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本当に大切な学びのステップ

私は昔、本を読むことが苦手でした。

それこそ漫画しか読んだことがないと言っても良いほどに、

本を読むことは嫌いだったんですよね。

ところが人生の帳尻は合うもので、勉強不足の私は30歳を過ぎてから

大きな逆境と出会い、34歳にしてはじめて必死に勉強することになりました。

しかし、それをきっかけに本を読むことが苦じゃなくなり、

今では大好きになったんですよね。不思議なものです。

ところがどっこい、本を読んだだけでは本当の学びにはならないという、

次のステージが待っていたのです。

本は確かに豊かな知識を与えてくれるし、それによって想像力も広がります。

しかし、何というか・・・体が反応しない。行動が伴わない。習慣が変わらない。

だから、それだけで成果に直結するというケースは、ほとんどない。

そんなことが段々とわかってきたように思います。

結局能力とは、無意識でも体が反応できるレベルをいうわけですから当然ですね。

深く考えるとか、自分の中を内省するなど、「自己と向き合う」というステップが

大切であることに気付かされました。

【自己と向き合う時間を大切にする】

私は2011年9月7日より2021年の9月7日まで、

毎日の日記のように400〜500字程度のメルマガを配信してきました。

これによって強制的に、毎日振り返る習慣を持つことができたわけです。

そして少しずつではありますが、見識にも似た相対的な理解や法則が見えてきて、

「こんな大切なことは、もっと世の中に広めたい」といえば烏滸がましいですが、

「みんなで幸せになった方がいいじゃん」っていう素朴な感情が湧いてきました。

人と話す時に悪気なく、いやむしろ良かれと思って、

自分の信じる信念をお伝えしてきたんですよね。

ところが今思うと、それは浅はかであったなと思っています。

そう考えていたというわけではないのですが、どこかで人をコントロールできる

勘違いしていたような気がしています。全く悪気なく・・・ですね。

「なんでお互いに幸せになろうよって言っているのに、変わろうとしないんだ」

と、善意を振り翳して、とても無邪気な愚か者であったなと反省しています。

そして、本当に大切な学びは、まだ先にあったんだということに、

やっと気づくことができたような気がしています。

本当に大切なことは本を読んで知識を得て、しっかりと深く考えて内省し、

その学びを見識にまで高めること・・・では、まだ不十分だと気づいたのです。

もちろん大切なことではあるのですが、そこで止まったら弊害も大きいようです。

例えば、メシア的な思想になって、良かれと思って支配的な行動をしたり、

価値観の分裂や分断を招き、争いの元になってしまうこともありますよね。

典型的なものが「宗教戦争」だと思っています。

何で幸せに生きるための教えが分裂を生み、争う火種となるのか?

実に愚かしいことだと思うのですが、歴史はその愚かしさを証明しています。

私が思うに、本当に大切な学びは、もっとシンプルなことでした。

実際に「良く生きる」ことを実践する。これだけで良かったんですね。

【至誠惻怛の実践者たれ】

企業のマネジメントは、なかなか上手くいかないことが多いようですが、

その根底にあるのは、無意識のうちに「人をコントロールしよう」

していることにあると思っています。

仕事を上手く運ぶことを目的としたり、企業の利益を目的として、

マネジメントというスキルを操り、人をコントロールしようとしても、

私なら従いませんし、やる気は起きません。その気になれないわけです。

だって、結局喜ぶのは誰ですか?誰のためのマネジメントなんですか?

企業の利益を喜ぶのは資本家であったり、経営者でしょ?!

多少は還元されると言われますが、ピンハネされている感は拭えません。

私が捻くれているのかもしれませんが、そう感じちゃうんですよね。

また、マネージャーだって自分の成果になるから嬉しいでしょうけど、

そんな理由で人をコントロールして欲しくありません。

主体的な目標設定なんて言うけど嘘っぱちで、そうせざるを得ないから、

こっちも割り切ってそうしているだけですってな感じじゃないですかね?

何よりの証拠は、仕事の話と雑談レベルでしか、

コミュニケーションが行われていないことです。

本当に大切に思っている人なら、その人自身に興味を持ったコミュニケーション

になりますよね?「あら、最近顔色悪くない?大丈夫??」

「あなたの夢は上手く行っている?」「30代の間にしたいことある?」等々、

趣味や色んなことを知ろうとしませんか?もちろんお互いにですけどね。

なので、マネジメントの目的は「部下の成長を伴う幸せ」しかないと、

私は考えています。そして手段は、「仁愛を贈り続けること」であり、

リーダーの行動は、まさに「至誠惻怛の実践」だと思います。

私のためにチャンスをくれて、責任を引き受けてくれて、指導してくれて、

時には厳しく叱ってももらえる。

そういう認識を部下が持てるような豊かな信頼関係を構築することで、

部下は当事者意識を持ち、「成長したい」「貢献したい」と

思えるようになるのだと思います。

要するに、知識を得て、深く考えたら、胆力を持って実践する

これが本当の学びなんだなと、心の底から思えるようになりました。

ソクラテスが説く「善く生きる」や、孟子が説く「公然の気を養う」など、

先哲が説く教えには素晴らしいものが沢山ありますが、

これをもって誰かを動かそうとしてはいけないんですよね。

教化することは大切ですが、まず何よりも自分ごととして振り返ってみて、

自らコツコツと実践していくことが、本当の学びなんだと思います。

これぞ「知行合一」「事上磨錬」なんだなって、深々と腹落ちしました。

親が子を想う気持ちは、きっと魂のレベルで引き継がれるのでしょう。

それと同じく、まず人には仁をもって諦めずに関わる

至誠惻怛を実践し続ける。その目的を持って人に関わる時、

マネジメントは人を幸せにし、かつ成果も出るのだろうと思っています。


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