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生まれてはじめて名刺交換をしたのはエロゲの会社だった

入社して一ヶ月間、長い長い座学での研修期間を終え、ようやく実践になったGW明け。

そこで仕事の流れを実際に見て学ぼうと、取材に同席させていただくことになった。

同期が大手メーカーに繰り出す中、私に割り振られたのはなぜかエロゲの制作会社の取材だった。
嫌がらせのような気がしなくもないが、私はエロゲをプレイしたことがなかったので、興奮で前日の夜は眠れなかった。

エロゲの会社は閑静な住宅街にひっそりたたずむビルの一階にあった。

控室で緊張の面持ちで待機していると、
「エロゲをつくるひと」
と画像検索したら一番上に出てきてもおかしくなさそうな感じのお二方が登場した。

名刺交換はうまくいった。
と言いたいところだが、正直ぎこちない感じになってしまった。
名刺交換の動画を、無音で見ていた私は、受け取るときに「頂戴いたします」というセリフがあることを失念していた。
結果、お相手の「頂戴いたします」に激しく動揺し、「ありがとうございます」と弱弱しい声で言う羽目になった。

「エロゲをつくるひと」は見かけによらず、丁寧な紳士の口調で打ち合わせをしていた。
同席させていただいた先輩の隣で、私はメモをとりつつ、ずっとニコニコしていた。

取材するにあたって、先輩が自己開示をしていた点が印象に残った。一方的に話を伺おうとするのではなく、自分のことについても話す。そうすることによって親近感がわき、本来なら引き出せないような話でも、引き出せるのだと思った。スタバを1ヶ月でクビ(過去記事参照)になった私には到底マスターできない技だった。

仕事内容を説明をしてもらうのに、今まで制作した作品を見せてもらった。同社がこだわっているのは「グラフィック」だという。
エロゲの会社にはそれぞれ強みがあり、それがゲーム性であったり、シナリオであったりする。見せてもらったその原画集は芸術作品のようで、エロゲであることを忘れてしまいそうだった。美少女の股間にはいっているモザイクが色んな意味で惜しいと思った。

話によると、エロゲを制作するグラフィックデザイナーは、2種類に分かれているらしかった。
キャラを担当する人と、背景を担当する人だ。役割分担は立候補ではなく、適性によって決定される。だからせっかくエロい絵が描きたくて入社してきても、天才的に背景の適性がある人だったら、背景しか書かせてもらえないということだ。コピーライターになりたくて電通に入ったのに、営業に配属されてしまった私の友人が思い起こされた。

取材の最後に、お二方に質問ができるということで、ぶつけてみた。

私「お休みの日に、自分がつくったエロゲとか、競合他社のエロゲをやったりしますか」

答えは、即答でイエスだった。

ご飯を食べながらエロゲをするという彼ら。エロゲはワークであり、ライフであるというプロフェッショナルの流儀を垣間見ることができた。

私もお二方を見習って、仕事のない日でもキャッチコピーを量産し続けたい。

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だいすき
12
入社1年目のペーペーコピーライター。トップ画は、地味ハロウィンにて『スナチャの加工をしたサラリーマン』のコスプレをしたときのものです。楽しんで書いてます。

コメント2件

“エロゲはワークであり、ライフである。”は、アツイですね!
ぼくはエロゲ(と呼べるのか)はFATEぐらいですが、新しい世界のぞいてみたくなりました!
「エロゲ」が日常になりすぎて恥ずかしいという感覚がないみたいです笑
グラフィックがすごい綺麗で最近のゲームやっぱすげえ!ってなりますよ~
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