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生きるということ

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#恋愛

太宰治 「斜陽」

太宰治 「斜陽」

「革命」というものが、チンプンカンプンで、ちっとも腑に落ちなかった。

だけど、今わかった。

革命とは「愛の結晶」であり、「死と再生」、あるいは「終焉と再興」だったのだ。

前半戦、呑気な貴族の優雅な暮らしぶりの描写ばかり続き(いえ、たまには災いのモチーフとして描かれた蛇が登場し、刻一刻と悲劇さを増して行ったけれど)、なんだか飽き飽きしてきたなあ、とあくびが出そうになるところで、突然物語の本編が

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映画 「人間失格〜太宰治と3人の女たち〜」

映画 「人間失格〜太宰治と3人の女たち〜」

なぜだろうか、
日本橋アートアクアリウムの狭い水槽の中を、懸命に生きる金魚の姿が、脳裏に蘇る。

「人間は、恋と革命のために生まれてきた。」

そんな、太宰の愛人、静子の情熱的なセリフが似合う、官能的で艶やかな作品。

太宰の波乱万丈な恋愛模様に、監督である蜷川実花さんの艶やかな世界観が重なった「人間失格」は、映画の垣根を超え、もはや完成されたアート作品と呼ぶに相応しい。

お見合いで結婚し、3人

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わたしと彼と夏祭りと

わたしと彼と夏祭りと

夏祭りに心惹かれる理由なんて、挙げればキリがない。

だけど、あえて言葉にするのならば、その夜だけはありふれた日常が、見知らぬ非日常になりすまし、何食わぬ顔してそこに存在しているからなのかもしれない。

人でごった返した改札。
軒を連ねる屋台の出店。
居酒屋の前にたむろする鮮やかな髪色の若者たち。
威勢良く飛び交う店員の声。
どこを見渡しても目に飛び込んでくる、明かりの灯った提灯。

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ハーフの子ども

ハーフの子ども

国際恋愛をしていて、関係がもう長くて良好だということを知るや否や、「赤ちゃん可愛いだろうねぇ〜」と言ってくる女子友達。

他意がないのは百も承知だけど、
うまく飲み込めずにいる。

私たちが将来どうなるかなんて誰にもわからないし、可愛いのはハーフだから?

余計なお世話。

そんなことを、この記事を読んで思い出しました。

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