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ぼくはきっとやさし(くな)い

7/6。

4:42起床。

天気は雨。





月曜日なのに(だから?)何も聞こえない。人の声も、車の音も。早朝だから? そうかもしれないね。まあ、何でもいいや。この静寂は、僕を安心させてくれるみたいだから。(世の中には、人を不安にさせる静寂もある。)


なんだか、まだ夢から覚めてないみたいだ。自分の半分を、昨日の中に置き去りにしてしまったような。残り半分だけで、僕は今日を生きることになる。これから先も? ……なんて、戯言はいいか。こんな感覚も、昼になる頃には消えている。


希望も絶望も見出せない朝だ。まあ、絶望が見えないだけ、ましだろうか。今の僕の目は、何も見えていない。何も聞こえないから? 何も言わないから? 見ざる、聞かざる、言わざる……。つまり、ニュートラルな状態? ……どうだろうね。


それにしても、今朝は雨のはずなのに……止んじゃったな。風もまったく吹かない。空気はこんなに湿っているのに。なんだか、不快だ。いや、愉快だ? どっちも、あんまり変わらないかな。


「ぼくはきっとやさしい」


そんなことばが、思い浮かんだ。町田良平さんの小説だね。ぼくは……やさしい……。「きっと」と保険をかけているとはいえ、自分のことを「やさしい」といえるなんて、うらやましいと思う。


僻んではないよ。本当に、うらやましいだけ。だって、僕はやさしくないから。「ぼくはきっとやさしい」なんて、後にも先にもいえる気がしないよ。ウソでも、いえばいいのかな。……ううん。ウソでも、いえそうにないな。


「ぼくはきっとやさしい」


試しに、口にしてみる。


……わあ。風邪、引いたかと思った。口にした瞬間、寒気が体を勢いよくかけ上った。やっぱり、心にもないことは、いうもんじゃない。それに、体が拒絶反応を示したということは、やっぱり僕はやさしくない。


やさしい……「やさしい」って、何だっけ……。哲学になってきたな。ゆえに、わからなくなってきたな。まあ、希望も絶望も見出せない朝だからね。そんなことも、あるよ。


「ぼくはきっとやさし(くな)い」


当分は、これでいいかな。……いや、よくはないけど。ウソをついて、風邪を引くよりはいいと思う。そりゃ、やさしくなりたいけど……ぼちぼちでいいか。


また、とりとめのない日記になってしまった。でも、僕がとりとめのない奴だからな。……やれやれだ。





「僕だけが、鳴いている」


これは、
僕と、ドッペルゲンガーのドッペルさんの話。


連載中。


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