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桜木紫乃さんの小説『起終点駅(ターミナル)』原作&映画紹介

一昨日の10月23日、Twitterのトレンド2位に「桜木紫乃」というワードを見つけて「しまった!先を越された!」と思ったのは、私がただ情報に疎かっただけの話でした。

桜木さんの小説が映画化された『ホテルローヤル』がいよいよ来月公開、6月に新刊『家族じまい』が刊行されたことも併せて、NHK『あさイチ』の「プレミアムトーク」にご出演されていたのですね。

「先を越された」というのは私の勝手な思い上がりなのですが、桜木紫乃さんを初めて知ったきっかけの小説であり、後に映画化された『起終点駅(ターミナル)』という作品を、近日中に紹介させて頂こうと思っていたところだったのです。

2013年に『ホテルローヤル』で第149回直木賞を受賞される1年ほど前、知り合いの編集長から唐突なメールが届きました。

「桜木紫乃って知ってるよね?」

その当時、恥ずかしながら桜木さんのお名前を初めて目にした私は、即座にネットで調べて、北海道釧路市出身の作家さんだということを知りました。

返信メールにて、正直に存じなかったことを伝えると、一冊の本を紹介され、さっそく購入しました。

桜木さんが小説に興味を持ったのは、生まれ育った釧路を舞台に描かれた、原田康子さんの小説『挽歌』を読んだことがきっかけだそうです。小説の舞台が実際に住み慣れた街だからこそ、登場人物や物語がより身近に感じられる面白さを感じられたとのことです。そして同じように桜木さんも北海道、道東を舞台にした物語を描かれていて、私もまた自分の生まれ育った景色と重ねながら、『起終点駅(ターミナル)』を楽しく読ませて頂きました。

そしてその小説を元に、2015年に映画化された作品がこちらです。

原作は北海道を舞台とした7つの短編から構成されていますが、映画ではその中の一作「起終点駅(ターミナル)」を軸に、かつての歌人・石川啄木より

さいはての駅に下り立ち
雪あかり
さびしき町にあゆみ入りにき

と詠われた釧路の町が、登場人物が織り成す人間ドラマの終点駅、そして起点駅として繊細に描かれています。

桜木紫乃さんを知った翌年の、2013年7月13日、私はその数日前から体調がすぐれなかったのですが、携帯アプリのニュースのヘッドラインで直木賞受賞を知り、気だるさが吹き飛ぶほどびっくりしました。その受賞作品『ホテルローヤル』についてのお話は、また別の機会に紹介できたらと思っております。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

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