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父親のはなし。

やさしさ、と聞いて
一番に思い浮かんだのが両親だ。
喧嘩もしたが、
何かあるときに
助けに来てくれるのはいつも両親だった。

特に父は
いざというときいつも助けてくれた。
大人になってから特にそれを実感した。

代官山で開催した個展の搬出の日、
大雨が降っていた。
困っていた私に父は
千葉からわざわざ車を出してくれた。
いつもそんな感じで困っているとすぐに
手を差し伸べてくれる。

離婚するときも、一番にかけつけてくれた。
一般的に見て
離婚の理由は元旦那にあったのだが、
父はにこにこして元旦那を責めなかった。
また、お金を持っていないはずなのに、
お金に困っていた私に
引っ越し代12万円をすぐ出してくれた。

心身を壊して入院した時も
両親は毎日会いに来てくれた。
母を連れて、父は毎日会いに来てくれた。
そのおかげで小さな子どものように安心して
治療に集中できた。
治りが早かったのもそのせいかもしれない。

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『グランドマザーに包まれて』

そんな父も今年で70になる。
去年はがんの治療を受けながら働いていた。

たくさん迷惑かけたと思う。
私は天才画家にはなれそうもないが、
父のように優しい人になろうと思う。

#やさしさにふれて

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