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精度の高い補綴物を作るために


今回は歯科では毎日の業務にもなります。

基本的な「印象」、「石膏」

シンプルだからこそ真理なのだよ
by 緑間真太郎


歯科では、印象(歯の型取りのこと)をした後に、石膏をつぐのですが、その時に知っていて欲しいことを今回まとめていきます。

(株)プロミネントの甲田君よりレクチャーがありました。

石膏は原石です。その特徴を理解します。

①石膏を注入前にする印象材の前処理の仕方について

シリコン、アルジネートで印象しますと、このような状態です。
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1️⃣印象材がトレーからはみ出てますが、義歯(入れ歯)でない時はカットします!

デザインナイフを使ってカットしましょう!

シリコン印象材は、アルジネート印象材と素材が違うため
弾力性がなく、たわまない分 変形がないですが、
アンダーカットがある部分に、
石膏が入り込んでしまうと外せません💦
2️⃣アンダーカットをハサミで切っておきます。

シリコン印象の場合は、トレーから石膏から外す際の
⚠️歯冠の破折防止です⚠️

カットしたところ↓↓↓

後ろ部分をカットしたところ。
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⚠️印象材が垂れたままですと、
石膏の重みで模型が変形しますので注意⚠️
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3️⃣石膏注入時の気泡防止のため、
エアーでしっかりと乾燥をしていきます。
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4️⃣GCから出ている「シュールミスト」
面荒れ防止のスプレーをシューっとします。

以上が前処理となります。

②石膏の混水比、攪拌、注入、盛り方まで基本的なことを教わりました。

1️⃣まずは計量。
よく使います黄色の硬石膏の場合。

100gの石膏で24gの水です。
(全顎印象ですと1つ分くらい)
うちのクリニックは 、粉も水も計りで計量します。
↓↓↓


メスシリンダーで水を測るのも良い。石膏100gで水20ml

混水比は正確に測りましょう。

模型が歪めば、歪んだ補綴物ができるので、
ちょっとのズレが、口の環境が悪くなる原因に!

2️⃣攪拌機(かくはんき)を使おう!

手練りよりもミキサーの方が細かいので面荒れしない!

今回の私達の研修結果…
同じように計量しましたが、右が手練り、左が攪拌機です。

攪拌機で混ぜた方が模型の面荒れがない、滑らかな表面ですね!

プツプツと細かい模様が面荒れです。

アルジネート印象材は同じで、石膏の計量もしましたが
石膏の混ぜ方で差がでました。

キレイに印象が採れても、石膏の混ぜ方でも変わります。

精度の良いものを追求するなら、機械で混ぜた方が良いですね🤗

3️⃣石膏の注入の仕方

必ず一方向から流す!

ケースバイケースですが、
シリコン印象の場合はアルジネートよりも気泡が入りやすいので
細い支台歯の場合は、印象面(一番重要なところ)を先に注入したりします。

4️⃣均等に盛ろう!

模型の変形を防ぐべく厚さを均等にしましょう!

修復物や被せ物の場合
↓↓↓

インプラント・義歯など欠損歯列の場合
↓↓↓

模型ひっくり返します。

③石膏の性質を理解しましょう!

・混水比が小さく、練和が長いと
石膏の硬化膨張が大きい。


まとめ

・印象練和時のムラ、不適切な石膏混水比→模型の表面が荒れる。

・残存歯の強いアンダーカット
→印象時に口腔内から撤去時に変形

・トレー内における不均一な印象材→石膏膨張も不均一になる。

・トレーからはみ出た印象材へ石膏注入→石膏の重さからの変形

・唾液、血液が付いたまま💦
石膏の凝固遅延効果があり、面荒れの原因となります。

最終補綴を印象する前に、
歯肉からの出血がしないような口腔内環境であることや、
唾液をしっかり飛ばすことなど

治療時に一つ一つ丁寧に!
精密な細かい作業をしています。
集中できる環境を院内で整える必要がありますね。

小さな手順が合わさることで、精度の高い補綴物ができます。

クラウン・ブリッジが絡む症例が多いのもあるのですが、
補綴の精度により二次齲蝕(虫歯)のトラブルを予防できたり、歯肉の状態をより良く保つことができます!

長いメンテナンス患者さんを診ているのですが、印象のズレ、石膏のズレと一つ一つの小さなズレが予後を大きく左右します。


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