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目目、耳耳

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2021年1月の記事一覧

美しき、百“希”夜行(夜天/女王蜂)

今、『先が見える人』と『先が見えない人』は、どちらの方が多いんだろう。

終わりが見えないなんちゃらウイルスに、もしかしたら明日起こるかもしれない震災に。

行きたい場所へ、行けない。

誰かに会いたいのに、会えない。

ピリピリした現実。

あっちを向いても、こっちを向いても、一寸先は闇。

自分のこともそうだけど、自分が好きな人達も。

たとえば、好きなミュージシャンのこと。

僕の大好きなバ

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想い続けた10年に、(twilight 10th Anniversary Deluxe Edition/haruka nakamura)

twilight
①(日の出前・日没後の)薄明かり;夕方,たそがれどき;微光
③ぼんやりした意識状態

――ジーニアス英和辞典 第4版より引用

何がきっかけだったんだろう。haruka nakamuraを、そして『twilight』を知ったのは。

ただ、Amazonで収録曲を試聴した瞬間、すっかり虜になってしまったことは覚えている。自分が知らなかった音楽、知らなかった世界……。

2010年発

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本を読むなら、こんな風に(music for fuzkue/nensow)

“ソレ”は、鼓動から始まる。

本当のところはわからないけど、たぶんそうだと思う。

本を開くとき、

本を聞くとき、

そのとき、何かが生まれるのは、たしかだから。

“ソレ”は、『music for fuzkue』。

『本を読む音』。



本を読むときは、沈黙の中で。

そんな人も、いるかもしれないけど。

ぼくは、できれば音の中にいたい。

音の中にいる方が、安心できるから。

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「男もすなる日記といふもの」とは、いふものの(マイブック 2021年の記録/新潮文庫)(1347字)

1月1日新年1日目。

そして、『マイブック』の1頁目。

これから何を書き記そうかしらん……。

堀江敏幸さんの『彼女のいる背表紙』を読んでいると、内容とは一切関係なく、なぜか短歌を詠みたくなった。

・木漏れ日の明るい君の待つところ 僕は不遜にいびきをかいて

・「秘密だよ」たぶん、気のせい いつだって、君は片方靴を脱ぐから

・「嫌、嫌」と首振る君の微笑とは 好きも嫌いも僕はいらない

記念

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