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【再掲】MONOEYES「Get Up」が伝えるメッセージ

2019年7月にthe HIATUSが各種ストーミングサービスで楽曲配信を解禁したことに続き、3rd E.P.となる「Interstate 46 E.P.」のリリースに合わせてMONOEYESも楽曲配信が解禁(Spotify / apple music )

これにより元々楽曲配信が行われていたELLEGARDENも合わせて、細美武士が現在所属している3バンド全ての楽曲をストリーミングサービス上で聞くことが可能になった形だ。

2018年後半頃から国内の大物アーティストがストリーミングサービスへ参入を開始している中、いまいち動きが遅いと言われきたメロディックパンクシーン。
シーンを牽引するWANIMAの参入に続き、今回の細美武士ワークス各種や今後予定されているPIZZA OF DEATH RECORDS所属アーティスト(そこには当然Hi-STANDARDも含まれるはず)の解禁は大きなムーヴメントになっていくに違いない。

※一説によると、シーンが盛り上がるきっかけとなった00年代前後の作品たちの多くは、発売レーベルが既に無くなっているため現在の権利関係が把握できずに配信できないという事情も少なくないらしい。

MONOEYESの配信解禁を記念して(?)、今回は過去に別のブログで書いたMONOEYES「Get Up」MV公開当時に書いたレビューをnoteに転記してみた。

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一聴した瞬間、『あぁ、MONOEYESってこういうことをやりたいバンドだったのか』とニヤリとさせられた。10月24日にMVが公開されたMONOEYESの新曲「Get Up」は、MONOEYESというバンドの方向性を示す楽曲となるのではないか。

ミディアムなテンポに、どことなくもの哀しさを感じさせるイントロから始まる楽曲は、Bメロで一気に明るい展開に。この部分で印象的に繰り返されるのがギターのカッティング音。そして、メンバー全員が楽器を抱えて飛び上がって始めるくらいに振り切れたサビでは、シンガロングポイントもあり盛り上がること間違いなし。

これまで発表済みの彼らの楽曲ではほぼ使用されることがなかったカッティング音と曲の展開に思い出させられたのが、アメリカの女性SSWであるミシェル・ブランチの代表曲「Everywhere」だった。

本来、何にも縛られず自由であることを求めるパンクロックは、ここ数年(もしかしたら00年代初期以降から)そこに集う人たちの間にルールや様式が要求される「ムラ」に変化しつつあり、ある意味で閉じられたコミュニティになりつつあるのではないか。そして、それに耐えきれず、「ムラ」から出て行ってしまった人も少なくはないのかもしれない。

そんな状況にあってMONOEYESがやりたかったことは、属性なんか関係なく、誰しもが口ずさみ、体を揺らせて踊り、両手をあげて楽しめる王道のロックンロールなんだと、この曲で宣言しているのではないかとしたら、それは考えすぎなんだろうか。

「Get Up」のMVを見ると、そこで繰り広げられるパーティーの中にはキッズもいればヘッズもいる。着飾った大人もいればお酒やBBQで盛り上がるパリピもいるし、友人同士もカップルも、もしかしたら親子もいるのかもしれない。そんなあらゆるタイプの人たちが一同に集い、踊り、歌う姿と、繰り返される”Just come around(=顔を出しに来てくれよ)”という歌詞に、上記のようなメッセージを感じずにはいられない。

実は僕自身、最近「ムラ」的なあれこれに少し疲れてしまって(それは加齢のせいもあるかもしれないのだけれど)、仕事を言い訳にしてライブハウスから足が遠のいてしまいつつある現状にあったりした。ただ、この楽曲を聴いて、『やっぱり顔を出しに行かなきゃダメなんだなぁ』と思い直した次第。みなさん、またライブハウスで会いましょう!(2016年11月4日)

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