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Nahuel Note #028 Rolex Mentor and Protégé Arts Initiative(2008-2009)

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"2002年に始まった「ロレックス メントー&プロトジェ アートプログラム」(以降RMP)は、世界中のアーティストを対象に、2年周期で実施される。6つの芸術領域(視覚芸術、音楽、映画、文学、舞踊、舞台芸術)において、各分野の巨匠をメントー(指導者)として、将来有望な若手をプロトジェ(生徒)としてペアを組ませ、相互交流を図るものだ。各ペアには1年間の交流期間中「最低30日間を共に過ごすこと」以外に特定の課題はない。ゆえに交流の形も様々で、生徒の執筆する新作小説に指導者が助言したり、指導者となる映画監督の撮影に生徒が密着したり、またはペアが協働して美術作品を制作したり、といった風である。プロトジェには交流用の旅費と2万5千ドルの奨学金が支給されるほか、期間終了後に公演や新作発表を行う際は、その経費の一部もRMPが援助を検討する。"


この第4回のプログラムに選ばれたのが、メンター(指導者):Kate Valkとプロトジェ(弟子)のナウエルさん。ナウエルさんはNYで一年間、The Wooster Groupのケイトさんの元で修行。

The Wooster Groupはウィリアム・デフォー、Elizabeth LeCompte、Kate Valkらが1975年に立ち上げた実験的演劇グループ。日本へも何度か来ており、去年は神奈川、京都でも公演があった。


サイトには幾つもインタビューなど記事が残っている。
The Mentor: Kate Volge
The protégé: Nahuel Perez Biscayart
Chapter1 :Overview
Chapter2: 2008年8月 First Impression
Chapter3: 2009年5月 One of a Kind
Chapter4: The Match
Chapter5: Unlike anything else
Chapter6: After a year with the master
Chapter7: Interview with the mentor
ナウエルさんの「Self-portrait」「Portfolio」動画もあったのだけど(数ヶ月前までは)、今は見られなくなっている様子。

⇧上記のURLは整理され、一つにまとめられたようです。Kate Valkとナウエルさんの記事はこちら→One of a kind (2023/1/3 閲覧)


この期間にナウエルさんも参加した舞台は、フランスの異才の振付師、Jérôme Belの作品「Le dernier spectacle 」(1998) と「Le dernier spectacle (une conférence) 」(2004) 。

『I AM JEROME BEL』

ベルの舞台映像を流しながら、その動きを行っている?

上演1〕2008 年11月19日:performance to benefit the Jerome Robbins Theater, Baryshnikov Arts Center, New York City
上演2〕2009年12月4日:performance for the Rolex Mentor and Protégé Arts Initiative at the Lilian Baylis Studio, Salder’s Wells, London, United Kingdom

この動画だけでもナウエルさんの動きの突出した素晴らしさにびっくりする。この中の誰よりも安定していて美しいのでは…?『天国でまた会おう』の演技の素地は出来ていた!

ともかくこの1年の外国修行が本当に多くの経験と学びをもたらし、ナウエルさんのキャリアを大きく動かしたターニングポイントになったのは間違いないかと。後のインタビューで、この時、自分の英語習得の早さに自信がついて、フランス語にも挑んだ、というようなことも述べていた。才能とセンスと努力の化身!!本当に尊敬しています。


#nahuelperezbiscayart