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【ブラッドリコール】考察ガチ勢と化した血廻想起者の手記【世界観考察】

注意書き

カードゲーム「ブラッドリコール」の世界観に関する重大なネタバレを含みます。

各小説や設定資料集はもちろん、果ては「そらのうえショッピングモール」まで考察材料としているため、全て読了してから読んでください。

また今後の展開を当てにいっているため、純粋に楽しみにしている人は読まないほうがいいかも…。

ゲームの攻略情報はまるで一切無いのでご安心ください(?)


はじめに

想起者の皆様こんにちは。相川です。
第一回公式大会ではうっかり優勝した私ですが、
「最期の詩」以降、野試合も含めてさーっぱり勝てなくなってきております。
オボツカグラがトラウマに

しかしブラッドリコールというこのゲーム。
対戦だけが楽しみ方ではありません。
世界観、シナリオが凝っていることも特徴の一つですよね。

先日のゲームマーケット2024では『小説版BLOODRECALL』が販売されるなど、その世界観も徐々に広がりを見せています。

そんなわけで考察班として生きることにした私は、
さっそく「例の港町」を観光

そして未だ謎めいているブラッドリコールの世界を真剣に考察してみました。

なお私はクトゥルフ神話関連については疎く、
最近ラヴクラフトをいくつか気になる作品からちょこちょこ読み始めている程度。(クトゥルフTRPGも実はやったことない…)
なので解釈が間違っている箇所があるかもしれませんが、ご意見いただけると嬉しいです!

年表

約100年にわたるブラッドリコールの物語。まずはその歴史を年表にして整理してみます。

緋の時代
紫の時代
灰の時代
蒼~黒の時代
現代

濃い部分は人器年代/全盛期。(例えば1920年代の場合、1920年からとしています)
薄い部分は少なくとも生存していたと思われる時期。
「史実」については実際に起きたことです。wikipediaを参照。

血廻想起者、残された謎

年表から、各キャラクターごとにそれぞれの謎がみえてきます。
一人ずつ見ていきます。

【廃滅の緋】の探索

小説においてその生涯が最も詳細に語られた彼。
残る謎は、没年である(はずの)1923年から、1940年の帰還までの空白。
狂炎攻略戦の時点で死んではいなかったとされていますので、
生きて人知れず「銀の鍵」を捜索、入手していたようです。
恐らくは狂気の地カダスに到達したのでしょう。

"それは失われしカダスの秘宝、狂気の地の最奥に輝くとされる銀の鍵。
それは、緋の一族が全てを犠牲にして探しだしたとされるアーティファクト。"

最期の詩 STORY より

カダスとはラヴクラフト作品群に登場する超高い山
夢の世界"ドリームランド"にあり、その頂にある城には神々が隠れ棲むとされています。
またあるいは『狂気の山脈にて』(ラヴクラフト)では、
南極にある前人未到の「狂気の山脈」、その更に向こう側がカダスにあたる可能性が示唆されています。

白が失踪した「狂気の眠る山脈」が『狂気の山脈にて』の舞台であるとすれば、【廃滅の緋】も南極まで辿り着いたのでしょうか……?

面白いことにこの期間は、ラヴクラフト活躍の時代と重なります。
この世界にラヴクラフト、あるいはその分身たる登場人物ランドルフ・カーターが実在するかどうかは不明ですが、
同時期に『銀の鍵』、そしてクトゥルフ神話そのものが生み出されたことになります。
銀の鍵……案外【廃滅の緋】がカーターから手渡しで貰ったのでは?

【超克の桜】の生涯

1940年の狂炎攻略戦から没年2020年までを生き抜いた、長命の想起者。
狂炎攻略戦時点で仮に15歳だったとすれば、95歳になります。かなり長寿。
ウスガネヨロイの力なのか、最期の言葉の力なのか……。
そして後述する激動の2020年、彼女はどのように世を去ったのでしょうか?

また、【廃滅の緋】から受け取った「銀の鍵」を、何らかの形で晩年【星宿の白】と接触し、継承したはずです。
あるいは【機翼の藍】、【葬送の黒】を経由したのでしょうか……?
もしかすると、血廻想起者たちが一堂に会する瞬間があったのかもしれません。

ところで主人公である「あなた」は、蘇芳の系譜であることが名言されています。

"蘇芳の系譜であるあなたの父親が【ヒヒイロガネ】を模して作ったとされる二振りの刀。"

公式サイト アポイタカラ 解説文 より

また、桜以外の蘇芳はほぼ全滅しています。

"蘇芳の古兵はことごとく討ち死にし、残されたのは(中略)蘇芳桜だけであった。"

最期の詩 超克の桜 より

蘇芳桜に子がいたとすれば「あなた」がその直系、ひ孫である可能性も十分にあり得ます。
その場合、「あなた」が【廃滅の緋】の直系の子孫ということにも……。

【無間の紫】の全盛

【無間の紫】は蟲神アイホートとの戦いの末に疲弊し、
徐々に狂気に堕ちていったため、没年と全盛期が一致しません。
最期には「血の神秘」も戦闘ではほとんど活用できなかったといいます。

とはいえ不思議なのは、
設定資料集での【無間の紫】の全盛期(1940年代)と、
トツカマヂチの年代(1950年代)も一致していないこと。
医師としての全盛期の後に、血廻想起者としてトツカマヂチを手にしたということでしょうか。

小説『旃荼』時点でも若々しい(よね?)ことから逆算すると、
相当若くして全盛期だったようです。

【雷霆の灰】の寵児

灰の一族は、緋の後継者に見出された後天的な想起者の集団とされています。
「緋の後継者」といえば【雷霆】の時代では蘇芳桜でしょう。護と桜の邂逅もあったのかもしれません。

後天的とはいえ、ある程度の遺伝、あるいは継承が行われていたのでしょう。【雷霆の灰】の父親も灰の想起者として戦いました。

小説『假面の下』においては、《まもるものができた日》の彼が登場。
幼いながらも父親の勇姿を心に刻んだ彼もまた、想起者となったのでしょうか。
緋に対する桜、蒼に対する藍に続き、次の拡張では彼が登場するかもしれません。

2040年において、生存していれば彼は57歳。いぶし銀ですね。
なので(?)色は銀と予想!
スーパー戦隊派と思われる彼が、シルバーの追加戦士として登場すると熱いかもですね!

インタビュー記事で言及されたアートへの落とし込みが「やべぇ」の色、
金銀と予想してます笑

【天穹の蒼】の消息

夏の世界で孤独に戦い続けた【天穹の蒼】ですが、残念ながら年表の上では2006年で戦ったのみとなってしまいます。

小説『ソラヲオモウ』では最後に生存が匂わされた彼女ですが、
まあ、死んだでしょうね…
緋の例があるので没年は嘘の可能性がありますが、藍がその後一人ぼっちで旅してますからね…。

人器師の一族である蒼の一族が彼女を最後に途絶えたため、
これ以降は人器の製造も難しくなったものと思われます。

例えば『小説版BLOODRECALL』に登場したカメラの人器は、
機械仕掛けと思われることからも蒼の一族の手によるものと想像できますから、2006年以前に使い手がいたのではないでしょうか。
(蒼の一族じゃなくても人器は作れるようなので、そうとも限りませんが)

【機翼の藍】の旅路

リコールカード群【リコール / 機翼の藍】で描かれる彼女の旅、
誰もいない廃墟の街のように見えます。
「夏の世界」は既に崩壊したはずですが、どうして街に人の気配がないのでしょうか?

彼女が旅する街は、終焉の街と表現されています。

"彼女は生まれた意味、なぜ自分は愛されたのかを探して、
終焉の街を彷徨いました。"

そらのうえショッピングモール 機翼の藍 解説 より

藍に対応する神話生物は、"暗黒を名乗る丘"シアエガ。
フレーバーテキストによれば、その力は機械の体を持つ【機翼の藍】を例外とするようです。
逆に言えば、あらゆる生命は例外なく死滅
そのために周辺一帯は終焉の街として廃墟になったのでしょう。
せっかく夏の世界止めたのにね……。

"【天穹の蒼】が守った街に再誕した神話的狂気、発する闇は生ある全てから命を奪い街は死に満ちた廃墟都市に変わった。"

最期の詩 暗黒を名乗る丘 より

しかし旅路の末、愛されていたことを知った【機翼の藍】は、
迷うことをやめ、シアエガと対峙。
その後は現在も生存中で、あなたを颯爽と助けにきたわけですから、
無事にシアエガを打ち倒したのでしょう。
その戦いの一部始終が語られる時が来るかもしれませんが、
神話生物に一方的に勝利している珍しいケースと言えます。

【葬送の黒】の正体

何もかもが謎につつまれている【葬送の黒】。今回の小説版でも彼については語られませんでした。
その多すぎる謎を列挙します。

  • 何故かあのネクロノミコンと関連がある。※背徳の貪り手もネクロノミコンによって復活している。

  • 血の起源がネクロノミコンの影響によって「記憶」に変質している。元々は違う?

  • 「先の戦い」を生き延びている。先の戦いとは

  • 何故か唐突に《乱戦》している。敵は背徳の貪り手に体を乗っ取られた生徒達と思われる。

  • 先生である【葬送の黒】が先生と呼んだ謎の女性がいる。彼女も背徳の貪り手に体を乗っ取られている。

  • 背徳の貪り手によれば、【葬送の黒】と呼ばれる理由がある。

  • お前ループしてね?

  • 「時読みの少女」がなんかちょっと言い淀んでいる。

"葬送の黒は…、禁呪を扱う黒の一族の血廻想起者です。"

そらのうえショッピングモール 葬送の黒 解説 より

解説に嘘、または隠し事がある?あるいは「時読みの少女」と何かしら因縁がある?

  • この時代に重大な何かがあるらしい。

さてそんな【葬送の黒】の正体。
これは私の大胆予想ですが……、
同年代で同じく謎な存在である、「『あなた』の父」だと予想します!

【星宿の白】が殺したとしている「あなた」父ですが、
「殺した」というのは記憶を消去し、人格を消滅させたという意味でも通ります。
つまり「先の戦い」とは、
「あなた」父がアポイタカラを手にハスター率いる星の娘達と戦い、
【星宿の白】が血廻想起者として覚醒した戦いを指しているのでは!?
そしてその過程でなんかうっかりネクロノミコンに接触した……?

黒の没年に「あなた」が生まれたとすれば、2040年で18歳ですから、年代的にも矛盾は無いです。
前述した蘇芳直系説もあわせれば、
【葬送の黒】= 蘇芳桜の孫 =「あなた」の父親 ということに!

うーんちょっと根拠が薄いですね……。
たぶん全然違うと思います笑

2020年の邂逅

「最期の詩」説明書には追加キャラクターに関連するストーリーが記載されています。
桜については小説でも補完されているため、わかりやすいです。
しかし機翼の藍。
『2020年 邂逅』とあります。
「あなた」は神話生物との戦いで傷つき、そこへ【機翼の藍】が助けに来ます。

しかしこれはおかしい。「あなた」が戦っているのは2040年だったはずです。(アポイタカラ年代や小説版から)
この矛盾は一体?

仮説1.「あなた」中年説

2020年で18歳ぐらいだとすれば、小説版の2040年で38歳。
アラフォーに学生生活をさせる精神攻撃」をしてくるニャル様。
うーんあまりに鬼畜である。

仮説2.「あなた」ではない説

後半部分、藍の家で目覚めるシーンは、白への言及があるため2040年の「あなた」視点ですが、
前半部分のあなたは実は「あなた」ではないかもしれません。叙述トリック。

後半部分では「会ったのは産まれたとき以来」とありますから、前半部分がその「産まれたとき」。
つまり前半部分は2020年の「あなた」父の視点なのです。
そして前述の【葬送の黒】父親説に従えば、【葬送の黒】視点ということに笑

仮説3. 普通に誤植説

たぶんこれだと思います笑
桜の1945年も、小説での狂炎攻略戦の昭和十五年(1940年)と相違してたりします。
そのため揺らぎを許容して考えてよいものと思います。

デュエルモードの話

ところで忘れてはならないこととして、
歴史に語られない戦いがあります。
デュエルモード、つまり私たちが普段プレイしている対戦です。
これもまた世界観に組み込まれた戦いです。

説明書にあるように、
デュエルモードは、技術を継承するために想起者同士が夢の世界で修行している…というような設定です。

ペンデュラムドールズでもそうですが、
対戦モード自体にも世界観的な意味があるというのが
個人的にお気に入りポイントだったりします。

少し自分語りをするのですが、
冒頭で述べたように、このゲーム難しくてなかなか勝つのは難しい!
第二回大会では残念ながら戦績は振るわずでした。

しかし、一緒に練習した人が勝ち上がっていったり、
感想戦で意見交換した相手から「さっき聞いた戦法で勝てましたよ!」と言ってもらえたり、

練習したことが無駄にならず、対戦することで環境全体のレベルアップに貢献できたのではないかと思うと、
その体験が作中の戦い、ブラッドリコールの世界観とリンクしているような気がして、少しだけエモい気持ちになったのでした。

何が言いたいかというと、対戦後の感想戦、楽しいのでやろう

VRワールドまでも世界観設定が用意されてるとこ好き

今後の展開

過去を補完しつつ、少しずつ現在の物語も進展しています。
今後は「あなた」を中心として、
白、藍、唐突に萌えキャラと化したニャル様による、
ラブコメもとい戦いが繰り広げられることでしょう。
「あなた」は年上好きのようですから、ニャル様微不利か。

白も挿れたり挿れられたりしたいんですか……!?

追加されるであろう紫、灰、黒の関係者。あるいはまだ見ぬ想起者の一族。
何食わぬ顔で登場したカメラの人器。
そして最強の敵アザトース。
ゲーム部分の追加としても気になる伏線が大量にありますから、次の拡張が楽しみですね。

おわりに

というところで。
VRブラリコや店舗大会など、ゲームの方も盛り上がっていきそうですが、
想起者としての戦いに疲れたとき、少し休憩してこんな風に世界観に浸ってみるのもオススメです。

それでは次の供給があったときにでもまた。


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