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広島、Bリーグ優勝へ「あとひとつ」!1バスケファンとして、いま正直感じていること。【バスケ】【Bリーグ】【エッセイ】



 「この3年間の積み上げ」「志向するバスケスタイルを明確にできて、貫き続けられた」「岡崎修司GM、吉田朱里彩MG、カイル・ミリングHCが、誠実であり続けた」、観ている人間は観ていたんだよ、だからこそ、「持てる全力を出し切って」!広島ならばできると信じてる!さあ「最高の景色(=優勝、日本一)」を叶えよう!


 (今回は、細かい統計的なことは、恐らくほとんど用いません。限られた時間で一気に綴る感じですし、いつものバスケ記事以上に、エッセイのテイストがとても強い記事になると思いますので。
 それと、タイトルの通り、広島目線に全振りの感じで綴ってます。琉球ファンには、「ごめんなさい!」とあらかじめ申し伝えさせて頂きます。)



 2021年、Bリーグに与えた衝撃。



 2021年5月下旬。当時、Bリーグの全日程が終了していなかった(CSの決勝が、始まっていなかった)ときに発表された、ジャクソン、寺嶋の電撃移籍入団の発表。
 いまでは、「全日程の終了を待つなど、関係ない」が、よくも悪くも浸透しましたが、当時の自分は、「強くなるという意思が、とても伝わる」というよりは、「全日程終了を待たずに他球団からの補強の発表は、非常識では?」と、真顔でとてもとても強く感じていました。

 (個人的には、補強の正式な開始は、「全日程の終了の翌日から」であって欲しいと思ってます、実際はRS終了のときから[ひいては、2月~3月くらいから動きが始まっているともいわれてますが]、補強に向けた動きは水面下でなされている訳だからではあるので、それ故に、「全日程の終了を待つ必要はない」がコンセンサスになった感じではありますが。
 というのも、NBA、野球のNPBやMLB、そしてサッカー[欧州でも日本でもMLSでも]はいずれも、補強は「全日程の終了を待ってから」と決められてるんですよね、あのNBAでさえもです。
 ですので、広島の「強くなるという意志」には、その後、とても好感を持っていく訳なのですが、「全日程の終了を待たずに補強を発表する」というのは、「非常識である」と、真顔で思っていましたし、個人的には「補強の正式な開始日を設けない現行のシステムへの、激しく強い違和感」は、いまでも正直とても強くあります、これはプロスポーツリーグとして果たしてどうなんだ?と。)


 そう、補強を発表した時期には、いまでも違和感は正直あります。
 でも、当時は「中堅球団にさえ、まだなり切れていない」立ち位置の球団が、当時「プロスペクトとしては最高レベル」の寺嶋を補強したことは、正直大きな衝撃でした。寺嶋に加えて、ジャクソンも当時から「有力なセンター」でしたし(「時代遅れのタイプ」という解釈も、確かにそうかもですけど、FT成功率の拙さに目を瞑れば、あれほど攻守両面で全力姿勢なビッグマンは、そりゃあ有難いですよ。尤も広島では、ふたを開ければ、エチェニケとタイプが重複になり、「共存できず、1年で放出」になりましたが)。

 この「2021年オフの移籍市場」は、この前年の、大阪のニュービルの成功をも含めて、「Bリーグの急激なレベル向上」の転換期になった、と強く感じてます。


 この「2021年オフの移籍市場」。中心軸になったのが、「広島」と「島根」でした。
 島根の「安藤誓、金丸、ビュフォード」の大型補強も、その発表の仕方をも含めて、そりゃあ強烈でしたけど(個人的には、「Bリーグ版の『The Decision』であったと感じてます。それにしても、安藤誓は、「なりたかった選手像」からはズレがあるかもですけど、1人の人間としてみると、「島根に移籍してからのこの3年間は、とても躍動感を感じる、そう、『やりがい』が伝わってくる!」と)。

 ですけど、このときの広島は、島根と同等以上の強烈さ、いや、「強い意志」が伝わってきたのです。







 そう、CS終了後に発表された、辻の補強。
 いま思えば、「勝者のメンタリティー」を育む意味で、ドンピシャであったといえます。わずか2年で退団(いまは群馬)でしたが、辻の存在がもたらした意味は、有形無形、いろいろとあったでしょう。

 関西在住の自分の立場的には、正直複雑で、あのときの辻は、確かに「移籍する合理的な理由」はあった訳です。当時、辻は藤井の成長もあり、川崎での定位置死守が危うくなっていたこともあり、新しい環境へという理由は、少なからずありましたから。
 で、これはあくまでも噂レベルでですけど、大阪が辻の補強に動こうとしていたときには、辻は既に広島とほぼ話がまとまっていて、「時すでに遅し、ほぼノーチャンス」であったと。
 いまでも感じてます、もしあのとき、辻が大阪に移籍であったならばと。辻と橋本、確かにタイプは重複かもしれない、でも大阪が現実的に補強できる最大級の日本人選手は「辻」(辻は故郷が大阪)。実現していれば、ニュービル、橋本と共に「爆撃機トリオ」結成になり、大阪らしく「79点取られても80点取る」が叶っていたかもしれない、そう強く感じるのです。

 いずれにせよ、あのときの辻の補強は、大きな衝撃でした。
 で、辻の退団は、川崎の凋落の始まりにもなった。数字以上に、「精神的なプラス」をもたらせる存在だったのだろうなあと。
 その意味でも、広島の歴史としては勿論、Bリーグの歴史としても、後世に語り継がれるであろう移籍劇といえます。


 だけど衝撃は、これだけで終わりませんでした。




 翌2022年のオフ。エバンスを琉球から補強。琉球でクーリーと強烈なデュオを形成していて、琉球に馴染んでいるように映っていたので、移籍する合理的な理由はないでしょう?と思っていたので、その意味でもとても大きな驚きでした。
 それと、ブラックシアー。まだ若い選手で、当時はトルコリーグ(トルコは、欧州バスケの中でもリーグレベルが結構高いのです)の選手でしたが、「中国CBAに行っても不思議ではない、でもNBAには届かないレベルの若手」に目を付けた、この「目の付け所」を含めて、強烈なインパクトで。
 その後の2人、さらに述べればこの前年のメイヨを含めた3人の輝きは、ここでは多くを述べる必要はないでしょう。3人共に、コート内外で大きな存在意義って感じで、しかも「とても馴染んでいて、いまでは『日本人以上に日本人』って感じで」(ブラックシアーは、時折「審判と戦ってしまう」傾向が玉に瑕ですが、「それほどに情熱的で全力姿勢であるが故」です)。

 それと、いまの広島にとって、とても大きいと感じているのが、HCのミリングさんも勿論ですけど、2022年オフに、マネージャーに吉田朱里彩さんを招聘したこと。
 はっきり述べます。自分が把握できる範囲内で、吉田朱里彩さんと同等以上に、「選手とコーチスタッフの架け橋」として重要な存在意義といえる「スーパーマネージャー」は、A東京の鈴木理恵子さん、ただ1人だけです(というか鈴木さんは、もう「生ける伝説」の領域ですからね。つまり、吉田さんの入団は、「ただ1人のスタッフを招聘しただけにとどまらない、とてもとても大きな補強であった」と感じるのです)。

 試合を観ていて思いますもん、「一緒に働きたいと思える人間を、1人だけ挙げるならば、誰ですか?」の問いがもしあれば、自分は即答です、「吉田朱里彩さん」!と。
 いつもずっと動いている、それでいて判断が的確。
 中学受験をした人間ならば、「仕事算」に挑んだ経験がある人間は多いのでは?と想像ですけど、1人いるだけで「1.5人分以上に対応できる」、感覚的にはそのような感じなのです。「いるだけで大助かり」と。

 で、この吉田さん、入団時で「26歳」、つまりいま、まだ「28歳」なのです。いい意味で、「えっ、まだ10年経ってないってこと?」と。それほどに「一緒の職場だと、気持ちがより高まりそう(より引き締まりそう、を含めて)」の感じなんですよね。



 実は最近、気に掛かるお知らせがあって、それがいまリンク添付したお知らせですけど、「これ、吉田さん、ついに『より高みの重要ポストに昇進』(アシスタントGMなど)になるのかなあ…?」と想像の感じで。
 いつか、「いくつかの球団で、女性のGMが存在するBリーグに」と自分は強く願っているのですけど(真顔で!)、「女性で初めてのGM」がいつかそう遠くないうちに実現するならば、「吉田さん」と即答なんですよね。
 尤もその場合は、広島のGMは岡崎修司さんですので、他球団での就任がより現実的になる訳なのですが。


 いずれにせよ、そう、1バスケファンとしては、自分は住んでいるのが関西圏であることもあり、

 「応援球団」→「京都」「大阪」
 「注目球団」→「島根」「広島」

 この3年間、ずっとそうでした。そう、2021年、いまのチームの土台の構築を始めたときからずっと、「島根」「広島」は、配信での観戦を組み込むようにしていましたし、生観戦の日程を組む際も、(勿論、「リアル(当然だけど、「物理的に入れられない日」がいくつか存在するので)」「予算」と相談しながら、ではあるのですが、)
 「vs島根」「vs広島」は、できるだけ積極的に組み込む感じでした。

 そう、「この眼で観たかった」んですよね、「島根」「広島」の、「挑戦への歩みの軌跡」を。そして「歩みの奇跡の結末」を
 実際、これを通して、学び感じたことがいろいろとありました。
 「どこでもドア」があったら、松江や広島への生観戦、叶えたかったですね、本音は(真顔)。






 いまの広島の飛躍の出発点は、2021年3月、岡崎修司さんのGM就任でした。
 実は岡崎さんは、「選手上がり」です(野球やサッカーの他スポーツでもそうだが、必ずしも「選手上がり」とは限らない。特にNBAやMLBでは「背広組上がり」のGMの方が、恐らく多いと思います)。それも現役時代は広島に4年間いましたが、正直選手としては「ほぼ第3PG(よくて第2PG)」、つまり「ずっと控え選手」でした。

 で、就任のきっかけは実は、ある不祥事からでした(球団側の落ち度がどれほどあったかはわからないですが、いえることは、これが教訓で、「人間性こそ何よりも大切」を特に強く意識する、ってことですね)。



 これがどういうことかは、まあ、おいおい検索して頂ければの感じですけど、「選手である前に、人間であれ」とは、強く感じるんですよね。
 そう、「数字で可視化される成績だけが、全てではない」と。同じ能力値であるならば、「人間的により魅力的と思える人間と、一緒に仕事がしたい」と思うじゃないですか、ってことです。

 これを実感するのが、自分は関西圏の在住なこともあり、応援球団は「京都」「大阪」ですけど、京都だと「ラシード、澁田」、大阪だと「合田、鈴木達也、竹内譲次」がそうです。もう、いま挙げた5人を、いまこうして目の前で生観戦できる環境は、ただシンプルに「とても感謝」に尽きます。
 (それにしても大阪は、竹内譲次と鈴木達也という、「プロ意識の塊」といえる「The・若手の手本」が2人もいるのだから、コアメンバーの特に若手は、譲次や達也と同じ職場にいることに感謝でいて欲しいと思うんですよね、ニュアンスが伝わればと。)
 (それと、「人間は見た目ではない」と。ラシードや澁田からは、これも学ばせて頂く感じで。澁田はもともと、『ダブドリ』のインタビュー記事を拝読させて頂いたがきっかけで、好きな選手の1人ですけど、今季の自分的な大きなトピックの1つが、ラシードへの解釈が、初めての公開練習で、プラスの意味で180度ひっくり返ったことです。いわゆる「熱い手のひら返し」ですね。)



 話を岡崎さんのことに戻しますと、自分は、「選手時代にずっと控えであった岡崎さんだからこそ、できること・わかる景色がある」と思っていて。
 そう、「試合に出られない選手の気持ちも、選手を支える人間の必要性・存在意義も理解できるから」なんですよね。

 いまでは、バスケやサッカーでは、「名選手の出身である必要はない」がコンセンサスになっていますが、野球、特に日本のNPBでは、監督はいまでもほとんどが「現役時代は名選手であった」です。勿論、栗山英樹さんや上田利治さんなど、例外も何人かいますが、例外として挙がるほどに、「指導者としての資質能力よりも、選手時代の業績が必要以上に重要視される傾向」が、はっきりとしてます。






 実は岡崎さんと似た存在が、NBAにもいます。
 「ランドリー・フィールズ」さん。2022年から「アトランタ・ホークスのGM」を務めていて(この少し前の2020年から、ホークスでアシスタントGMを務めていた)、なんと先日、ドラフトロッタリーで「ドラフト全体1位指名権」を叶えて、いよいよ「最大の挑戦が始まる」が確定しています。

 この、フィールズさん。選手としては、2010年から5年間で、位置付けは「控えのSG/SF」(ただ、最初のニックス時代の2年間は、ほぼ先発SGではありましたが)。ニューヨーク・ニックス時代に3Pシューターとして輝いた時期があったことを記憶のバスケファンも、いらっしゃるのでは?です。
 実はこの、フィールズさん。大学は「スタンフォード大学」。世界でも有数の超名門大学の出身です。岡崎さんも「広島大学の出身(それも薬学部!)」ですので、勉学の素地があった意味で共通といえます。





 あるいは、これは自分の感覚ではあるのですけど、岡崎さんって、「現代バスケ版の、根本陸夫さん(西武、ダイエーで長くGMとして活躍、日本スポーツ界のGMの草分けといえます)」と感じてるんですよね。
 はい、自分は野球ファンですから、根本さんのすごさは、存じてるつもりです。尤もこの根本さん、「よくも悪くも強烈な業績」な感じですが、この手法は「コンプライアンスありきの現代では、恐らく事実上不可能」です。

 ですけど、いわゆる「西武黄金時代(1986年~1992年、7年間でリーグ優勝6回、日本一5回。黄金時代自体は1994年まで続いた)」「ダイエーを常勝球団へ(1993年~1998年。GM在任中は優勝が叶わなかったが、逝去後の1999年に日本一に輝いた)」、特にいまのソフトバンク(ダイエーがこの前身。2004年オフに親会社の変更で、ソフトバンクに)の栄光の土台は、根本陸夫さんがいたからこそといえます。


 そう、米国(アメリカ)では、名GMといえる人間は、何人もいます。特にMLBでは、球団名とGM名が「=(イコール)」といえる名物GMが、何人もいます。

 ニューヨーク・ヤンキース(ブライアン・キャッシュマン)
 [今季でGM就任から27年目。未だに球界の中心に君臨。]

 ロサンゼルス・ドジャース(アンドリュー・フリードマン)
 [金満球団でありながら、実は「コスパに優れるGM」でも。]

 フィラデルフィア・フィリーズ(デーブ・ドンブロウスキー)
 [「生ける伝説」。いくつもの球団でGMを務めてきた。]

 オークランド・アスレチックス(ビリー・ビーン)
 (現在はシニアアドバイザーになり、編成からは事実上退いてる。)
 [「マネー・ボール」の創始者。野球の在り方に大きな影響。]

 アトランタ・ブレーブス(アレックス・アンソポロス)
 [黄金時代創出の原動力。「若手への長期囲い込み契約」得意。]

 シアトル・マリナーズ(ジェリー・ディポート)
 [「トレードの魔術師」。ほぼ毎年のように移籍市場を沸かせる。]

 サンディエゴ・パドレス(AJ・プレラー)
 [大胆さが特徴。特に大型トレードでドンと勝負を仕掛ける傾向。]


 読者の中で、野球、特にMLBを観ることがあれば、「あっ、このGM、名前を聴いたことがある!という人間、いらっしゃるのでは?」です。

 でも、Bリーグの場合(これはNPBでもそうですが)、GMの存在は「見えにくい」あるいは「そもそもいない」球団が多くいます。その一方で、佐賀の宮永雄太さんのような「全権監督」も、大いにいてよいと思ってます(というか、いわゆる「全権監督」は、自分はとても好きです)。あるいは、全権監督ではないですけど、秋田の前田顕蔵さんは、志向するバスケがもう「前田顕蔵」と強烈に刻印されてるって感じですし(以前にも言及したことがあるかもですけど、自分は秋田の前田HCは「日本のグレッグ・ポポビッチ(NBAのサンアントニオ・スパーズのHCを長年務めている)」とずっと感じてます)。


 で、GMのタイプはそれこそいろいろあって、米国の、特にMLBのGMは「GMの色が明確にあって(総年俸が各球団側のオーナー手動で決められていることも恐らく影響しているが)、監督は『与えられた戦力で、その中で最大級に』の役割・意味合いが強い」です。
 でも、BリーグのGMは、より望ましい感じといわれるのが、「GMとHCが、コミュニケーションを最大級に密にできること」。これは言い換えれば、「HCの要望に、できるだけ最大級に沿っての補強(あるいは放出)を進めること」です。あるいは川崎のように、GMとHCが「二人三脚どっぷり」で進めるタイプの球団もいます。

 (少し話を脱線させますが、その意味で、川崎が佐藤賢次HCと別れることになるのは、正直驚きでした。ちなみに川崎の現GMの北卓也さんは、佐藤さんの前のHCです。ニュアンス的には、佐藤さんが「5年やったけど、もう限界[「欲しい選手が来てくれなかった」ことも、正直あったかも]」と、タクトを置く決断をした可能性もあるかもですけど。
 で、川崎は、このオフに「大幅な改革を決断するのでは?」「渡邊雄太の入団レースに参加しているのでは?」といわれています。新HCをどうするのかも気に掛かりますが、「二人三脚路線」から、米国流の「GM主導路線」へと転換するオフになるのかもと、興味深い感じでいます。
 ちなみに昨オフ、大阪のブースターミーティングに参加させて頂いた際に、前GMが

 「この中で、川崎が『平均より少し上』の位置に、驚かれた人間も少なからずいらっしゃるのでは?ですけど、そう、ここ2~3年で、Bリーグの資金力のスピードが急速に上がっていってて、我々(大阪)もついていくのに必死が正直な感じです。」

 正直自分は、これがとても衝撃でした。そう、Bリーグ誕生当初は「アドバンテージを持つ側」にいた「川崎、SR渋谷、三河、名古屋D」の「旧実業団組(A東京は異次元なので)」が、程度の差こそあれ(いずれもリーグ平均以上の資金力は堅持できている)、相対的な補強資金が落ちてきていると。これは裏を返せば「補強資金を伸ばした球団がいる」ともいえます。
 (はい、自分も「えっ、川崎って、もっと資金力がある球団ってイメージでいました」と思っていた1人です。今オフの「大幅改革決行説」は、ずっと囁かれていた「年齢構成の高齢化を、どうにかせねばならない」も勿論あるかなですが、「ファジーカスが2億円程度であった、それが浮いたから」も正直影響しているのかな、と考えさせられてます。)

 …って、また話を脱線させている感じがしますが(汗)。





 そう、自分は、岡崎修司GMって、

 「岡崎修司GMって、日本バスケ版(Bリーグ版)の、根本陸夫さんに、漠然とだけど相通ずる感じ(勿論、プラスの意味で)。」

 と感じてるんですよね。勿論、いまは「コンプライアンスを意識せねばならない社会状況」ですし、NPBとBリーグではシステムが少なからず異なりますから(特に「移籍の流動性」は、Bリーグの方が格段に高い。しかもBリーグは現況では「ドラフトがなく、有力選手が有力球団で選手生活のスタートが少なからずある」)、いわばあくまでも「漠然とだけど、相通ずる感じがある」の域を出ません。

 だけど、岡崎GMって、よくも悪くも、「先手必勝型」なんですよね。
 で、流れを自分たちに持っていく「雰囲気を生み出している」。
 逆に上手くいかなかったのが、昨オフ(2023年オフ)。客観的に見れば、挫折だったと想像の感じです、それも「最大の勝負の年」であった今季に向けて、というときに。


 あの昨季の千葉Jとの、CS1回戦。最後は「この1本を決める得点力(シュート力、クラッチ能力)」が分けた、自分は正直、そう感じてました。
 そう、「志向するバスケスタイルの方向性は、間違っていない」と。でも現実論は、バスケットボールって、「得点を取らないと、勝利できない」んですよね。

 では、何が足りてないか。「この1本を託せる、日本人選手」。
 寺嶋も辻も、勿論「有力日本人選手の1人」です、でも、よくも悪くも「オールスターレベルではあるけど、それ以上ではない」。

 ですので、これはあくまでも、結局は「想像の域を出ない」ですけど、


 優勝を叶えるには、「違いを生み出せる日本人選手」が必要。
 →昨オフは、馬場のBリーグ帰還が有力視されていた。
 (もう「海外には居場所はない」が残酷に数字で出ていた。
 「豪州NBLが、Bリーグにレベルで追いつかれてること」や、「能力的にドライブ型、守備型よりなので、爆発力を好む中国CBAタイプではない」ことも逆風になっていた。)
 ↓
 「違いを生み出せる日本人選手」として、馬場はドンピシャ。
 「速いプレーリズム」を志向する自分たちのバスケとも合致し得る。
 (そして、馬場獲りに失敗すれば、恐らく当面はこのレベルの日本人補強は叶わないであろう計算も、背景にあったと想像。)
 ↓
 馬場を獲りたい。→ポジションを空ける必要性。
 →ポジションが重複で、衰えが始まっている辻に「6thマンに回って欲しい」。
 ↓
 でも辻は「自分はまだ先発SGで勝負できる」→退団を希望。
 →契約が満了、年齢のこともある、折り合えないならば仕方ない。
 →山崎は「あくまでも控えSGでの補強」。そう、3Pシューターが要補強ポイントだったから(前田に比して安価で、守備意識が高いこと、それと宇都宮仕込みの「勝者のメンタリティー」にドンピシャなことも影響?)。
 ↓
 馬場獲りに向けて、先発SGを空けて待つ。
 →でも馬場は、長崎を選んだ。理由は1つには「つながりあるスタッフの存在」もあったとは思うが。
 →本質的な最大の理由は「馬場自身は、NBAをまだ諦めていない」こと、そして「海外で勝負できることを証明したい」強い意志。
 でも広島側は「来季のラストピースとしては勿論、今後3年程度の得点源(及び、コート内外でのフラッグシップ)として欲しかった(ずっと戦力でが前提なので、海外再挑戦は全く前提としてない)、そこに恐らく「ズレ」があった。
 ↓
 結果、「二兎を追う者は一兎をも得ず」に陥った。
 「馬場の補強に失敗で、辻にも去られて、先発SGは山崎に」。
 山崎は、いい選手ではあるけど、明らかに「穴」。守備意識は高いけど、スティール数が多い訳ではない。現にRSでは、EFF的には「B1レベル以上、CSレベル未満」に終始していた。


 そう、今季は「いまのチームを構築してから、3年目」。
 日本には「石の上にも3年」「ホップ、ステップ、ジャンプ」という言葉があります。
 で、広島や島根は、ほぼ更地から、いまのチームを構築してきました。その意味でもなおさら、チーム構築3年目の今季は「最大の勝負の年」。
 欲しいのは「CS出場、そしてそこで勝ち上がること」。裏を返せば、「CS出場に失敗=何の意味もない」になること。

 だけど、RSでの最大の勝負の「ラスト18試合」を迎える前の時点では「22勝20敗」。
 で、Bリーグには「プレーインルール」が存在しない(NBAどころか、豪州NBLでさえあるのに、何故導入しないのか意味不明!とはっきりと強く思っています。ちなみにプレーインがない違和感は、前回の有料記事の有料部分で、はっきりと言及させて頂いてます)。

 そう、「プレーインルール」が導入されれば、クリアラインは「10球団/24球団」という意味で、「勝率.550(33勝)でクリア」の可能性が高い。
 でも現行制度でだと、クリアラインは「8球団/24球団」なことを含めて、恐らく「勝率.600(36勝)でクリア」の可能性が高い。
 これは、前回の有料記事の有料部分で言及させて頂いてますけど、現実社会での大学入試がそうじゃないですか、
 「偏差値55ならば、努力すれば手が届く可能性がより高いけど、偏差値60だと、努力しても一定の才能がないと手が届かないラインになる。」


 そう、いまの「プレーインルールがない現行制度」は、正直「激しく強い違和感」があります
 でも、「ルールはルール」。「可能性がゼロではない限り、最後までできる全力を出し切ることが使命である」、ましてや「プロ」ですので。





 …そんな中で起きた、寺嶋の膝の負傷。
 期間的には、「RSは完全アウト」、「CSの初戦、あるいは準決勝に間に合うか(間に合うとしても、「出場時間の制限」はまず確定といえる)。
 この3年間、広島の中心の1人、広島の「フラッグシップ的存在」は、はっきりと明確に「寺嶋」でした。

 よく、PGの最大の使命は「チームを勝たせること」といわれます。
 これは、野球でいう捕手に相通ずるかなです。
 最たる選手が、阪神の坂本誠志郎。そう、坂本は「打撃への期待は『ほぼゼロ』」です。言い方を替えれば「自動アウト」です。
 しかも、巨人の生ける名選手、坂本勇人と同じ姓。ですので「じゃない方の坂本」と呼ばれることもあります。
 でも、昨季の阪神の日本一の、大きな原動力の1人は坂本です。というか自分にもし投票権があれば、MVPは「坂本」と投票します。

 それほどに、昨季の坂本の、特に守備面・配球面は、とても輝いていました。捕手別の防御率は「12球団で1位」であったとか。
 少なくとも、「守備型の捕手」では「球界no.1」とはっきりといえます。それと坂本って、人間性も素晴らしいんですよ。もう「生粋のチームリーダー」ですね(バスケ界でいえば篠山[川崎]に相通ずる)。


 で、寺嶋。そう、確かに、「河村、富樫、齋藤拓実」といった「代表レベルのPG」に比較すると、「違いを生み出せる」意味では、少し見劣りかもしれません。
 (河村は勿論だが、富樫、齋藤拓実も、何らかのタイミングとかが合えば、豪州NBLとかへの海外挑戦はあったかもの選手と思っている。尤もいまは、Bリーグが豪州NBLと同等になったので、ですけど。)
 でも、広島(というチーム)と「共に登る」意味では、ドンピシャであるといえますし、「バスケIQ」や「守備意識」では、有数のPGとはっきりといえます。3P試投率がもう少し欲しい、の解釈は確かにできるかもですけど、それで勝たせているのだから、大きな問題ではないと。

 だからこそ、「いなくなってわかる存在感」になるのではないか?少なくとも自分は、正直そう感じていました。


 …そしたら、です。寺嶋離脱を経て、「運命のラスト18試合」。
 これを「14勝4敗」(この期間中、「勝率.778」)で駆け抜けてのフィニッシュ。
 いわば、強烈な追い込み(競馬で、強烈な末脚の追い込み馬って、いるじゃないですか。少し古い馬ですけど、「デュランダル」「ブロードアピール」のような豪脚なんですよね)。最終的に、「ワイルドカード1位での、2年連続のCS出場」を叶えました。





 …では、広島の「色」、つまり「特徴」って何だろう?と考えたときに、「志向してきた方向性」が垣間見える補強がある、と自分は感じていて。
 それが、2021年オフ、つまりいまのチームづくりの開始(創立)のタイミングで補強した、「船生」「青木(青木は2023年の年明けから仙台)」である、と思っているのです。そう、

 「まずは守備ありき。『守備意識』こそ第一義。
 それと『バスケIQ』を重要視する姿勢。」





 実際、チームフィロソフィー(いまのリンクの2つ目です)で、広島は明確に
 「強固なディフェンスから組織的なオフェンスを展開する」
 を明示してます。

 これが実を結びつつある、と感じたのが、寺嶋の長期離脱が確定してからの、「ラスト18試合の初戦」である、「京都vs広島(3月20日、西京極)」でした。この試合は京都の本拠地での試合でしたので、絶対に生観戦したいと、日程が発表されたときに高い優先順位で組み込んでた試合です。

 1Qから、「いいボール奪取の仕方ができている」。
 そう、「いいボール奪取」ができれば「いい攻撃」ができる、まさしくこれがいくつも生み出せてたんですよね。

 サッカーで、「守備→組み立て→崩し→フィニッシュ」という概念がありますが、このときの広島は、いわば「完璧な崩し」をいくつも創出できていたのです。

 結果は「75-60」。でも生観戦での実感は、「スコア以上に、内容的に完勝」でした(勿論、「15点差」自体が完勝ではあるのですが)。フィニッシュの精度がもう少し高ければ、20点差以上がついても驚かない、それほどに内容で圧倒していましたから。


 「CSに届いて欲しい。でも届くかは微妙だなあ。」
 ラスト18試合、1人のバスケファンとして、ずっとそう感じていました。
 でも、いわば、「観ている人間は、きっといたんだ」と。
 「志向するバスケスタイルを貫き続けた」、これが結実しての「CS出場」、自分は正直、そう感じています。

 そう、この3年間、広島と島根を、ずっと注目し続けてきました。で、実は、今季は広島と島根は、FCにも入会させて頂いてました。
 これからも、FC云々はともかく、広島と島根、歩みの軌跡を、程度のことこそあれ、注目し続けたいと強く感じてます。



 ですけど、そう、「志向するバスケスタイル」でいえば、広島はこの3年間、ずっと貫き続けてきた。一方で島根は、「爆発力」という意味ではこの3年間ずっとそうであったといえるかなですけど(「ゾーンに入ったら、わかっていても止められない」を正直感じた意味で)、「ほんとうに志向していた意味での『バズソー』であったのか?」という意味では、2年目の序盤からは、だんだんズレが隠せなくなっていってたと映っているのです。

 「風を起こそう」。この結末が、ハッピーエンドであって欲しかった(勿論、今季が不本意であっても、この旅路はこれからも続く訳ですけど、今季が「最大の勝負の年」であった、という意味で)、正直な本音を申しますと。


 でもです。はっきり述べれば、大きな要因は3つ。
 第1は「偏りの強い起用法」。枠は12人ある訳ですけど、基本的に起用するのは7人~8人程度(「6人ローテ」のときもあった)。そうなると「自分を信頼していないのか」になってしまいます。「阿部の退団」が象徴的ですけど、2年目オフ以降、津山、谷口以外に、良質の日本人選手を獲れなかった、これは「立地」も理由の1つかなですけど(特に「子どもの教育環境」という意味では、確かに不利かもしれないが。都市部のように、学べる学校の選択肢がある訳ではないですから)、結局選手って、「出場機会」こそ第一義である訳でと。

 その象徴が、あくまでも噂レベルですけど、「前田(川崎→京都)が獲れなくて、晴山であった」こと(申し訳ないけど、昨季の富山では「ギリB1レベル」まで力量的には落ちている。精神的支柱としては、その人間性は素敵なのは伝わるので…、ではあるけど)。確かに晴山は、ゾーンに入ったら飛び道具になり得るのですけど(実際にそのような試合もあった)、もし前田であったら、「4Qのクラッチタイム(ラスト5分)」でより爆発力が高まっていた可能性が高いだろう、と。
 あるいは、「ビュフォード、安藤誓の負担を軽減できる第2PG」が必要であると、2年目オフからずっと言われていました。でも、結局獲れなかった。確かに「相手のあること」ではあるので、相手が残留を望んでいたりとかであったならば、どうしようもないではあるのですが(はっきり述べれば、理想は恐らくベンドラメであった、しかも2年目オフ、昨オフと2回チャンスはあったが、「生涯SR渋谷」を選んだ時点で、そうなるとあとは次善になってしまう。尤も1バスケファンとしては、ベンドラメが「生涯SR渋谷」を選んだことはとても嬉しいですし、悩んだ時期を経験したことで、人間としてもより頼れる感じに成長が伝わりますが。あるいは鈴木達也もゲームメイク特化でいえばCSレベルであるので、第2PGではドンピシャですけど、大阪にすっかりなじんだ意味で[実際、今オフも早々に残留を発表してる]、これも「ノーチャンス」であったかもしれませんが)。
 
 (阿部の場合は、いま思えば、「偏りの強い起用法」でなくても、いつか移籍は必要だったんだろうなあ…と、「バスケの奥深さ」を考えさせられます。それにしても、「いい守備型」が「オールスターレベルのコンボガード」に大変身って、想像できた人間がどれほどいたでしょう…?です。それとはっきり言わせて、なぜ「MIP」が「Most Improved Player」[最も成長した選手]ではないのか?と。「Impression」って、「主観の要素が強すぎる」、これって「客観的な数字、統計要素が年々重視の一途」であるバスケの特性と逆行なんですよね[そもそも「運の要素」が大きすぎることはおかしいという、自分の価値観もあるのでしょうが。ちなみに「運の要素」でいえば、野球には「運の要素の指標」で「BABIP」があります]。)


 第2に。「ビュフォード、ニック・ケイ、安藤誓の『ビッグ3』の確立」。
 この「ビッグ3」という考え方自体は、「NBAではよくあるスタイル」で、自分も好きです。「ビッグ3スタイル」自体が問題とは思いません。
 では何が問題だったのかというと、これは自分も、今季の年明けくらいから漠然と感じ始めたの域を出ませんけど、「ビュフォード」なんですよね。
 「30%を上回るUSG%(ボール独占傾向、いわゆる「ボールホグ」。河村のように「頼れるno.2がユトフくらい、だから自分が決めるしかない」の、やむなしの感じとはまた違う感じが)」「3P試投率が20%もない(「ポイントSF型」でこれは、現代バスケに逆行になってる)」「気性が荒く、審判と戦う傾向が散見(気性が荒い外国人は他球団でも少なからずいるが、例えばディアロのように、コート上では気性が荒いけど、その一方で審判や裏方への挨拶を欠かさない感じとも、また違う感じが)」。

 そう、「ビュフォード」って、「エバンス、クラーク、カロイアロ」と、似ているようで微妙に異なるんですよ。なんというか、確かにアシスト意識や守備意識の高さは、称賛されて然るべきなのですけど、「いまこの場面で、どのプレー選択がより適切であるのか」という「プレー判断の意味での『バスケIQ』」で、「エバンス、クラーク、カロイアロ」の方がより魅力的に映るのです(いま挙げた、エバンスなど3人は、「USG%が30%を切っている」。それにしても、大阪、カロイアロを放出って、「いや確かに、年齢のことはあるけどさあ、カロイアロと同等以上の選手ってそうはいないよ?どうやって勝負するつもりなの?意味わかんないよ!」が本音であるのは、自分だけでしょうか…?)。
 そう、結果、「ビュフォードが勝負どころでボールを持つ→あっ、1on1(アイソレーション)だ!」と、相手守備が読めてしまう。「わかっていても止められない」がすごさでもありましたけど、今季の終盤、相手守備が「ついに攻略した」感じに、自分には映りました。

 で、これ、「ビュフォードのプレースタイルが、優勝へと導ける感じとは、ズレがあった」と自分は解釈しているのですけど、視点を変えれば、島根のバスケスタイルは、「Bリーグで歴代no.1といえる『圧倒的なバスケIQの持ち主』の『ニック・ケイ』がいてこそのスタイル」(=「いないと成立できない」ともいえる)の限界であった、とも正直映ってます。これは、「島根の試合をいくつか観ている人間ならば、恐らくわかって頂けるのでは?」と思ってます。
 そう、ニック・ケイがBリーグに来たことは、「BIG感謝」に尽きるのです。だって、「ワールドクラスの選手」ですよ?いままでならば、「中国CBA」が行き先であったであろう選手ですし(ニック・ケイがいなければ、いまのBリーグはいない。「えっ、ニック・ケイほどの超大物が選ぶリーグって、どんなリーグなんだろう?」を与えた感じですから)、というか、「ニック・ケイが到達できないNBAって、どれほどすごい世界なんだ?」を学ばせて頂いた意味で、どれほど感謝してもし切れません。
 (…って、「never~without構文」であったような…と。大学受験の英語では、恐らく今も定番なのかな?と想像だったりですけど。)

 逆に、クラークやカロイアロが移籍市場に出たことで、
 「ニック・ケイ、クラーク(orカロイアロ)、安藤誓の『新ビッグ3』」
 これが結成された方が、相手守備には恐怖でしょう、と。3人共にバスケIQに優れますし、3人共にシュートレンジを併せ持ちますので(それでいて3人共に1on1もできる)、この方がより「怖さを与えられる」かもなあと。いや正直、「自分が観てみたいから」の域を出ないといえば、それまでではありますが。


 そして、第3に。「帰化枠のニカ」
 「えっ?」と思われるかもですし、確かにニカって、数字以上に、とても全力姿勢な選手ではあるのです。ですけど、そう、「できることの幅が狭い」。「シュートレンジがほぼゴール下に限定」ですし、「独力で突破できる訳ではない」、「ショットブロッカーである訳ではない」。いわゆる、典型的な「ラジコン型」です(リムランはできますが、これも例えば、ジャクソンやディアロほどではない)。そして年齢が「30歳代半ば」(帰化枠はどうしても、年齢がかさむ感じになりがちではありますが)。

 実際、島根は当初、「プレーリズムをできるだけアップテンポに」を強く志向していると映っていました。でも、これはだんだんトーンダウンしていった(アップテンポな場面は、いまでも結構多くあるのですが、全体としては「平均的」な感じに収まってるんですよね。しかも今季は、多くの球団が「アップテンポ」にかじを切ったので[宇都宮までアップテンポ志向になったことが象徴的]、「平均よりやや下」になってしまった。
 この理由には、「偏りの強い起用法」「ビッグ3への大きすぎる依存度」も勿論少なからずありますけど、「ニカが、そこまでアップテンポに対応できるタイプではないから」もあったのでは?と(とはいえニカは、もともとは「秋田仕込み」である訳で、アップテンポへの対応が厳しくなっていったのは、年齢的な衰えには抗えないということか…?と)。

 実際、ニカからのアップグレードを水面下で模索しているのでは?は、オフのたびに噂になっていました。特に昨オフ。ホーキンソン争奪戦に参加していた?と噂されてましたが、恐らく「想像していたよりも必要資金が跳ね上がり、ギブアップした」→「エドワーズに方向転換を試みたが、すでに宇都宮と話がまとまっていた(必要資金的には、エドワーズならば手が届いていたと思われる。しかもエドワーズだと「3Pもできる」)」?と。
 結果、「二兎を追うものは一兎をも得ず」になったといえます。

 で、ニカの何が問題かというと、ニカは「ゴール下に特化の、古典型ビッグマン」ですので、「合いそうな外国人の選択肢が、おのずと限定される」んですよね。そう、「古典型ビッグマンはNG」、なぜならば「3Pができないビッグマンは、コート上で同時に1人まで」が、いまやコンセンサスになっているから(「ジャクソンとエチェニケ」「ハントとオマラ」「ジャクソンとディアロ」、いずれも「両雄並び立たず」の結果が出ている)。
 なのに、獲ったのは(獲れたのは)マーティン。個人的には、マーティンがB1レベルではなかったとは思いません。でも、合わなかった。理由はシンプル、「マーティンも『古典型ビッグマン』であるから」(リムランには優れるが。その一方でアンダーサイズ)。
 惜しむらくは、マーティンを取ったと思われるタイミングで、ブバが売れ残っていたのです(ブバは3Pができて、機動力に優れる。負傷リスクはあるが、これに目を瞑れば第3外国人ではとても良質と映ったが)、「もし獲ったのがブバであったら」と感じるのは、自分だけでしょうか…?(これはロングを獲った大阪にもいえる。「ゴール下限定、ショットブロッカーではない、それでいてFT成功率が60%未満」って、「現代バスケで最もノーサンキューなタイプ」の1人です。マーティンは「60.5%」だが、感覚的にはもう少し下な感じでした。)


 …って、話をまた大きく脱線させましたけど(激汗)。





 話を戻します。で、岡崎修司GM、よくも悪くも「話が長い」と思っているバスケファンは、正直少なからずいると想像です。
 でも自分は、そうは思いません(あのチーム編成の理由説明は、よくも悪くも「もはや論文」であることを全否定はしませんが)。そう、

 「チーム編成の理由説明をする姿勢は、『誠実さの証明』であることは勿論だけど、個人的にはむしろ『いや、プロバスケ球団は1企業でもある訳で、【企業の社会的責任(CSR)】として【やるべきことをやっている】、言い換えれば【当たり前の使命】ですから。」

 と感じているんですよね。これに加えて、「理由説明の際に、来オフからは、選手の残り契約年数の一覧の明示を、併せて何卒よろしく御願いしますね!」と、併せて強く御要望の感じですけど。

 ですけど、「当たり前のことを当たり前にできる」って、特に社会人ならばわかって頂けるかなですけど、実はとても難しいんですよ。
 ですので、岡崎GMの、「チーム編成の理由説明」って、勿論「誠実さであるが故」ではあると思いますし、これ自体がとても素敵で、「見習いたい」「応援したい」と思えるのですけど、これ、視点を変えれば「逃げない姿勢」ともいえるんですよね。特に昨オフからはこれが伝わって、そう、客観的には「戦力ダウン」であった訳です、でもちゃんと「ごめんなさい、でもいまある戦力を最大化して魅せます」とできる姿勢がすごいなあと。そしてこの「いまある戦力の最大化」を、「ほんとにやってのけた」のです。


 そう、なぜ、広島がこうして「ファイナルという最高の景色」に届いたのかというと、いわば「信じる道、信じるバスケスタイルを、この3年間、ずっと貫き続けたから」が最大の理由と思うんですよね。
 勿論、岡崎修司GM、吉田朱里彩MG、そして、2人のアナリストの存在も、とても大きいと思いますし、アナリストの貢献、これは「ビデオアナリスト」なのか、「スタティスティカルアナリスト」(統計専門のアナリストのこと)なのか、それともその両方なのかがわからない感じではありますけど、「アナリストの存在も、とても重要な貢献であった」と思うのです。

 恐らくですけど、補強交渉の際に、
 「自分たちは、こういう『志向するバスケスタイル』を掲げてます。」
 と、明示しているのでは?と想像するのです。そう、試合を観ていて、これは試合中のベンチでの選手の姿勢とか、試合前練習でも感じるのですけど、「同じ『旗』『方向性』のもとに集っている、結束している」感じが伝わるんですよね、これってとても大切なことだよねと。





 いま、いくつかのNPOのHPを、リンク添付させて頂きましたけど、いずれにも共通するのが、「ビジョン」「ミッション」の明示です。
 この「ビジョン」「ミッション」の明示は、いわゆる「『社会起業家』的な団体・財団・NPOなど」では、いまでは当たり前になされてます(いわゆる「1丁目1番地」「条文の第1条」といってもいいです)。
 ですけど、「ビジョン」「ミッション」、いいかえれば「球団理念」「球団のフィロソフィー」を明確に掲げているプロバスケ球団が、どれほどあるのか?です。これを広島は、ずっと掲げ続けてきた、そしてそれが実を結ぼうとしている。

 そう、確かに課題も少なからずあります。
 「新アリーナ構想」のこと。
 「マスコット(モヒカンアビィ)」を、どう知ってもらうのかのこと。
 「チアリーダー(フライガールズ)」を、どう知ってもらうのかのこと。



 特に、「モヒカンアビィ」もですけど、チアリーダーの「フライガールズ」は、基本的に地元の人間で固めているが基準と伺ってますけど(この方針自体は、とても素敵であると思ってます)、この「フライガールズ」、島根の「アクアマジック」は勿論、例えば大阪の「BT」とかに比して、はっきり述べれば「もっと売り込みましょうよ!」と思ってます。かわいらしいのに、長所・特徴を全然発信できていないじゃないですか!と。

 そういった課題は否めない。これは言い換えれば、「伸びしろ」ともいえると思いますが。

 ですけど、そういった課題はあるけど、関西圏に在住の自分の立場からすると、

 「いまの広島って、京都や大阪にとって、手本とできる存在!
 見習えるところは、どんどん取り入れて欲しいです!」

 と感じてるんですよね。この1つが、試合終了後の、相手球団を絶って送り出す「スタンディングオベーション」。自分はこれ、とても素敵だなと感じているのです。自分が選手だったら、とても嬉しいですから。






 で、今回の文章のタイトル。「あとひとつ」と表記させて頂いてます。
 厳密には「あと2勝」です。でも自分は、今回、


 優勝(日本一)が、手が届くところに来ている、だからこそ、このファイナル、この3年間の積み上げの全てを出し切って欲しい!たくさんの人間が、普段の応援球団の枠を超えて、応援しているから!


 この想いを、込めさせて頂いたのです。勿論、今回の「あとひとつ」は、2010年の夏の高校野球のテーマソング、ファンモンの「あとひとつ」になぞらえて、でもあるのですが。
 (尤もこのときは、沖縄の興南高校が、東海大相模に「13-1」で圧勝での、春夏連覇でした。この試合は生観戦させて頂いてましたけど、東海大相模で「鉄壁の遊撃守備」を誇っていた染谷くんが、興南に狙い撃ちされて[打球方向の多くが、左中間方向だったのです。これは偶然、あるいは結果論であったかもですが]、ついには失策して、最後は顔面蒼白に陥ってたんですよね。あのときの球場の雰囲気は、自分は正直「恐怖感」でした。琉球側の読者がいればとても申し訳ないですけど、自分の野球やバスケの生観戦の中でも、あの球場の雰囲気は「いままでで、ダントツの恐怖感」であったのです。「美爆音」なんて、まだかわいいもの、あの指笛は、美爆音を100とすれば、桁が4つは違う、それほどの威力を感じました。
 「入り待ち・出待ちをやめて欲しい」「転売をやめて欲しい」、これもたしかに理解はできます。でもそれもですけど、「鳴り物ってどうしても必要なの?」と感じる、大きな転機になりました、自分にとっては。
 そう、例えば「月に1~2試合、鳴り物のない試合」を設けて欲しいと感じているんですよね、いまや社会には、程度の差こそあれ、「感覚過敏の人間の存在」は科学的に明らかになりつつありますので。「鳴り物のない試合を設ける」だけでも、「野球の裾野がより拡がる」と思っているのです。




 それと、さらに話を脱線させる感じになりますけど、自分、YouTubeの広島ホームテレビさんの、「カミコとマナブ」、楽しみに観させて頂いてます。学びになることが多いからです。



 とりわけ印象的な動画が、これ。とりわけ動画の2つ目(後編)の、「17:04~17:29」、「なのこさん(当時は高2。つまりいまは恐らく高3。弁護士志望とのことです。「「前列の、左から2人目」が、なのこさんです)」、「世界全体で環境問題に取り組まないと、日常生活が普通に遅れなくなるんじゃないか、と思ってます」と仰ってたのは、とても強い説得力を感じて印象的であったんですよね。




 あるいは、「生徒みんなで校則変えた」という話題。自分の時代(自分は今夏で40歳になります、ですので高校時代は20年以上前です)には考えられなかったすごいことを実現させたと。
 「2021年4月」ですので、3年ほど前です。当時、ツイッターやYahooで大きな話題になっていましたので、記憶している人間もいらっしゃるのでは?と想像です。
 これも、なんと広島なんですよ。安田女子高校。地元では「お嬢様学校の1つ」と伺っていますが。


 …と、そのような感じですけど、





 はい、自分も実は、見逃しでですけど、観させて頂きました。

 そう、「宇都宮やA東京と異なる山に入れれば、より望ましい」。理屈の上ではそうです、で、最後の最後でこれを勝ち取った。「精神的な消耗度」という意味で、これは恐らく大きかったと思っているのです、こうして「ファイナルの景色」を叶えた意味で。
 「ファイナルの景色」を叶えたこと自体、とてもすごいことです。個人的にはNBAのように、「ファイナル進出」自体、アウェーであろうとも、「うぉーっ!」と、喜びをもっと爆発させていいと思うよ!と感じてますが。


 ですけど、CS1回戦の第2戦、「vs三遠」の試合終了後、広島ファンの皆様との、ミリングHCの「相手ファンに配慮した、とても控えめな『勝ちじゃけえ』」、自分はとても好感だったんですよね(開場は三遠の本拠地、つまり「豊橋」でした)。
 それと、そう、こうして広島がファイナルの景色を叶えたのは、

 「HCをカイル・ミリングさんにしたことは、最適解であったかもと。
 これほどにファンと同じ目線を心掛けられるHCは、好感ですもん!」

 そう、「ファンあってのプロスポーツ」である訳で(特にバスケは「団体スポーツ」ですのでなおさら)、
 それと、控え選手にもしっかりと出場機会を与える。いわゆる「信賞必罰」。これができる指導者って、そうはいないと思うのです。
 少なくとも、「偏りの強い起用法」ではないこと。これってとても大切と自分は感じているのです。例えば、マーフィーを信じて、プレーオフという大舞台で輝かせたこと、シンプルにこれ1つとってもとても称賛です(自分は正直、マーフィーは「ギリB1レベル。CSレベルだと、1人デバフになってる」とずっと感じていましたから。自分が広島のGMならば、2022年オフに「放出で即答、以上」でしたので)。




 そうそう、それと、1バスケファンとして、いつも楽しみに拝読させて頂いているのが、「籠球徒然日記」。宇都宮といえばhiroさんならば、広島といえば、この「籠球徒然日記」といえるほど、拝読させて頂くたびに学びになることがたくさんあるのです。細かいところまで、よく観ているなあと。
 そう、広島にとっての「最高の景色」を観て欲しい(感じて欲しい)意味では、岡崎GM、吉田MGもですけど、この「籠球徒然日記」さんには特に、「最高の景色」を観て欲しい1人です、と伝えさせて頂きたいです。



 …と、当初は、前日のうちには書き上げる構想であったのが、書き上げたのは「第1戦当日の、試合開始の65分前」になりましたが(激汗)。
 ですけど、いえることは、

 この3年間の積み上げの『努力の結晶』を出し切るステージ!
 広島ならばできる!だから今回、綴らせて頂いているから!

 ですので、末文にて。1バスケファンとしての、想いを込めて。
 元ネタは、自分が大好きな「Liella!(ラブライブ!スーパースター!!)」の、ライブ前の円陣の掛け声からです。


 「4,5,7,8,10,12,13,15,17,24,30,34,2,0。
 広島ドラゴンフライズ、Keep Going!」
 (番号は「背番号」で表記してます。最後に「2,0」とした意味が、伝わればと思っていますけど。)


 【バスケットボール#39A】【エッセイ#32A】

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