僕には、仲間がたくさんいる(らしい)
5/29。
5:30起床。
天気は晴れ。
*
1.
そのグラスにはスヌーピーとウッドストックが犬小屋の上で楽しそうに遊んでいる漫画が描かれ、その上にはこんな吹き出し文字があった。
「幸せとは暖かい仲間」
――村上春樹『1973年のピンボール』p65-p66より引用
白湯が温かい。おいしい。幸せ。「幸せとは暖かい仲間」。……ちょっと違うかな。でも、温かいものを食べると幸せになれるし、あながち間違ってないのかな。……まあ、どうでもいいか。
仕事を辞めて、2週間が経つ。(まだ、それくらいしか経ってないのか。体感的には、3ヶ月くらいのもんだけど。)定期的に顔を合わせるのがパートナーだけになった。(「定期的」と書いて「まいにち」と読む。)
他人と関わらなくなって、久しい。……というほどのもんじゃ、ないんだろうけど。でも、昨日市役所に行ったとき、窓口の人相手に、ずいぶんどもってしまった。重症だな。僕は僕を笑う。「嘲笑う」じゃなくなった分だけ、ましかもしれない。
……白湯、おいしい。
2.
昨日の夜は、パートナーが実家に帰ったので(不仲ではなく、ただの用事です。念のため。)久々に「ヒトリノ夜」を過ごすことになった。(今の若い子は、ポルノグラフィティを知っているのかな。)
まあまあ眠かったけど、なんだか眠りたくなかったので、壁に寄りかかってぼんやりしていた。最近の僕は、よくぼんやりしている。このまま寝ちゃったら、パートナーに叱られるな……。そんなことを考えていると、どこからかギターが聞こえてきた。
まあ、「どこからか」というか、隣だね。アルマカン。ギター弾きの隣人。(名前は、僕が勝手に付けた。)耳をすませてみると、歌声も聞こえる。女の子の声だ。
ああ、幸せかもしれない。なんとなく、そう思った。目に見えなくても、自分以外の誰かの気配を感じると、安心する。世界がちゃんと動いていることを実感できる。
「幸せとは暖かい仲間」
僕は思った。
3.
目を覚ますと、パートナーが隣で眠っていた。おかえり。僕も、壁じゃなくて、きちんと布団の中にいた。……あれから、ちゃんと布団の中に入ったのか。覚えてないな。まあ、いいか。
幸せだな。
白湯がおいしいことも。
ギターが聞こえることも。
大切な人がそばにいることも――。
みんなひっくるめて、幸せなんだな。
僕は、幸せ者なんだな。
「幸せとは暖かい仲間」
僕には、仲間がたくさんいる。
*
「僕だけが、鳴いている」
これは、
僕と、ドッペルゲンガーのドッペルさんの話。
連載中。
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