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人生の時計

「みんな大人になるのに!
なんで私だけあの箱から出られないの!
なんで時計が止まっているの!!
なんで!なんで!なんで!!」

父と母の前で狂ったように叫んでいた言葉、それが「あの箱」そして「時計が止まっている」でした

「あの箱」とは中2の教室のことです。教室と言わずに箱、と呼んでいました。生徒は箱に入れられるオモチャとも思っていました

そして「時計が止まっている」中学を卒業して、高校に進学していくみんなを見て、私はなぜ14歳から動けないのか?みんなは次々前へと歩くのにまるで人生の時計が止まっている感覚でした

「時計を動かして、動いてよ!!」

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なぜ時計が止まっていたのでしょう

学校が嫌いだから?
授業を受けてないから?
友達と遊んでないから?
不登校だから?

辛かった、周りにおいていかれること
不安だった、年齢だけ上がり中身は子供のままだと
怖かった、いつ時計が動くのか分からないこと

周りの子と比較してしまうのが辛いのに、なにかと比較しては泣いて自傷を繰り返した
時計を動かしてと言いながらいくつの傷を作ったことか、、、

あの時、本当に時計は止まっていたのでしょうか?
実はほんの少しずつ、分からないくらい少しずつだとしても動いていたはず
それは私は間違いなく生きていたから
生きていれば時計は動く、時計は命と同じだと思っています

そしてある時母がこう言いました
「愛音ちゃんのペースでいこうよ
歩くのでも、自転車でも、電車でも
進むには色々な方法があるんだから

その時はよく理解出来なかったけどきっと電車をホームで待っていたんです
長い間ずっと、ずっと、
ホームで待っている間は前には進めませんが、やっと電車がきて乗れたとき今までとは違うスピードで進み始めました!
どんどん窓から見える景色が変わっていき、刺激を受けています

時計はとても働き者で、チクタク、チクタク、時を刻んでいます
私の人生を刻んでくれているんです

皆さんの時計はどんなスピードですか?
なにを刻んでくれていますか?

*愛音*

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