見出し画像

君が謝ることなんて、

12/1。

5:30起床。

天気は晴れ。





名前を呼ばれた気がした。


ので、目が覚めた。


まだ、頭がぼんやりしている。


「また、一緒に謝ろうね」


……何を?


パートナーの顔を覗き込むと、すやすや眠っていた。


わかっていたけど、寝言……。


寝言に返事をしてはいけないらしい。


ので、とりあえず一回起こしてみる。


パートナーは何事もなかったように、ぱっちり目を開けた。


「どうしたの?」

「寝言いってたよ」

「寝言?」

「『また、一緒に謝ろうね』って」

「……何を?」

「こっちが知りたい」


何も解決しなかったので、とりあえずパートナーを寝かしつけた。


謎は、謎のまま残った。


まあ、本人が一切覚えていない(というか、身に覚えがない)ので、気にすることはないのかもしれない。


でも、台詞が台詞だったので、どうしても気になってしまう。


「また、一緒に謝ろうね」


また? 一緒に? 謝る?


何一つ、腑に落ちない。


パートナーと一緒に謝ることなんて、ないよ。


ぼく一人なら、たくさんあるけど……。


それはさておき。


そういえば、今日から12月だ。


それは、関係ないのかな。


パートナーの謎の寝言とは。


「OK,Google」


※iPhoneだけど、うちのSiriは当てにならない。


「12月 意味」


検索結果、多数。


しかし、芳しい情報は得られず。


「まあ、『魔の月』なんて聞いたことないしね」


12月に罪はない、と。


じゃあ……何だ?


パートナーが、ぼくと一緒に謝ること……。


だめだ、何もわからない。


そもそも、本人(パートナー)に心当たりがないんだから、どうしようもない。


パートナーはけろっとしていたし、深く考えることはないのかもしれない。


ぼくは、答えを出すのを諦めた。


……寝言は、無自覚に発するものだけど、その内容も無自覚なのかな。


寝言って、一体何なんだ?


夢の中の戯言?


隠された本音?


それは、ぼくにはわからないけど。


「君が謝ることなんて、何一つないよ」


ぼくは思う。


もしあったとしても――つまり、ぼくも一緒に謝る必要があるなら、そうするよ。


だから、


「一人で抱えないでよ」


ぼくもパートナーも、一人で色々抱え込みがちだから。


そこは、同じじゃなくてもよかったんだけどな。


ぼくは、パートナーの頭をわしゃわしゃ撫でた。





「僕だけが、鳴いている」


これは、
ぼくと、ドッペルゲンガーのドッペルさんの話。


連載中。


この記事が参加している募集

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。 「サポートしたい」と思っていただけたら、うれしいです。 いただいたサポートは、サンプルロースター(焙煎機)の購入資金に充てる予定です。