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相棒3 第2話「双頭の悪魔Ⅱ〜堕天使」感想

前編はこちら

「双頭の悪魔」中編

いや〜、引き込まれるね!!
•小野田以上の権力者からの解雇通告
•瀬戸内と朱雀の迫力しかない舌戦
•右京をできる範囲で庇う大河内監察官
•右京の為に早期解決を目指す亀山君
•加賀谷達から離反する大八木秘書官
これだけでも上がるのに
小松原のRTA拳銃自殺という衝撃で締める構成。

事件についての直接の新情報は全く出てないのに満足してるのが凄い。

あとどうでも良いけど照山さんを演じた石橋さんは同じ帝都新聞記者かつ同じ美和子の先輩ってポジションで照元さんとして後に別役登場してる。
…役名変える必要無かっただろ。

【あらすじ】

前法務大臣・瀬戸内が自首してきた目的が判明した。
首相補佐官・沢村の死亡事件の捜査は打ち切りとなる。
瀬戸内の自首に不審を抱く右京は、沢村が首相官邸内に仕掛けた盗聴器を知るゴシップ記者・鹿手袋に面会する。

脚本:輿水泰弘
監督:和泉聖治

【ゲスト】

片山雛子(演:木村佳乃さん)
朱雀武比古(演:本田博太郎さん)
加賀谷秀之(演:佐戸井けん太さん)
鹿手袋啓介(演:西村雅彦さん)
海音寺菊生(演:竹中直人さん)
瀬戸内米蔵(演:津川雅彦さん)

【感想】

《悪女の誕生》

[片山雛子]
これから私が言う事は独り言
聞くのは勝手よ
万が一、アナタが警察に捕まったとしたら…
たとえアナタの一存だったとしても私はとても傷付くわ
それが1番困る
アナタに警察に捕まってほしくない
けど、捕まらない保証はどこにも無い
困ったわ…
どうすればいいのかしら…

アナタが生きている限り…
ずっとハラハラしなければならないのね

相棒3「双頭の悪魔Ⅱ」より

稀代の悪女、片山雛子

朱雀の権力で小野田や瀬戸内といった後ろ盾を失い、懲戒解雇寸前の杉下右京。
残された数日間で朱雀を追う中、朱雀と雛子が愛人関係である事、それを知った鹿手袋へ雛子の秘書である小松原が襲撃を依頼した事を突き止める。
しかし小松原は雛子の希望で自殺し、捜査は暗礁に乗り上げる。

中編最大の見所は片山雛子による小松原への自殺教唆
木村佳乃さんの鬼気迫る怪演っぷりが凄まじい。
津川雅彦や本田博太郎といった名優達に負けずとも劣らない迫力を出してくるし、ここでの怪演があるからこそ以降の『相棒』でも重宝され続けたんだと思う。
当時28歳って嘘やろ…

ただ小松原が早まったのは確か。
チョロチョロしてくる鹿手袋をうざったいのは確かだが、雛子はしっかり手を打ったにも関わらず自己判断で刺客を差し向けてしまう。
昔から雛子を知ってるだけに若くて足りない面があると器量を小さく見積もってしまった。

疑問点としては何で鹿手袋に雛子事務所からお見舞いの花が送られたのかって事。
支援金の2,000円は雛子から鹿手袋に返したし、当然熱心な支援者でも無いので刺されようが無視しても良かった。
罪悪感を持った小松原が花を送ったって線もありそうだけど、それはそれで無能が過ぎる。
勝手に闇勢力に仕事を依頼して、勝手に罪悪感を持ち、勝手に花を送った結果特命係に疑われる。
よくこんな無能で長年秘書が出来たなと言いたくなる。
S2「秘書がやりました」で完璧にやり遂げた三峰を見習ってほしい。

[片山雛子]
何事にも…始まりがあるという事です

相棒13「苦い水」より

ただ個人的には小松原を死なせる覚悟を決めた瞬間に片山雛子は誕生したとも考えている。
S13「苦い水」では過去の恋愛を乗り越え強くなったと描写されており、雛子自身もそれが始まりだと明言している。
その設定に異存は無いがどんなに強くなろうともそれはキッカケに過ぎないし常人の感性の域を出ない。

しかし昔から世話になっていた小松原を死なせたのをキッカケに修羅の道を進む事となった。
元々は人前で話す事も苦手な優しく穏やかな少女が駆け上がる事にのみ執着した怪物となった本当の原点。
どれだけ厳しくツラい状況でも小松原サを死なせた十字架を背負い続ける限り彼女は救われない。
果たして瀬戸内の元で仏門に入った雛子は救われたのかね…

余談の考察だが、S13「苦い水」で父の秘書に自身のライバルと裏切者を追い落とす写真を撮らせたって言ってたけど多分その秘書も小松原な気がする。

《もう1人の悪女》

ちょっと美和子嫌いになりそう
下手したら鹿手袋よりもタチ悪い。

100歩譲って亀山じゃなく鹿手袋を好きになるのは良いよ。
それを打ち明けられず半年間黙っていた事も許そう。
でも亀山が来る可能性が高いのに毎日病院に通い詰めるのはダメだろ!!
麹町東署の管轄で亀山が事情聴取に来る事も知ってるのに見せ付けるように通い詰めるのは本当にタチが悪い。
鹿手袋の所へ行く暇があるならもっと真面目に仕事しろ。

しかも亀山は鹿手袋をボコボコにしたいのに、警察官としての倫理観と怪我人だから享いう優しさで厳しく問い詰める事も出来ない生煮え状態であまりにも可哀想。
そんな状態の時に打ち明けるのは改めて卑怯。

そりゃエスカレーターで亀山と美和子がすれ違われると右京さんも気まず過ぎて絶句するわな…。
鹿手袋へ私情をぶつけた亀山へ警察官として憤りながら、とはいえ美和子とすれ違った時の切なさや悲しさを見てかける言葉も無いのがツラそう。
天才である杉下右京でも傷心の部下を慰められる言葉は思いつく事が出来ない。

まぁ亀山側も海音寺へ事情を話して捜査から外してもらえとか、右京さんとつるんで勝手に行動してるんだから鹿手袋と接触して心を痛め続けるのは自業自得って見方も出来なくも無いが、そもそも握り潰されようとしてる殺人事件を捜査してるんだから社会的正義は亀山側にある。

この2年後には結婚して、19年後もラブラブとはいえ亀山君は美和子にもう少し怒っても良いと思う。
まぁそれを怒らないし怒れないのが亀山薫の良さなんだけど、ファンとしてはもどかしいよね…。

【小ネタ&雑感】

•課長と米沢さんが亀山戻ってきて嬉しそうなの好き
•特命係にゴミ(捜査資料)をリサイクルしにきた米沢さん
•本田博太郎と津川雅彦の掛け合い凄い
•美和子もいたなら亀山君来なくて大正解
•盗聴でストレス解消って青木かよ
•閣議室に何故仕掛けなかったのか
•瀬戸内と雛子の叔父姪っぽい関係好き
•大河内監察官キター!!
•大河内「杉下さんの唯一の『相棒』」(後に3人ほど増えます
•右京さんの車がフィガロじゃない!
•数日黙らせるよりも数日で解決させた方が楽って思考好き
•朱雀曰く、ハナタレ小僧の杉下右京
•大八木が離反した途端に右京さんに接触されるの笑う
•危険を察知してギリギリで逃げる大八木秘書官に魅力を感じてる(多分今回のMVP
•何でトイレに呼び出すんだ海音寺
•海音寺は坊主とエリートが嫌い
•雛子を愛人にした事で17年後に冠城から「趣味悪」と酷評される朱雀
•情報源が鹿手袋ってバラすのダメだろ右京さん!
•伊丹「所轄の亀山ァ!」

【次回】

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