ひとりぼっちになってスタートしたこと

　振り出しに戻った私は、ようやくここで経営、いやもっと前の、お金の基本的な勉強に目覚めたのです。お金に関する本やセミナーに行き始めた私は、そこで投資という概念に出会います。もちろん、株投資や不動産投資など言葉としての投資は知ってはいましたが、概念として投資を捉えてはいませんでした。概念としての投資とは、全ての購買活動の時に、これは投資かな？と捉える事です。
　例えば、宣伝のためのチラシを作る時、それまでの私なら、消費としてしか考えていなかったので、いかに安く作れるかを考えていました。見積もりを取るにも、とにかく値段だけを見て考えていました。それが、投資という概念をインストールすると、その金額でいくらの効果があるのか？ということを、ようやく考えて選ぶようになったのです。
　それは、ビジネスだけではありません。例えばレストランに行った時も、それまでの私は、メニュー表の右側、つまり値段を見てからメニューを選んでいたのです。そうすると、本当に食べたいものではなく、安いから頼んでしまっていました。これだと、消費というよりも、浪費に近いです。だって、食べたくないものばかり注文しているわけですから。
　食べ物だけじゃなく、私が購入する全てを、投資なのか、消費なのか、浪費なのかを考えるうちに、お金の使い方がどんどん変わっていきました。
　特に変わったのは自己投資をするようになった事です。それまでは、勉強したいと思っても、安いセミナーや無料セミナーにばかり行っていました。これでは、本当に得られる情報なんて限られてしまいます。むしろ時間の無駄になっていたセミナーもありました。
　ところが、有料セミナーに思い切って出てみると、その費用の何十倍ものリターンを得ようと必死になりますので、当然、得られる成果も全然違うものになりました。リーダーとしての在り方を学んだり、経営の基礎を学んだり、投資のセミナーに行ったり、とにかく自己投資しまくりました。
　お陰で、遠回りはしましたが、ようやくビジネスのスタートラインに立てた気がしました。
　そして思い切って、それまでやっていた主婦ビジネスをやめることにしました。それは、2011年東日本大震災がきっかけでした。