女性向けソシャゲ:アイドル クリスマスイベント(サンプル)

初めてのnote、そしてポートフォリオ第1弾!
ゲーム(特にソシャゲ)では「アイドル」は定番。ファンタジーや学園など数多の組み合わせが出ていますが、今回はポートフォリオに乗せやすいものということで、シンプルに現代日本のアイドルものにしています。

ゆる~いキャラはなんだか書きやすいんですよね。
サクッと読んで頂くため概要では省きましたが、同じユニットの他のメンバーは「 爽やか系の努力家の青年(リーダー)」と「フレンドリーな熱血アイドル」がいます。

【概要】

ジャンル:女性向けアイドルゲーム
文字数:2000字
主人公:事務所のプロデューサー(二十代半ばを想定)
メインキャラ:葉鳥 雪世(はとり ゆきせ)
3人ユニットアイドルの一人。儚げな見た目で少し天然な美少年がウリだが、プロデューサーの前ではちょっと怠け者で小悪魔な末っ子ちゃん。

【本文】

//事務所・朝

▼主人公
雪世さーん!
▼雪世
うーん、むにゃむにゃ……
▼主人公
起きてくださーい!

雪世は事務所のソファで
心地よさそうに寝ている。

▼雪世
プロデューサーちゃん……
まだ時間あるでしょ~?もう少し寝かせて……
▼主人公
渋滞とか考えたら今出たいんです!

明日はクリスマス合同ライブ
さまざまなアーティストも出演し、
生配信もされる

▼主人公
他にも会場の下見とか衣装を見たいんです
他のメンバーは仕事があるから私たちだけでも……
▼雪世
えーじゃあ二人が着くくらいの時間に行こー
それに準備してるスタッフさんの邪魔になるよー
▼雪世
時間は守るし……仕上げるところは
ちゃんと……
▼主人公
雪世さん?

急に静かになった。
よく見ると寝ている。

▼主人公
雪世さん!もう……!
▼主人公
あ、もしかして何か具合が悪いとか……?

普段からこの調子だけどその可能性だってある。
慌てて雪世を揺さぶった。

▼主人公
雪世さん、何か熱があるとか体がダルいとか……
昨日はちゃんと寝ましたか?
▼雪世
んー?たっぷり寝たし、元気だよー
さっき楽しい夢を見たから、続きを見たくて

雪世は無邪気に笑った。
主人公は肩を落とし、雪世を見る。

▼主人公
……雪世さん
早く起きないと毛布剥がしますよ
▼雪世
え!?
▼主人公
毛布はそのまま事務所の倉庫にしまいます
▼雪世
ごめんなさい! 起きるからー!

雪世は勢いよく起きる。
その時着信が入りメッセージを確認した。

▼主人公
え!?
▼雪世
どうしたの?
▼主人公
それが演者さんの一人が体調不良みたいで……
その分、出演時間を伸ばしてくれませんかって
▼雪世
ええ!
▼主人公
(これはチャンスだ。いいステージができたら
もっとファンは増える……!)
▼主人公
前日に準備できることはトークとか……
でも歌とダンスを見てほしいな
▼雪世
定番曲はもうやるしね~
▼主人公
ですよね。あとは新曲とかお披露目が少ない曲しか……
でも三人揃う時間を考えたら間に合わないし……
▼雪世
ねえ、プロデューサーちゃん
僕、ソロ曲やろっか?新しいやつ
▼主人公
え!?
▼主人公
ライブで見せたのはリリースの時に一回だけですよ?
ひと晩で仕上げるなんて……。
▼雪世
一度はやってるし、僕ならできるよ
▼主人公
(たしかに雪世さんは飲み込みがいいどころか天才だ
でもそれに甘えて負担が増えるのは……)
▼雪世
プロデューサーちゃん
僕を信じてくれないの?

雪世は小首を傾げ、長いまつげを瞬かせた

▼主人公
わかりました。お願いします
ただメンバーがOKか、一応相談しておきましょう
▼雪世
わぁ! ありがとうプロデューサーちゃん!
▼主人公
(普段はサボりたがるけど……
やっぱり根は真面目だな)
▼雪世
じゃあ、その代わり……

雪世の顔から天使の微笑みが消えて
いたずらな悪魔のような笑顔になった。

▼雪世
ご褒美ちょーだい
せっかく、クリスマスだしね
▼主人公
そういうことか……
▼雪世
僕、ちゃーんと頑張るよ?
▼主人公
(でも今回は急な話だったし……
むしろ正当な要求だ)
▼主人公
いいですよ。何がいいですか?
▼雪世
それはね……

//ライブ会場・ステージ裏

クリスマス合同ライブ当日
会場は熱い拍手に包まれていた

▼主人公
よかった……。ソロの新曲は
いいサプライズだったみたい

ステージから雪世が戻ってきた

▼雪世
ただいま~
▼主人公
お疲れ様です!いいステージでしたよ!
▼雪世
ありがと~さすがにクタクタ~
ふぁ……
▼主人公
雪世さん。ありがとうございました
ひと晩で完璧に仕上げてくれて……
▼主人公
最高のステージでしたよ
▼雪世
ふふふ。二人やプロデューサーちゃんが
応援してくれたしね~
▼雪世
それに……ご褒美のためだよ
ちゃんと覚えてる~?
▼主人公
はい。事務所用のベッドですよね
▼雪世
うん、それ~
▼雪世
あのね、まずはキングサイズで~
マットレスはこだわりたいからすごくいいやつ
▼主人公
えっ
▼雪世
布団は天然の羽毛布団でー
▼主人公
すみません、雪世さん
それはさすがに難しいです……
▼雪世
えぇー!?
▼主人公
ご褒美をあげたい気持ちは山々なんですけど……
▼雪世
そんな……。
▼主人公
ごめんなさい!事務所にも予算があるんです!
それに大きいベッドを置くとみんなのスペースが
なくなってしまうので……
▼雪世
うぅ……せっかく頑張ったのに~
▼主人公
その代わりコンパクトなもので勘弁してください。
高級じゃなくてもできる限りいいものにしますから!
▼雪世
……本当?

雪世は唇を尖らせ、上目遣いで見つめてきた。

▼雪世
ちゃんとご褒美くれる?
▼主人公
はい。それはもちろん!
▼雪世
……仕方ないか
▼雪世
もっと人気になって広ーい事務所に引っ越せばいいよね
それで事務所用のベッドはすっごくいいものにしよー

雪世は楽屋に戻ろうとしたが
ふとこちらに振り返った。

▼雪世
プロデューサーちゃん、
ご褒美どうにかしようとしてくれて嬉しかったよ
▼雪世
それにソロお披露目の機会をくれてありがとー

雪世はにっこりと優しく微笑む。

▼雪世
ふふふ
また頑張るから次のご褒美考えといてね

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