17.素直に言ってもいいですか？

飲み屋さんを出て、僕たちはKさんの家に帰りました。帰り着くとKさんは僕をソファーに座らせて「大丈夫？」と言ってコップに水を入れて渡してくれました。お酒のせいで酔ってたのか、(この辺の記憶はちょっと曖昧ですが)僕はなんだか我慢できずにとんでもないことを言ってしまったんです。

たい「Kさん、僕が思ってること素直に言ってもいいですか？」

Kさんはまた僕の頭を撫でながら「どうしたの？」と聞きました。

たい「僕がKさんを好きになったって言ったらどうしますか…？」

Kさん「急だね！(笑)どうしたの？色んなことをいきなり知りすぎたんじゃない？」

たい「そうかもしれません…僕は男の人に好きって言って、そのあとどうすればいいのかまだ分かりません。でもKさんが嫌じゃなかったら、僕の初めてはJさんじゃなくてKさんがいいなって思います」

Kさん「そっか(笑)じゃあ、朝起きてもたいの気持ちが変わってなかったらまた聞かせてよ。今日はお酒も飲んでるし、とりあえずソファーで寝てしまう前にベッドに行こう」

ぼんやりした記憶ですが、何かそんな会話をしたように思います。この時もKさんはニコニコしていて、全く嫌そうにしないでいてくれました。

僕はKさんに背中を押されながら、ベッドに行きました。僕が横になるとKさんも隣で横になって、僕の頭を撫でながら「おやすみ」と言って毛布をかけてくれました。初めて男の人と一緒に寝るはずなのに、女の子のときとは違った安心感がありました。酔っ払った僕の頭の中はグルグルまわってて、色んなことを考えてるといつの間にか眠ってしまっていました。