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研究の社会実装を加速する「デザインの力」 〜 研究者とデザイナーの共創が生み出す、持続可能な未来

産総研デザインスクールシンポジウム2024

研究の社会実装を加速する「デザインの力」
〜 研究者とデザイナーの共創が生み出す、持続可能な未来 〜

 国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)が主催する「産総研デザインスクール」では、研究成果の社会実装を加速するための手法を学びます。本シンポジウムでは、その実践例として、産総研の研究者とグローバルに活躍するデザイナーによる意欲的なプロジェクトをご紹介します。

 持続可能な社会の実現に寄与する素材を開発した産総研の浦田千尋氏。その社会実装の課題に直面した時、デザインの力を借りて新たな道を切り拓きました。スウェーデン出身の新進気鋭のデザイナー、パヴェルス・ヘッドストローム(Pavels Hedström)氏とのコラボレーションにより、素材のもつ物語性を引き出し、市場に届ける「ナラティブ(物語)」を描いたのです。
 デザインやアートの視点が加わることで、研究はどのように変化し、進化するのか。そのプロセスと学びを、プロジェクトを率いた産総研デザインスクール修了生の浦田氏に語っていただきます。加えて、ヘッドストローム氏からもデザイナーの視点でトークをいただき、産総研デザインスクールの共同設立者・小島校長を交えた鼎談を行います。

 研究成果の社会実装を加速し、イノベーションを起こすためのヒントが満載の本シンポジウム。研究者、経営者、イノベーターなど、未来を創る全ての方にご参加いただきたい一日となるでしょう。
 皆様のご来場を心よりお待ちしております。

概要

日 程:2024年8月2日(金)15:00-17:00
会 場:オンライン(Zoom)
登壇者:浦田千尋氏(国立研究開発法人 産業技術総合研究所)、パヴェルス・ヘッドストローム氏(Inxects 代表)、小島一浩(産総研デザインスクール共同設立者)
申し込みForms : https://forms.office.com/r/2r7x2fe6Yb

◼ こんな方におすすめです
・研究成果をより社会に届けたいと考えている研究職の方
・社内外の共創を推進する方法を模索している方
・デザインの手法をイノベーションに活かす方法を模索している方
・産総研デザインスクールに興味がある、参加を検討している方

◼ 当日のアジェンダ
・イントロダクション:産総研デザインスクールのご紹介
・浦田千尋さんのトーク「産総研デザインスクールの学びと、デザイナーとの共創で変容した研究者のマインド」
・パヴェルス・ヘッドストロームさんのトーク「デザイナーと研究者の共創の価値とデザインプロセス」
・産総研デザインスクール校長・小島を交えた鼎談
・Q & Aセッション
・クロージング
※ 内容は一部変更の可能性があります。

◼ 登壇者プロフィール

浦田千尋(うらた ちひろ)氏
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 材料・化学領域 極限機能材料研究部門 光熱制御材料グループ
2011年に早稲田大学で博士号(工学)を取得後、産業技術総合研究所(産総研)に入所。産総研中部センター(愛知県)にて一貫して付着抑制効果に優れた表面処理材(剤)の研究開発に従事。有機フッ素化合物の環境への影響を懸念し、10年以上前から有機フッ素化合物に依存しない撥油コーティングを開発。また、ナメクジからヒントを得た自己潤滑性ゲル(Self-lubricating gel, SLUG)を開発。この間、カナダ(トロント大学)での在外研究や経済産業省への出向を経験。2023年4月から現職。雪害防止に資する表面処理材の開発を進めるなかで、実験室から得られる情報のみでは課題解決が困難であると感じ、産総研デザインスクールにて現場関係者を巻き込んだ共創による社会課題解決法を学ぶ。趣味は大型家庭菜園とDIY。

Pavels Hedström(パヴェルス・ヘッドストローム)氏
Inxects代表
デンマーク・コペンハーゲンを拠点とするスウェーデン人建築家。2021年にデンマーク王立芸術アカデミーでArchitecture and extreme environmentsの修士号を取得。コアミッションは、デザインの実践によって、人間と自然との間に広がるギャップを最小化すること。コンセプト、戦略、デザインを幅広く手がけ、建築、インフラ、モバイルアプリ、ファッションのコンセプト開発に携わる。建築業界を離れてからは、「Inxects(インセクツ)」と呼ばれる独自のデザインアプローチを確立。Design Educates Awards 2022やLexus Design Awards 2023など国際的なアワードに選出。Lexus Design Awards 2023ではLexus Your Choice Awardsを受賞した最初のデザイナーとなった。現在では、海洋石油産業における変革的コンセプトに取り組み、循環経済と再生生態系における新たな戦略を開発している。

小島 一浩(こじま かずひろ)
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 イノベーション人材部デザインスクール事務局 事務局長 兼 人間拡張研究センター主任研究員、産総研デザインスクール共同設立者
専門はシステム工学、デザイン論、デザイン教育。東日本大震災後、復興支援を行う「気仙沼~絆~プロジェクト」に参加。宮城県気仙沼市に住みながら市、NPO、市民、企業との連携による集いの場の創出から地域雇用創造事業まで、多くのプロジェクトに従事。自身のMy Willは、「世界を変えることができると信じ行動できる人をデザインの力で増やすこと」。

— 産総研デザインスクールシンポジウム2024 概要

産業技術総合研究所が企画運営する産総研デザインスクールにて、全4回のオンラインシンポジウムを開催いたします。本デザインスクールでは、8ヶ月のプロジェクトベースの学びを通じて、望ましい未来を共創する「共創型リーダー」を育成しています。個人の志、組織のビジョン、これからの社会で本当に求められることをかけあわせ、新たな未来を創造することを目指します。

今年のシンポジウムでは、共創型リーダーのロールモデルや産総研デザインスクールの関係者をお招きし、これからの未来の可能性、そして共創型リーダーの役割や育成方法について、対話を通して「共に考える」セッションとなります。

産総研デザインスクールとは

産総研デザインスクールは、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)が2018年に創設したデザインスクールです。このスクールでは、産総研と企業の研究者・技術者、企画担当者や行政機関の職員などが集い、8ヶ月間の長期にわたる経験学習プログラムを通して、共創型リーダーとしての能力とマインドセットを養います。
現代社会は、目的地が与えられていない不確実な時代です。産総研デザインスクールでは、この状況を「霧の中の航海」に例えています。参加者たちは、新たな目的地を決め、そこを目指す港で仲間を募り、お互いの強みを活かしながら航路を開拓し、互いに成長しながら後人のために海図を作っていく旅に挑みます。この旅には困難もありますが、新たな発見と成長の喜びがあります。修了後は、VUCAな状況下でもチームで共創しながらプロジェクトを進めることができる共創リーダーとして活躍することが期待されています。
スクールで学ぶデザインは、デザイン思考、未来シナリオ、SDGs、コミュニティーへの関わりなどの多様な考え方や、リーダーシップマインドなどのスキルセットとマインドセットが含まれます。そして、技術やアイディアの社会実装を担う人物像が持つべきコンピテンシーとして、以下の5つの能力と態度を定義し、その向上を目標としてカリキュラムが提供されています。

1. 確固たる自分の軸を立てられ、深く自己を理解できる力(内省力・軸力)
2. 自己の認知限界を認識し、新たな視点から世界を探索できる力(俯瞰力・探索力)
3. 豊かな対話を通して、他者や社会に深く共感し理解する力(対話力・共感力)
4. 社会に対して新たな価値を共創し、世界を牽引できる力(共創力・実践力)
5. 上記を支える、答えの出ない事態に耐える態度(ネガティブ・ケイパビリティ)

産総研デザインスクールの特徴的な点は、「My Willの開発」です。これは、参加者が自分の人生を振り返り、さまざまな出来事に対する情動や価値観を発掘し、「自身は何者で、何を成し遂げたいのか」を言語化するプロセスです。自らの内側から沸き起こる、個人と社会の接点で成し遂げたいことを明確にすることで、熱意を持ってプロジェクトをやり遂げるための原動力となります。
8ヶ月間のプログラムは、キャリアリーダーシップ、クリエィティブリーダシップ、未来洞察、デザイン思考、システム思考、サステナブルモデルデザイン、社会実践などの多岐にわたるテーマで構成されています。参加者は、フィールドワークやワークショップを通して、共創的なアプローチを実践的に学びます。最終的には、プロジェクト発表会で成果を共有し、振り返りを行います。
産総研デザインスクールは、技術やアイディアを社会実装につなげ、イノベーションを創出するための人材育成の場として、重要な役割を担っています。不確実な時代を乗り越え、新たな価値を共創できる共創リーダーの輩出が期待されています。

お申し込みは こちら(リンク)から。
申し込みForms : https://forms.office.com/r/2r7x2fe6Yb

シンポジウムに関するお問い合わせは、産総研デザインスクール事務局までお願いいたします。

皆様とお会いできますことを楽しみにしております。

産総研デザインスクール
シンポジウム事務局

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