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3/29。夢も現も、自分を映す鏡だから、

5:30起床。

天気は晴れ。





……。
……。
……。


「怖い、怖い」


ああ、
それはそれは、怖かったね。
それはそれは……。


……。
……。
……。


「怖い、怖い」


ああ。
すまない。
ちょっと、教えてくれないか。


一体、何が恐ろしかったんだ?





パートナーがいなくなる、恐ろしい夢を見た。こんなに恐ろしい夢は見たことがないんじゃないか、ってくらい恐ろしい夢だった。


化け物に追いかけられるよりも、命を狙われるよりも、ずっとずっと恐ろしいことが、この世の中にあるのか……。


「夢でよかった」と思えたのは、いつぶりだろう。目を覚ましたら、すぐそばで眠っていたパートナーの頬が冷えていたので、さすって温めておいた。


夢っていうのは、大抵すぐに忘れてしまうものだけど、内容があまりに衝撃的だと、その衝撃の余韻は、しばらく頭の中に留まってしまう。なので、本当にパートナーがいなくなるんじゃないか、そんな不安を緩和するためにも、パートナーの頬をさすっていたら、目を覚ましてしまった。すみませんでした。


「いなくならないよ。大丈夫だよ」


震えている僕を、パートナーはしっかり抱きしめてくれた。……まあ、震えていたのは、めちゃくちゃ寒かったからだけど。パートナーのぬくもりを感じながら、ここが現実であることを、ここに幸せがあることを、噛みしめた。嚙みしめすぎて、上顎と下顎がずれてしまうかと思った。


夢と現実は紙一重。僕はそう思っているから、恐ろしい夢を見たときは、震え上がる。夢で起こったことが、現実でも起こるんじゃないかって。(実際は、現実で起こったことが、夢で起こることの方が多いけれど。)


でも、そんな予感も、パートナーが塗りつぶしてくれた。僕らは、これからもきっと大丈夫。そんな予感で、悪い予感を塗りつぶしてくれるんだ。


……こうして日記を書いている間に、恐ろしい夢の衝撃が、あっという間に和らいだ。日記のおかげもあるけど、どちらかといえば、パートナーのおかげかな。パートナーに、何かお礼をしてあげたいな。何がいいかな……。当の本人は、「そんなのいいよ」っていいそうだけど。


夢も現も、自分を映す鏡だ。浮足立つような素晴らしいことも、震え上がるような恐ろしいことも、全部映してしまう。だからこそ、それらは変えられると思っている。こんな風に映ってしまったなら、それを変えてしまえばいい、ってね。


それにしても、眠いな。もうひと眠りしたいところだけど……さっきの夢のつづきを見ちゃいそうで、ちょっと怖いな。でも、大丈夫かな。だって、パートナーがいるんだもの。今度は、良い夢が見れそうだ。





「僕だけが、鳴いている」

これは、僕とドッペルさんの話。もしくは、何か(を生む/が死ぬ)話。

連載中。


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