ねえ、私を女の子にしないで
働く女性のはなし
働いている女性によくある話をつらつらと書いてみようと思う。
そもそも、働いているときは「男性」「女性」関係ない。
そこにあるのは成果だったり、納期だったり、クライアントだったり。
女性がいくら生理で辛いからといって、そう簡単に休める社会でもない。
(ただ、わたしは男女は違う生物であるから、女性の働きやすさを追求する社会になればいいなと心底思う。)
そんな中では、働き者の女性は、どうしても一人で生きていくことが多い。
「頼っても納期は変わらないし」
「ああ、誰かに癒されたいなあ…でもこれを終わらせなきゃいけないし、頼れないし」
こうなりがちだ。しまいには
「なんで男って仕事が出来ないわけ?」「頭悪すぎじゃない」
って。出来る女はなる場合もある。
だってあなたは有能だもの。頑張り屋さんだもの。
私は「強い個」の人間なので、所属して働くことになんとなく苦手意識を持っていて、働くにしても個の仕事を大切にする会社にする。だから手に職であり、選んだことは文筆業なんだと感じる。それは正しかったと思う。
フリーの仕事は、1人で納期と向き合い、1人で営業をかけ、1人で原稿を仕上げる。そこから編集さんやディレクターさんと良い記事に仕上げていく。
良いものが出来上がった瞬間は、何とも言い難い幸福が身体を湿らせる。
1人は決して悪いことではない。
私を女の子にさせないで
そんな基本的には1人で生きている私なのだが、どこか強がって生きている節がある。困ったことに、無意識の問題だ。
「大丈夫だから」「これくらい大したことじゃない」「出来るよ」
いつもこうやって、自分を奮い立たせてきた。
「私ならきっと大丈夫」
って、何度も何度も奮い立たせてきた。
そうやって生きてきた。
覚えがある女性たち。私にとって、みんな友達だよ。良くやっている。
自分を褒めてあげようね。
そんな中、最近、不思議な人と出会った。
彼はそんな私の強がりを一瞬で見抜き、
「君もきっと記憶に縛られたり、無意識に不安を感じることもあるんだろうなって感じて心配になったよ。」
と、ポンッと送ってくる言葉が、真っすぐ過ぎて怖かった。
強がりで怖がりの私が顔をのぞかせ、「あなたに何が分かるっていうのよ!」って、ほんの小さな抵抗をしてしまいそうになる。嬉しいくせに。
私を女の子にしないで欲しい。
心の中に入ってこないで欲しい。
小さな私を見られたくない、怖いの。
そう思った。
なんと、そんなこと、考えたこともなかったのに。無意識が顔をのぞかせた。
「ああ…わたし、女の子になりたかったんだ」
縛り付けていた呪いのようなものが、見える。
きっと自分で自分を、グルグル巻きにしていたんだろう。
でもね、私はもうわかっている。
そんな強がりはやめようね、って。
だって、そんなに喜んでいるじゃない。
そのままで良いよって、彼は言ってくれたんだよ。
ふう。
30歳を過ぎて、いい歳とよばれ、なんとなく自分の道を手探りの状態で見出してきて、なんとかやっていけそうだな~って感じていて、それはもう、努力以外のなにものでもない。
はあ。
こんなに自分と向き合う作業が辛いものだったなんて、丸裸になるようなもので、小さい自分を受け入れる作業が辛い。
けれどきっと、未来は輝いていると思う。
きっと輝いていると信じたい。
この文章を書きながら、涙が止まらないんだけれど、その理由は分からない。
きっとこれは嬉し涙だ。心の潤滑油だ。たまにはいいよね。
未来の不安を数えたら、そんなものはきりがないから。
今は今を大切にしよう。
彼にありがとうと、心の底から伝えたい。
まだ、私たちははじまったばかりだ。
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