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シビックテックを阻むもの

今日書く文章は、あらかじめお断りしておくと、駄文です。
その前提が受け入れられない方は回れ右をお願いします。

ここ数日、心が痛むような出来事、言説を目にし過ぎている気がする。

いわゆる新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)に関するITエンジニア外を主とし、一部ITエンジニアからの言説も含まれる。

曰く、国からの委託にも関わらずけしからん。
曰く、もっとテストしてからリリースしろ。
曰く、売名行為だ。
曰く、意味もないアプリだ。
等。

この辺りの話は、もうリンクするのすら煩わしいくらい色んな所で語られていて、このnoteも結局はその一つという事でしかない。逆の意見として、擁護する話も書かれているので、せめてそちらはリンクするとして。

みなさま第一人者の方々ばかりで、この期に及んで私なんぞが何を書こうが駄文でしかないので、冒頭の言葉です。

それでも、noteに書き記しておこうと思うのは、今回の件が、とても根本的にシビックテックを後退させるような恐れをはらんでいるからだということを改めて言いたいから。

私自身は、これまで数年間かけて北九州の中でITコミュニティを運営し、シビック×テックが世に広まることを願いながら様々な活動に取り組んできました。
サッカースタジアムの活用を考えるアイデアソン・ハッカソンだったり、RPAを活用したハンズオンセミナーだったり、北九州でテイクアウトをしている店を探せるアプリだったり。
特にイベントでは、ITエンジニアの方とそうでない方が、なるべく触れ合う機会を創るような場づくりを心掛けてきました。

その結果、これらは、参加あるいは利用していただいた方から、おおむね好評をいただき、それが故に次の取り組みの原動力になってきました。
今では自称しかねるのですが、私も新卒後携わってきたITエンジニアという職業は基本的には「褒められることが少ない職業」だと思っています。

世の中にないものを生み出し、それに対しての不具合も許されず、概ね常に納期に追われ、形がないものだからこそ度重なる仕様変更に悩ませられる。
そんな中でもきちんと結果を出そうと、日進月歩で進化し続ける技術を追いかけながら日々のタスクをこなす、そんな職業がITエンジニアだったりします。

そうした方が、一般市民の方と何気なく交わったとき「魔法使い」のように扱われるのです。それこそがシビックテックのだいご味の一つだとも思っています。

ですが、やはりどの様なものを作ったところで、不満を言う方は一定数(割合)、います。飲食店の支援を想い構築したテイクアウトマップですら、クレームは0ではありません。
ましてや、今回のように国家レベルとして採用されるほどの取り組みであれば、その数はもはや、暴力的なまでに膨れ上がります。
そんな中、中心人物がTwitterでつぶやいた言葉が「アプリ作ってすみません」。これを見た時、正直言って、私の中でも何か糸が切れた音が聞こえました。

別に、ちやほやしろと言っているわけでも何でもない。売名行為で名前を出しているわけではなく、製作者がどこの誰かもわからない状態よりは顔や名前を出されている方が安心して使ってもらえる。そういう想いで私生活/会社活動に害が及ぶリスクも負いながら出しているのに、「実績作りのためだから」とか言われてしまったら、どんなにか悔しい、というより、残念だろうか、と思う。
そんなところで得られる実績なんて、はっきり言って高が知れている。投資対効果として考えたら、明らかにやらない方がマシ。

シビックテックを阻むものは、結局、シビックなのだろうとも思ってしまう。もちろん、その一部だとは理解していても。
自分が幸せにしたいと思う相手から拒絶されてでも何かを貢献し続けるなんてことは、心に傷を負い過ぎる。
倍する数の仲間が出来たとしても、恨みを買うくらいならと、一歩前に踏み出すことすらやめてしまう人が居たとしても、誰が責められようか。

批判するな、と言っているわけではないです。傷つけるな、と言っているわけでもありません。何のためにその行動があるのか、それを理解したうえで、伝えてほしいと思います。

推敲もされていない文章ですが、書かずにはおられなかったという事で。


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