見出し画像

無料で使える飲食店スマホアプリのテンプレートを作ってみた件

前々回の記事で少し触れましたが、テイクアウトマップの次の動きとして「無料で使える飲食店スマホアプリ」のテンプレートを作ってみました。

簡単に言うと、無料で飲食店のスマホアプリが作れるひな形を提供した、という事です。Excelを使えるくらいのITスキルがある方であれば、上記のひな形をコピーしてご自身のお店用にカスタマイズしていただけるかと思います。ちなみに、飲食店向けとは書いていますが、他の形態のお店でも転用可能だと思います。こちらは、私の大好きな猫カフェ用にカスタマイズしたものです😃

原理的には、北九州テイクアウトマップの構成とほぼ変わらず、単一店舗向けのひな形としてGoogleフォームとの連携をなくして簡略化したものです。(※下図のうち、Googleスプレッドシートとglideのみにしたもの)

北九州テイクアウトマップ構成図

とはいえ、ITを普段使い慣れていない方に「そのまま使ってください」というのもさすがに乱暴ですので、マニュアルも作ってみました。

さらに言えば、マニュアルを作ったは良いものの、やはり非ITエンジニアの方には取っつきにくい、というのも事実かな、とは思いますので、実際に操作していただきながら聞いてもらうセミナーなども今後開催して行ければと思っています。

それはそれとして、上記のマニュアルでも触れていますが、なぜこのようなものを作ったか、ということを少し記しておきたいと思います。

北九州テイクアウトマップ運営を通じて見えてきたこと

北九州テイクアウトマップを運営し、400以上の飲食店の情報を見回っている中で感じたのは、痛切に感じたのは、店舗毎の発信力の差です。
もちろん、投資しているところがそのリターンを得る、というのは正しい姿なのですが、一方で、魅力ある店舗でも自身のサイトを持っていなかったり、掲載されている情報が足りていなかったりしました。
テイクアウトマップ掲載時にはそういう情報もある程度ネット上から拾い集めて補填していたのですが、根本的には、飲食店のオーナーが自分自身で気軽に作って更新できるような仕組みが必要なのだろう、と感じました。

従来は、この部分は街で活動するIT屋さんだったり、デザイナーさんのお仕事だったと感じていますが、今ではSNSでの情報発信なども「お店の方自身が行える」状況になっています。
それが故に、お店の情報が色んな所で散逸して書かれていたり、こちらに書いてあることがあちらには書かれていない、といった状況が発生しています。
そうすると、お店の方が頑張って情報発信しても、本当に届けたい、あるいは届けてほしい情報は届いていない、という事になりかねません。

私は、IT屋さんだったりデザイナーさんは、今回無料公開したような簡単な機能では足りない、もっと高度な内容の実現だったり、あるいは、このテンプレートを使ったうえでの、もっと運用に寄り添った部分でのサポートに注力いただけるようになるのでは、と考えた次第です(この考え方には功罪あろうかと思いますが)。

今回、このテンプレートはITコミュニティ「Code for Kitakyushu」として公開しました。コミュニティはコミュニティですので、出来る範囲は限られます。その限られた範囲の中で得られた関係性を、本業として営まれている方へつなぐ、といった事も出来ればよいな、と考えています。

テンプレートは無料公開し、コピーも可能か状態にしていますので、飲食店の皆様には自由に使っていただければと思います。また、IT屋の方々にも使っていただいて構いません。ただ、その場合はご一報いただけると嬉しいです。

もう少しきっかけを深掘りすると…

飲食店のWebサイトを色々見てまわると、「owst.jp」というURLが多い事に気が付きました。お恥ずかしい話、このURLが、どういうものか知らなかったのですが、これらのサイトはリクルート社が運営するHOT PEPPER等に掲載すると無料で使えるWebサイトのテンプレートとのことでした。

さらに調べてみると、このサービス自体は「レストランボード」という名前で展開しており、無料で使えるのは「テーブル管理」「予約台帳」「顧客台帳」ということで、Webサイト作成はオプション機能として要お問合せとなっており、実質的にはHOT PEPPERの掲載が前提のようでした。

これ(戦略)自体は、私は何ら否定するものではありません。
ただ、広報のための部分は無料化し、売上が立った状態でこそ役に立つ予約台帳などはそのあと、という選択肢もあって良いのでは、と考えた次第です。この辺りは、あまり色々書くと藪蛇になりそうなので、割愛します。

更に根底にある危機感

話ちょっと変わりますが、皆さん、日本の中小企業でのIT利用率ってどれくらいかご存知ですか?
H29/3に中小企業庁が出した資料にこういうものがあります。
題して「中小企業・小規模事業者のIT利用の状況及び課題について」

こちらを見ると、IT界隈に身を置くものとしては、結構衝撃的な事が書かれています。いくつかスクショを貼ると…。

コメント 2020-06-28 191945

コメント 2020-06-28 192025

「収益に直結する、調達、販売、受発注管理などでは、ITを使っている企業のうちでも3分の1程度に留まっている」らしいです。これ、どう思います?そんなもんだよねって思います?

私は、Society5.0とかなんだかんだ言うのもとても大事だと思うのですが、それよりも前に、まずSociety4.0、すなわち「情報化社会」にちゃんと到達しよう、と思うわけです。

たかだか無料のテンプレート公開しただけで偉そうなことをいうのも恐縮なのですが、こういう事実を踏まえたうえで、いま社会として何に取り組むべきなのか、という事、そしてその中で自分として何が出来るか、と考えながら行動していきたい。その一つの表れが今回のテンプレート公開でもあるわけです。

「ITを使う(入れる)のはIT屋任せ」という事ではなく、自分でも何が出来るか、という事を考えていただきながら、ITコミュニティの立場としては、そのハードルを出来るだけ下げていく、という双方向のアクションがあってこそ、ではなかろうかと思うわけです。

だんだん偉そうな話になってきましたので、今日はこの辺りで筆をおかせていただきます。

いただいたサポートは、地域の課題をITの力で解決するITコミュニティ「Code for Kitakysuhu」の活動や、北九州市内のテイクアウト情報を提供するサービス「北九州テイクアウトマップ」の運営に充てさせていただきます。