ぼくは、死ぬはずだった(もしくは、『ぼくらの』を読んだ話)
10/26。
5:36起床。
天気は曇り。
*
ぼくは、死ぬはずだった。
死にたかったわけじゃない。
ただ、そういう順番が来たから、「ああ、もうすぐ死ぬんだ」ってわかった。
ぼくの前の順番の人が亡くなったとき、「いよいよだ」と思った。
ぼくは、冷静だった。
もしくは、諦めていた。
「しょうがないことだ」と。
でも、どこかで怯えてもいた。
「死にたくない」と。
ほら、そろそろぼくの番だ――。
そこで、目が覚めた。
30分ほどの昼寝の予定が、3時間以上経っていた。
目を覚ましてからしばらくは、自分がどういう状況なのか、わからずにいた。
ぼくは、まだ生きているんだろうか?
ぼくは、死なずに済んだんだろうか?
その実感がわいてくるまで、だいぶ時間がかかった。
外は、だいぶ暗くなっていた。
ああ、そうだ。
洗濯物を取り込まないと――。
ぼくは少しずつ、現実に戻っていった。
「生きていてよかった」
というより、
「死ななくてよかった」
その思いが先立った。
あんな夢を見てしまった理由。
たぶん、最近アプリで『ぼくらの』を読んでいるからだろう。(夢の内容が、まさにそんな感じだった。)
ネタバレになるからあらすじは書けないけど、生死に関わるお話です。はい。
最近は、「死にたい」と思うことがなかったから、油断していた。くそお、影響の受けやすい頭め。
今朝見た夢も、『ぼくらの』っぽくないにしろ、生死に関わる内容だった気がする。(そっちは、すっかり忘れてしまったけど。)
そういえば、今準備している長編の内容も、「生きることとは」「死ぬこととは」みたいな話……。
ぼくの頭は、常にそんなことでいっぱいだ。それは、あんな夢も見るだろう。
夢の中で、もうすぐ死ぬぼくが冷静だった理由。
自分の番が来るまでの間、それなりの心づもりができていたから。
でも、死ぬっていうのは、必ずしも準備期間を用意してくれるわけじゃない。
何の前触れもなく、命を奪われることもある。
夢の中のぼくは、運が良かっただけだ。
そして、それがただの夢だったから、もっと運が良かったことになる。
ぼくは、まだ死ねない。
まだ、やらなきゃいけないことがある。
でも、もしかしたら今日、ふっといなくなるかもしれない。
だから、後悔しない生き方がしたい。
そんな月並みなことを思った朝だった。
*
「僕だけが、鳴いている」
これは、
ぼくと、ドッペルゲンガーのドッペルさんの話。
連載中。