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切れてしまった鎖

日曜日、着替えて走って渋谷へ向かった。日本酒のテイスティングで、自分に合うオノマトペのお酒を教えてくれるという”未来日本酒店”のPOP UP STOREのようなものだった。10種類のお酒を飲んで、おつまみとグラスで出されたあまり飲んだことのない日本酒をたのしむ。気付けば、深い話になった。2次会は、混み合うファミレスでとりとめのない話が弾んだ。

来て、と久々に弱っている彼から連絡があった。帰り道、彼に買ってもらった、ひとめぼれしたブレスレットが切れてしまった。ぷちん、と。足下に落ちたそれを拾いながら、突然終わってしまった気持ちになった。気持ちがゆらゆらする時期がある、それは、今までだってあった。ひとりで立てるようになった気でいるけれど、いつだめになるかもわからない。

イベントに行ったおみやげに、彼が関わったというTシャツを買ってきてくれた。私が彼にしてしまった嫌なこと、彼が私にしてしまった嫌なこと。たまたま、どちらの立場も経験することになって、わたしたちは少しずつ歩みよることができた。なんだか、丸3年が過ぎて、家族のようになった気がする。分かってもらえていることの安心感と、名前のない関係の不安定さは、楽であると同時に、少しずつモヤモヤを生んでいたようだ。まっすぐに彼を受け入れられない自分に気付いてしまった。悲しいけれど、ゆるやかなさよならもあるのかもしれない。

書いてみるまで、こんなこと、自分が思っているなんて気付かなかったな。だからといって、もう年齢だから、とか焦る気持ちが今はないように思っている。流されてしまうことのほうが、怖い。やりたいこと、やる。生きたいように、生きる。揺れても、しなやかで居られたらいいな。

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