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他人事のススメ(フリーランスの働き方として)

はじめに

今回はフリーランスについて。
私自身、個人事業を開業(登録)したのが2015年なので、なんだかんだでもう7年間も個人事業を行っているようです。
その様な中でお会いした方々や見聞きした傾向について少しだけ書きたいと思います。
と言いつつも、基本的には本業がある中で、副業の受け皿として個人事業を活用しているので、フリーランス一本でやっている、あるいは目指している方には参考にはならないかもしれませんので悪しからず。
私自身については、下記自己紹介記事をご覧いただければと。

フリーランスの傾向

私が見聞したフリーランスの傾向を大雑把に分類すると下記のような図になります。

上下(Y軸)は分かりやすく、価値、すなわち「お仕事としての単価が低い」ということです。(一応捕捉しますが、価値が低いから存在を否定する、とかそういう話ではありません。あくまで傾向です)

左右(X軸)は少し解説が必要ですね。
自分事というのは、自分の願望や欲求、興味を基本とした事柄を言います。分かりやすいのは芸術家などですね。自分のスキルをベースとしてクラウドソーシングでお仕事を探すのもこれに該当するかと思います。
自分の興味などを基本にしているので、とっつきやすく始めやすいものの、その中で付加価値の高い、すなわち稼げるような方々は一握りではないでしょうか。多くは発注者や他の同業との価格競争で疲弊しているように見受けられます。

一方、他人事というのは、自分事との対比のために書いたものの分かりにくくなってしまっていますが、他人任せにする、という意味ではなく、「他社や社会、地域のニーズを基本とする活動」という意味です。
分かりやすいのは地域のボランティア活動でしょうか。ボランティア活動で報酬が得られることは稀ですが、一方で、自分の実績や経験を基にした顧問業や各種講師、あるいは専門家としての関与においては報酬は高い傾向にあります。

他人事のススメ

繰り返しになりますが、これはフリーランスの方々の活動を見聞した中での傾向であって、各フィールドに貴賤があると言いたいわけではありません。

そんな中でも、今は自分事で単価の低い仕事にしか出会えていない、という方にお勧めできるのは、「他人事」の軸に寄ってみるということです。
もちろん、自分事を突き抜けて付加価値が高くなるよう猛烈に努力したりワンチャンに賭ける、というのも一つの方法ですが、それよりは、地域の活動や社会のニーズに目を向けて、その中で自分のスキルや経験を活かしてみる一歩を踏み出すのも良いのではないでしょうか。

自分のスキル(ライティング、デザイン、IT、マネジメントなどなど)を必要とする活動は、実は地域にはゴロゴロ転がっています。
最初はそれこそ「それってやりがい搾取なのでは?」と思うこともあるでしょう。実際その様な話も多くあります。ただその中で確実に得られるのは「実績」、そして「ニーズ把握能力」です。すべての生産活動において顧客がいる以上、その二つは必須ですし、それらが無くても突き抜けられるような方は恐らくそもそもこんな記事読んでいないでしょうし(笑)

加えて言うと、自分事をベースに取り組んでいると、基本は常に「選ばれる側」であって、自分を売るためのストレスは大きくなりがちであり、ともすれば自己否定にすら繋がることがあります。
一方で、他人事において、自分は何を取り組むのか「選ぶ側」になります。もちろん、オファーがない限り仕事としては成立しないのですが、オファーが来たとしても受けるかどうかは自分で選ぶことが出来ます。
これはボランティアにおいても同じで、参加するかどうかの選択権はあくまでも自分にあります。(居住地の清掃活動などのボランティアは選択しなかったりしますが、それはそもそもの意味での「ボランティア」ではないので…)
選択権が自分にあるかどうかは、ストレス耐性に大きな影響を与えます。

さらに言えば、他人事としてオファーがなければ、自分自身で企画して関係先に持ち込んでも良いでしょう。そこにニーズがあれば、先方も乗り気になるでしょうし、その中でのビジネスモデルの自由度は高くなると思われます。
また、自分自身で考えた他人事、すなわち社会のニーズに対して企画を進めていくというのは、モチベーションも高くなりやすいですしね。

ただし、自分事で四苦八苦している方が、いきなり他人事で高付加価値を生めるというのは、自分事を通じて高付加価値をつける以上に難しいと思われますし、すぐに生活できるだけの収入が得られるという保証はありませんので、その点はご留意を。これから副業を始めたいな、とか、フリーランスにはあこがれるもののどうやって収入を得たらよいかわからない、といった層に向けた話になろうかと思います。

事例紹介

色々書いたものの、具体的には?という声も聞こえてきそうですので、2点ほどご紹介。

1点目は、「北九州テイクアウトマップ」の制作、運営。
こちらは2020年当時、飲食店の多くが営業自粛を余儀なくされ、テイクアウト販売に舵を切り始めたタイミングで北九州市内のテイクアウト可能なお店をマップ上に表示するサービスで、累計約90万PV、各種メディアにも取り上げていただきました。仕組みなどは下記サイトからご覧ください。(2020年当時の情報なので、技術に関しては現在の状況と変わっている部分もあります)

この取り組みは、元々運営していたITコミュニティのメンバーを母体として多いときは十数名のボランティアと共にプロジェクトとして実施していたもので、これ自体では報酬をいただいたわけではありませんが、サービスに対する多くのスポンサー企業が居ていただいたり、その後、講師として関連するセミナー等にお呼びいただいたこともありました。
この中で多くのニーズに触れる経験を得て、今でもお付き合いのあるメディアやその他関係機関の方々もいらっしゃいます。

2点目は、アトツギ支援です。
こちらは元々、北九州で起業家コミュニティ形成の取り組み「Startup Weekend」に関わっていたのがご縁で、ファシリテーターとして自治体主催の事業承継者(=アトツギ)向けワークショップにお呼びいただきました。
こうした活動を元に、現在はアトツギ自身によるアトツギ向けのワークショップを企画し、先日第1回目を北九州で開催したところで、次回の開催に向けて水面下で動き中です。

この他にも、地域の活動を通じて知り合った方々からのご縁で審査やイベント関連のお仕事をいただくことはありますが、長くなりますしコンプラ的に書けないものもありますので割愛します。

終わりに

フリーランスといっても働き方や傾向は千差万別で一概には言えませんが、この記事が少しでもお役に立てたなら幸いです。
いずれにせよ大切なのは『Give First』で行動を重ねることが大事なのだと思います。
「まず与えよ」なんて、と思う方は、ぜひ下記本をお読みください。なぜGive Firstが大事なのかが明瞭になるかと思います。(ちなみに下記から購入いただいても私には一銭の得にもなりませんw)

また、この記事を読んで私と何か取り組んでみたい、という方がいらっしゃいましたら、いつでも気軽にお声がけください。リソースは限られているものの、楽しい他人事であれば喜んで参加したいと考えております。連絡先等は冒頭の自己紹介記事の中に記載しておりますので。

加えて、文中でも紹介した起業家コミュニティ形成の取り組み「Startup Weekend」、北九州での第9回イベント開催が決定しております。企業に興味がある、または新しいことに挑戦するための経験を積んでみたい、という方はぜひお越しくださいませ^^

最後に。この記事はフリーランスの方々で構成する「TOP Freelance Advent Calendar 2022」という企画に向けて作成された記事です。
他にもフリーランスの方々による多様な記事が掲載されていますので、よろしければご覧くださいませ。また、ご自身がフリーランスの方は、空きはあるようですので参加されませんか?


いただいたサポートは、地域の課題をITの力で解決するITコミュニティ「Code for Kitakysuhu」の活動や、北九州市内のテイクアウト情報を提供するサービス「北九州テイクアウトマップ」の運営に充てさせていただきます。