2021年に読んだ本で、ダントツで面白かった本。

多くの書籍が「脱資本主義」「新しい資本主義」と資本主義に変わる概念を無理やり持ち出そうとしているなか、資本主義が人間の心的傾向によって生まれているものであり、システムそのものを取っ替えることは

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期待に応える自分であろう。

期待に応える自分であろう。

「みなさんのご期待に応えられるよう、がんばります」

いろんな人が、いろんな場面で語っているであろうこの言葉。最近になって自分も、ひしひしとその重要性を意識するようになってきた。わかりやすいところでいえばやはり、お仕事である。キャリアを重ねるにつれ、引き受ける仕事には一定の「期待」が含まれるようになった。あいつならおもしろいものを書いてくれるだろう。あいつならいい原稿に仕上げてくれるだろう。あいつ

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音楽の趣味とお店の趣味が重なること、と4月19日の日記

音楽の趣味とお店の趣味が重なること、と4月19日の日記

仙台でJAM CAFEというカフェを経営されていて、今度、東京でPENITENTというカフェを始められる山路さんという人がいまして。

(→今、クラウドファウンディングやってます。目標額まであと少しのようです)

山路さん、J-COOKというお店の大ファンのようなんです。

J-COOKさん、ご存じでしょうか? 東京でカフェブームが始まるずっと前から「これこそ本物のカフェ」と呼べる、伝説のお店でし

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「結婚式を望まなかった妻が」に答えました、と4月12日の日記

「結婚式を望まなかった妻が」に答えました、と4月12日の日記

【質問】
いつも楽しく拝見しています、「結婚式」について相談させてください。

・状況
私は32歳男。妻は35歳です。新婚1年目。仲がよく、喧嘩はめったにしません。

・相談内容
結婚するとき、お互いに「結婚式って恥ずかしいしお金かかるし、このご時世だからやらなくていいよね」と話していました。(この点は事前によく話し合いました)

でも、次第に妻が「ウェディングフォトは撮りたいな」「どうせなら沖縄

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4月12日(月) じぶんの来し方を思えば

4月12日(月) じぶんの来し方を思えば

というわけで、気楽ながらに、ちょっとしんみり、思っていることを書いてみようと思ったのでした。

毎年恒例の選考会にて週末は、土日ともに恵比寿に出社。

毎朝の散歩の時にその日や前の日思ったことの「記録」をツイートし続けている。なんとなくやり始めたのが、去年からずっと続いていて、なんだかんだで役に立ったりするもの。

さて、この二日間で選考会を実施し、総勢「50名」ほどの学生クリエイターとやりとりを

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プロフェッショナルとは?のケーススタディー(「取材・執筆・推敲」) | きのう、なに読んだ?

古賀史健さんの「取材・執筆・推敲」を読んだ。これね、すごい本ですよ。(このnote は facebook 初出内容を再掲したものです)

古賀さんはベストセラーにしてロングセラーの「嫌われる勇気」の著者であり、瀧本哲史さん「ミライの授業」の構成・ライティング担当。他にもたくさんの本を手がけてきたかた。その古賀さんが「ライターの教科書」というコンセプトで書いたのが本書です。

ですが、本書はライター

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Spotifyのおすすめがなぜ「いい感じ」なのか考えてみた

Spotifyのおすすめがなぜ「いい感じ」なのか考えてみた

最近、Spotifyがおすすめするアーティストや曲の精度が、めちゃくちゃ高い。なんというか「いい感じ」なのです。そのあいまいな感覚を、仕組みでどうやって形づくっているのだろう?と思い、いろいろ考えてみました。

さまざまな切り口で気になる音楽を探せる
Spotifyは、公式によるプレイリストが豊富。しかも、さまざまな切り口でつくられています。ジャンルだけでなく、今の気分、時間帯、ランキングなど、個

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「フラれた彼女からLINEがあり食事の予定」に答えました、と3月23日の日記

「フラれた彼女からLINEがあり食事の予定」に答えました、と3月23日の日記

※この文章だけ単品で100円で買えますが、400円でこのマガジンを購入すると、1ヶ月30本くらい読めるので1本14円です。そちらがお得です。 毎日、恋愛ネタや飲食店ネタを書いてますが、僕としては「林伸次の雑誌」と思ってまして、全部が興味あることじゃなくても、その中でいくつか面白ければ、後は読まなくてもいいや、400円の雑誌だし、っていうようなマガジンを考えています。

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そう感じたいとき、そう感じられるものを人は探している

そう感じたいとき、そう感じられるものを人は探している

怒りの中には「寂しさ」があったりするし、表出する感情の奥底には「根源的な想い」があるものです。

いや、なんでいきなりそんなことを言うかというと、たいしたことではないんです。

今日、映画を見てきたんです。

ぼくは、一年間で“何回映画館に行ったか?”を自分の生活の豊かさの指標にしているんですね。

「文化的教養が~」とか「エンタメのトレンドが~」とかいう話では全然なくて、純粋に「そういう時間」を

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美味いコーヒーを出せば成功するのか?

美味いコーヒーを出せば成功するのか?

"What I know about running coffee shops"という本をご存知だろうか?アイルランドを代表するスペシャルティコーヒーロースター「3fe」のオーナー、Colin Harmon(以下コリン)著作のスペシャルティコーヒーショップの経営方法について書かれた本である。

原文を読み終わり、即座に訳すことを決めた。スペシャルティコーヒーで起業しようと思っている方、脱サラしてコ

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怒りやすい人たちの理由、と3月11日の日記

怒りやすい人たちの理由、と3月11日の日記

ある知人で、普通に会話をしていても、すぐに怒っちゃう女性がいるんですね。なんかその場の空気をぶち壊してしまうんです。

※この文章だけ単品で100円で買えますが、400円でこのマガジンを購入すると、1ヶ月30本くらい読めるので1本14円です。そちらがお得です。 毎日、恋愛ネタや飲食店ネタを書いてますが、僕としては「林伸次の雑誌」と思ってまして、全部が興味あることじゃなくても、その中でいくつか面白け

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